【勝手に分析】製造業(中小企業)の利益率とSWOT分析&クロス分析
こんにちは。事業計画研究所です。
【勝手に分析してみた】シリーズ、第二段ということで今回は(小規模)製造業について。
中の人が製造業との関係性も強く、現場からお聞きした話などをもとに経済面などを踏まえて分析してみようと思います。
是非、最後までご覧ください。
<シリーズ第1弾はこちら↓↓>
製造業(中小企業)の仕事ってどんな感じ?
こちらは、企業の規模や業務内容にもよるのですが、あくまで傾向的にですが小規模の製造業においてははいわゆる“下請け”の立ち位置で経営されていることが多い印象です。
すごくざっくりしていますが、業務の流れを示すと上記の形です。
商品開発を行う企業からの依頼をもとに、モノを作り納品して収益を上げるという構造です。自社製品を直接販売している会社もありますが、小規模の製造業者においてはまだまだ少数派なのではないかと思います。
利益率はどのくらい?
(参照:中小企業実態基本調査 / 令和2年確報(令和元年度決算実績) 3.売上高及び営業費用 (1) 産業別・従業者規模別表)
上記データをもとに算出してみたところ下記の結果となりました。
製造業者全体では、約3.39%
5人以下の企業では、約0.85%
6~20人規模の企業では、約2.13%
事業規模と利益率は比例する傾向にあることが見受けられました。
下記サイトより抜粋した業種別平均ランキングを参考にすると、利益率自体は決して高くはない業種であると推察できます。
製造業(中小企業)をSWOT分析にかけてみる
今回、機会の一つは『小規模事業者持続化補助金』に当てはめ考えてみたいと思います。
※すべての企業さまに当てはまるわけではありません。あくまで1ケースとしてご認識いただければ幸いです。
Strength(強み)
・製造能力(モノづくりのスキル)が高い
・独自の技術を有している
・町工場同士の繋がりが強固
Weakness:弱み
・比較的、年齢層が高いためオンラインやネットに乏しい
・商品の販路開拓の知識が少ない
・委託元の企業が倒れると、共倒れになる可能性が高い
・利益率が低い
Opportunity(機会)
・オンライン市場の拡大
・小規模事業者持続化補助金の応募要項を満たしている(従業員数:~20名)
Threat(脅威)
・新型コロナウイルス感染症の影響
(ウィズコロナ・アフターコロナ含む)
・中国などのアジアからの生産、低コストの商品の流通
クロス分析もやってみた
1.「強み」×「機会」(積極的戦略)
モノづくりの技術を活かした広報戦略
例えば、自社ECサイトを制作しSNSなどを活用しPRを行い、新たな販路を確立し新規市場の開拓を行う。
繋がりある同業他社と連携を行い、より独自性の高い生産性を生み出していく。
2.「強み」×「脅威」(差別化)
コスト面での価格競争で対抗するのは困難だと感じる。
➡高い技術力を積極的にPRし、薄利多売ではなく厚利少売のオーダーメイド製品を制作していく。
3.「弱み」×「機会」(段階的戦略)
ネットやオンラインについては、業務委託で専門家を頼ることで知識や経験を補う。チャンスロスしないためにも情報感度を高める体制を整えていく。(SNSでの情報発信など)
4.「弱み」×「脅威」(脅威回避)
安易に値下げして同じ土俵で戦わない。下請けを脱するための仕組み作りと、顧客となるファン作りを地道に行っていく。
分析結果をもとに
今回の分析結果をもとに事業戦略を立てるとするならば、脱下請けを目指し、オンライン市場を活かしたオーダーメイドの製品販売などでしょうか。
それを行うには、
・顧客との接点をどうやって作っていくか
・誰にECサイトを作成してもらうか
・実際に販売する商品はどうするか
などを更に具体的に深掘りしていく必要があるでしょう。
まとめ
今回は大きな枠組みで分析を行いましたが、上述したように事業計画を立てる上では更に細かく深掘りしていく必要があります。
その際に、忘れてはいけないのが『何のためにその事業を行うのか?』という目的意識を持つことです。
ましてや顧客のファン作りを銘打っているので、いわゆるストーリー性やブランディングといったことも必要な要素の一つとなります。
本日もお読みいただきありがとうございました。何か一つでも皆様のお役に立てれば幸いです。