【5段階企業成長モデル】組織はどのように発展、成長してゆくのか。
こんにちは、事業計画研究所です。
先週の金曜日に続いて、本日は組織開発について記載していこうと思います。
また次週に組織変革について記載予定です。
前回記載したタイプ別組織文化が、どういった経緯で形成されていくのか。順にフレームワークを交えて記載していこうと思います。
組織開発のプロセス
どのような大企業も創業者数名からはじまり、様々な過程を経て企業として成り立っています。
そういった企業の成り立ちは「5段階企業成長モデル」としてフレームワーク化されています。
組織は5段階のフェーズを経由して発展していくといわれています。
上図にある通り、企業として成長するためには4つの危機を乗り換えなければいけないとされています。
グレイナーの企業成長モデル
【第1段階】
ー創造性の成長ー
0→1へ、起業の段階です。
会社というよりチームぐらいの規模感の企業ですね。
社長がアイデア出し、売上管理等の全てを行いながら実績に応じて人材を増やしていく過程です。
最初のうちは、人員も少なく指揮系統は社長からのトップダウンで円滑に進みます。
しかし、組織として役割分担や組織図等はないに等しい状態にあるといえます。
また、人員増加に伴い概ね10名を超えたあたりで最初の危機が訪れます。
1人で全てを見ることが困難になってきます。
人員の増加に伴い、創業者自体が会社のボトルネックとなってしまいます。
自分で全て把握してこなしたいという創業者はここで個店どまりとなります。
【第2段階】
ー指揮・命令の成長ー
30人程度くらいまでの規模感の企業です。
社長から人員に対して指揮・命令を下して生産性の向上を図るとともに、
職能別にすみわけがなされます。
しかし、指揮命令型の経営スタイルは変わらずのため社員が職能以上の働きができない・成長がない状態が来て停滞してしまいます。
また、職能でわかれることにより、役割を飛び越えた仕事はしづらくなります。
そこで、第2段階の危機が訪れます。
社長に権限の全てが集約されており、トップダウンで企業が進んでいくため
社員の自主性が低下していきます。
すなわち指示待ち人間が出てくると言う訳です。
第1段階と比べて、第2段階では権限を社員へ譲渡することが必要になります。
マネージャーを配置する事でそれぞれの自立性を促し成長軌道へ乗せるよう推し進めます。
【第3段階】
ー権限委譲による成長ー
規模としては50人程度までの企業です。
人員拡大と職能別にわかれた組織図、権限移譲した管理者の配置などで
段々とトップダウン方式の経営スタイルではなくなっていきます。
部門ごとに分かれて仕事を進める中で、管理体制から徐々に外れる管理職も出始めます。
また、50人規模の会社になると、外部からスキルをもった転職組が転入してくる時期となり
転入組が独自のスタイルを持ち込むことによって組織体制から逸脱した経営スタイルに変化することがあります。
これが第3の危機です。
同じ経営理念や将来のビジョンをもって、業務に励んでいたはずの社員が
それぞれ自立性を身に付けて各々のやり方で仕事をこなすようになり、会社の理念が見えづらくなってくる時期です。
・数字しか見えなくなってくる社員・部門
・自分の評価のために部門をしめつける管理職
・マネジメント体制を維持したい管理職VS現場社員
こういった社員などが出始めるという事です。
この段階まで来ると、「企業としてのゴール」・「企業理念の周知・共有」
「共通の価値観・評価基準」が必要となります。
しかし、大きな落とし穴もあります。
上記のような現象が起きた場合、真っ先になされるのがルールやコンプライアンス体制の整備です。
これが過剰になる傾向があり、現場への過度なしめつけにより業務効率が低下することもあります。
業務効率の低下がさらなるルール整備を招き、現場社員が雁字搦めになってしまうケースがあります。
【第4段階】
ー調整による成長ー
第3段階の危機を乗りこえて、さらなる成長を遂げると今度は制度やルールが形式化して、変化に対応しづらくなってしまいます。
元々は企業理念や目標を達成するために積み上げた制度が、
意義を忘れられて、形だけ残ってしまうわけです。
組織自体は、事業のポートフォリオも最適化され、
管理から逸脱した人材も目立たなくなります。
そして企業として成熟し、経営も安定した状態になります。
しかし、安定してるが故に危機が生じることもあります。
安定した経営状態でルールや制度等が形式化してしまい、官僚主義的な組織になってしまう危機です。
現状に満足している社員(安定志向)と革新やさらなる成長を望む社員(挑戦志向)とで対立が起こる事も珍しくありません。
また、いわゆる大企業病といわれるイノベーションのジレンマに捕らわれやすい時期であると言えます。
※イノベーションについては過去記事で紹介しています。
保守的な志向や過去の成功体験、大企業特有の手続きの煩雑化・部門間調整が原因の大部分を占めるといわれています。
そして、安定した経営状態とは反比例的に外部の環境変化に対応しづらい企業になっていきます。
ですので、多くの日本企業がこの第4段階で足踏みしていると思われます。
イノベーションの創出が阻害されるような企業体制では、いずれ時代に取り残されてしまいます。
【第5段階】
ー協働による成長ー
第5段階まで企業が成長すると、協働による成長が重視されます。
企業としては組織として成熟した状態にあり、社員が企業に不満や改善を促すような環境にはないと言えます。
社員各々が与えられた権限と職能を元に、自立性をいかして働く環境です。
昨今ではティール組織等の自律分散型組織が注目を浴びているかと思います。
いつでも、自分を律するのは自分であらねばならない。ということですね。
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