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年金とは?最初に押さえておきたい基礎知識
年金は、老後の生活資金を支える重要な制度です。働いている間に保険料を支払い、老後にその対価として定期的に給付を受けるシステムで、日本における社会保障の中核を担っています。しかし、具体的な仕組みや受給条件など、年金に関する知識は複雑で理解しにくい面もあります。この記事では、年金制度についての基礎知識をわかりやすく解説し、まず押さえておきたいポイントを紹介します。
1. 公的年金制度とは
日本の年金制度は「公的年金制度」と呼ばれ、国が運営している仕組みです。公的年金は大きく分けて2つの柱があります。
国民年金(基礎年金)
厚生年金
国民年金(基礎年金)
国民年金は、日本国内に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する年金制度で、「基礎年金」とも呼ばれています。自営業者や無職の人、学生も含め、全ての人が国民年金に加入することが義務付けられています。
保険料は一律で、2023年度時点で月額16,590円です。ただし、学生や収入が低い人向けに「学生納付特例制度」や「保険料免除制度」があり、条件を満たせば一時的に保険料の支払いを猶予、または免除される場合もあります。
厚生年金
厚生年金は、主に会社員や公務員が加入する制度です。国民年金とは異なり、給与に応じた保険料を支払い、その金額に応じて将来受け取れる年金額が変動します。厚生年金は、国民年金に上乗せして支給されるため、受給額が大きくなるのが特徴です。保険料は企業と労働者が折半して負担する形になっています。
2. 年金の仕組み
公的年金は、**現役世代が納めた保険料を高齢者に給付する「賦課方式」**を採用しています。つまり、現在の労働者が払った保険料が、その時点で年金を受給している高齢者の年金給付に充てられています。このため、少子高齢化が進む日本では年金制度の将来について課題が指摘されていますが、制度自体は国によって維持されているため、基本的には現役世代が将来受け取ることができる仕組みです。
3. 年金の受給資格と条件
年金を受け取るためには、最低10年間の加入期間が必要です。従来は25年の加入期間が必要でしたが、2017年の法改正により、10年以上保険料を納めていれば受給資格が得られるようになりました。
受給開始は原則として65歳からですが、早めに受け取る「繰上げ受給」や、逆に受け取りを遅らせる「繰下げ受給」も選択できます。繰上げ受給を選ぶと、65歳前に受け取りを開始できるものの、年金額は減額されます。逆に繰下げ受給を選ぶと、受給開始を遅らせた分、年金額が増加します。
4. 年金額の計算方法
年金の金額は、基本的には以下の要素で計算されます。
国民年金:加入期間が満額の40年間の場合、2023年度の基礎年金の支給額は年額で約781,700円です。これを月額に換算すると約65,100円となります。
厚生年金:給与や賞与に応じた保険料が支払われており、基本的には「平均標準報酬額×加入年数」によって計算されます。
例えば、40年間の厚生年金加入期間があり、年収400万円で働いていた場合、受給できる年金額は国民年金に厚生年金を上乗せして、月額約15万円から20万円程度となることが一般的です。
5. 年金保険料の支払い方法と免除制度
年金保険料は、年金制度を維持するために欠かせないものです。特に自営業者やフリーランスの方は、自分で国民年金保険料を支払う必要があります。支払いが困難な場合、前述の保険料免除制度や納付猶予制度を活用できます。免除期間中は全額免除や一部免除の形で保険料の支払いが軽減されますが、その期間も年金の受給資格期間に含まれます。
ただし、免除された期間については、年金受給額が減少するため、将来の生活設計に大きな影響を与えることになります。したがって、できるだけ保険料を納めることが望ましいですが、どうしても難しい場合は免除制度をうまく活用しましょう。
まとめ:年金制度を理解して安心の老後を
年金制度は将来の生活を支える大切な仕組みですが、その仕組みをしっかり理解していないと、受け取るべき権利や受給金額を見逃してしまう可能性があります。特に国民年金と厚生年金の違い、保険料免除制度の活用方法、年金額の計算方法など、基本的な知識を押さえておくことが重要です。まずは自分の年金加入状況を確認し、どのような選択が最適か考えながら、将来に備えましょう。