電子帳簿保存法はこれだけでOK!ポイントを押さえ手軽な方法で対応しよう
2022年の改正が記憶に新しい電子帳簿保存法。対応するためのシステムやセミナーの広告は多いため、「そろそろ対応しなければ…」と焦る方もいるのではないでしょうか。しかし、ポイントさえ押さえていれば恐れる必要はないと私たちは考えています。
今これだけは押さえたい電帳法のポイント
■データで受け取ったものはデータで保存
2022年の電子帳簿保存法の改正では、電子取引にて受け取った書類は、オリジナルでのデータを保存することが義務化されました。電子取引とは、メールやインターネットを用いたサービス上で書類を送ることです。つまり、「データで受け取ったものは、受け取ったデータそのものを保存しておいてね」ということです。
データを印刷してファイルに綴じておくことは、今後は適切な保存として認められなくなります。印刷するとしても、受け取ったデータも保存しておく必要があります。
しかし、これは今すぐに変えなくても大丈夫です。義務化には猶予期間があり、2023年12月31日の取引分まではプリントアウトした紙での保存だけでもOKです。ただし、2024年1月1日からは、受け取ったデータも保存しなければなりません。
■電子取引データ保存の要件
電子取引データの保存には4つの保存要件がありますが、新たに対応する必要があるのは以下の要件です。
・検索機能の確保
・データの真実性を担保する措置
■検索機能の確保
保存した電子データは以下の項目で検索できるよう管理する必要があります。
・取引年月日
・金額
・取引先
例えば、PDFで受け取った請求書なら、パソコン上に請求書フォルダを作り、「【請求書】_○○株式会社_20230501_50000」というタイトルを付けて保存すればOKです。フォルダ内検索を使えばデータを検索できるため、わざわざシステムを導入しなくても対応できます。
■データの真実性を担保する措置
真実性を担保する措置には4種類ありますが、一番簡単にできるのが「不当な訂正や削除を防ぐための事務処理規程を作って運用する」ことです。データの内容を不正に書き換えたり、誤って削除したりすることのないように、きまりを作って管理するということです。
事務処理規程のひな型は国税庁のHPからダウンロードできます。規定を作る手間はかかりますが、それ以降は対応の必要はありません。
他は今まで通りでOK
電子取引データの保存以外には、以下の区分があります。
①電子帳簿等保存
②スキャナ保存
①は会計ソフト上で作成した帳簿はデータのまま保存できるということです。②は、要件を満たせば紙で受け取った書類をスキャンしてデータで保存してもいいということです。どちらも今まで通りの方法で問題ありません。
おさらい
・データで受け取った書類はデータで保存する
・パソコンのフォルダ上にPDF形式で保存し、「取引年月日」「金額」「取引先」の入ったタイトルで管理する
・国税庁HPのひな型を参考に「事務処理規程」を作成する
・今はできていなくても、2024年1月1日からできるよう準備しよう
電子帳簿保存法への対応は、意外と簡単と思った方も多いのではないでしょうか。ビジネスデザイン研究所は、「焦る必要はない」という見解を持っています。まずは2024年1月1日に向けて、できることから取り組んでみましょう。