【入門編】財務諸表の種類と見かたについて。
こんにちは事業計画研究所です。
本日は【入門編】シリーズとして、財務諸表の種類と見かた、それを使用した各分析手法について3週+αにわたって記載していこうと思います。
株式の売買をしている人やビジネスマンには見慣れた書類かもしれませんので、あくまで初学者向けとして記載していこうと思います。
そもそも財務諸表とは?
企業は経営活動により発生した取引等は、帳簿に記入(簿記)して報告書として国に報告をしなければなりません。
この報告書のことを財務諸表と呼びます。
財務諸表は3表と呼ばれる重要な書類が3つあり、「貸借対照表」・「損益計算書」・「キャッシュフロー計算書」があります。
(※企業によって対象となる法律が異なる為、全ての会社に報告義務等が当てはまるわけではありません)
財務諸表の作成によって、数値として企業の健康状態がわかるため今後の生存戦略等にも大いに役立てられます(管理会計)
また、その他の利害関係者に対しても大きな意味があります。(財務会計)
例として3つあげておきます。
【投資家】:売買の意思決定に役立つ資料として
【債権者】:金融機関や取引先に対して、債権回収の判断材料として
【税務当局】:利益に対して、正しい法人税等が課税されているか
財務諸表は大きく分けて3つあり、それぞれを「貸借対照表」・「損益計算書」・「キャッシュフロー計算書」があります。
それぞれを1週ごとに記載していこうと思います。
本日は「貸借対照表」について説明していきます。
貸借対照表(B/S)とは?
最初に読み方は、貸借対照表と読みます。別名をバランスシート(B/S)といいます。
貸借対照表はある時点(1年間や事業年度末)における、企業の財政状態を表す財務諸表の一つです。
どれだけの資産をもってて、どこからその資産を生み出されているのか。ということですね。
【賃借対照表からわかる事】
1.どれだけの資産があるのか
→資産をどのような配分で割り当てているのか。
2.資産の源泉はどこからか。
→借金&自己資産
では、賃借対照表を見てみましょう。
少し複雑に見えますが、記載としては下記の表記で統一されています。
例に当てはめるとこのようになります。
少しはわかりやすくなったでしょうか?
それぞれを半分にわけて、「どのように資金を使っているのか:左」・「どこから資金を得たのか:右」を記載しています。
そしてその二つは常にイコールの関係にあります。
それでは各項目について一つずつ見ていきます。
資産の部
【1.流動資産】
現金や預金、ほかに企業が短期的に現金化可能と見込める諸資産です。
想像がつきづらい3種類の語句について説明しておきます。
【受取手形】
営業取引があったが、代金未収分のうち手形として受け取った額
手形=貸し借りのあった者同士で、一定の期日までに一定の金額を支払うと取り決めた証券のこと
【売掛金】
営業取引があったが、代金未払い分に対しての未収分にあたる金額
【貸倒引当金】
売上債権(売掛金や受取手形)のうち、相手の倒産等で返ってこない可能性がある資産。
返ってこない可能性がある名目上の資産なので、賃借対照表に記載する際にマイナスとして表記しなければならない。
※△はマイナスの意味です。
【2.固定資産】
長期にわたり保有し、使用する資産のことです。
有形と無形があり、無形とは形のない「権利」のような資産のことです。
ここでは、1種類だけ説明しておきます。
【原価滅却累計額】
資産の使用による価値の減少分の累計額のことです。
土地以外の固定資産は時間経過とともに価値が下がっていくため、その減少分の価値を金額として表記した額となります。
例:1億円で建てた建物は30年後には1億円の価値もない。
負債の部
銀行や取引先などの債権者(お金を貸している人)から調達した資金のことです。返済期間に応じて、大きく2種類に分けられています。
【1.流動負債】
比較的短期間に現金で支払うことが想定される負債のことです。
【支払手形】
営業取引があったが、代金未収分のうち手形として払い出した額のこと。
【買掛金】
営業取引があったが相手への代金未払いがある場合、それにあたる金額のこと。
【短期借入金】
金融機関等からの借入金のうち、決算日の翌日から一年以内に返済することを約束して借りたお金です。
【2.固定負債】
一年以内に支払う義務がない負債のことです。
一般的には社債や銀行からの長期借入金などがあります。
【社債】
資金調達を目的として、投資家などに対して発行する債券のひとつです。
利払日に利息が支払われ、償還日に額面全額が払い戻される。
簡単に言えば、お金を借りている間は利息を支払って元金も全額返すということです。
純資産の部
企業の資金調達のうち、主として株主から調達した資金のことです。
返済に充てる予定のないお金の為、自己資本とも言われています。
ここでも、2点だけ語句について説明しておきます。
【資本剰余金】
会社設立後、新たに株式を発行した時などの資本取引によって発生する余剰金のこと
おおざっぱにいえば、資本以外の事業の元手になります。
【利益剰余金】
自己資本のうち資本金を越えた部分のお金のことで、企業に内部留保されている利益のことを指します
企業が生み出した利益の積み立て金と言えます。
少し長くなりましたが、本日はここまでです。
次回は損益計算書について記載します。