ハム太郎のとっとこおしらべビジネスホテル業界研究(後編)
ここまで読んでくれて感謝なのだ🌻
さぁ、新御三家の秘密を一緒に解き明かそう!なのだ。
Chapter.4 なぜアパは伸びたのだ?
「ビジネスホテル新御三家」の中で、
アパだけ「攻めた時期」が違うのだ💡
ルートインや東横インはバブル崩壊後も、
金融機関からの借入金を使ってどんどん店舗数を増やしていったんだけど、アパはこのとき不動産を「敢えて売却」しているのだ。
リーマンショックが起こって以降、不動産業界は倒産が相次ぎ、
多くのデベロッパーが物件を手放したのだ。
そこに目をつけたアパは、
どんどん「自己資金で不動産を購入」していったのだ。
このときだけで60件ほどの都心一等地を安く購入でき、
アパは一気に東京のトップホテルチェーンに入り込んでいったのだ👏
・・・でも、これまでホテルの店舗数もそんなに大きくなかったのに、
なんでこんなに大きな自己資金を持てていたのだ?
Chapter.5 アパ社長、元谷さんの本当の強さ…!
もともとアパグループは、注文住宅からはじまり、
建売住宅、賃貸マンションを扱っていた会社なのだ。
ブラックマンデーをキッカケに、バブル崩壊を見越した元谷さんは、
東京で保有していた不動産をどんどん売却しはじめたのだ👀
売却益を「税金を払わず溜め込んでおく」ために、
ジャンボジェット機、エアバスを買って
元谷さんはレバレッジドリースをし始めるのだ。
リースは初めの6年間は大赤字、
その後6年目から特別利益が出てきて、
12年目に航空機を売って、ボンと利益が出たのだ。
この資金を、ホテルへの本格進出の原資にした、ということだったのだ😊
ここまででも、おカネと土地の扱い方が上手すぎる元谷さんだけど、
なんでこんな考え方を持てたんだろう?
元谷外志雄さん
※ホテル運営・広告を担っているのは奥さんの元谷芙美子さん
実は元谷さん、お父さんが木工所の社長さんなのだ。
中学2年生の時にお父さんが病気で亡くなり、
「家族を自分が支えなきゃ」と考えるように…
そこで、お父さんの生前の姿勢を見習って、
「政治、経済、軍事、医学、哲学…」といっぱい勉強していたのだ。
その後、慶應義塾大学教育学部通信課程に通いながら、
地元、石川県の信用金庫で働きはじめるのだ。
このとき、なんと住宅ローンを初めて商品化👀
アパの前進である、信金開発株式会社を創業した際も、
信用金庫の信用を背景に事業を興したのだ。
(1期目から黒字化し、税金を払うことができ、
2期目からは石川県の高額所得番付になったそう…!)
そこからは持ち前の損益通算テクニックで、
注文住宅・建売住宅・マンション販売…と事業拡大していったのだ。
元谷さんの「強さ」の源泉にあるのは、
「学ぶ力」だと僕は思うのだ。
そこに、信用金庫で得た金融知識・不動産知識が重なって、
「機を見て投資する力」を元谷さんは身に着けたんじゃないかな。
Chapter.6 ルートイン&東横インはどうなったのだ?
・・・さて、ここまでアパの話を沢山してきたけど、
その後、ルートインと東横インはどうなったんだろう👀?
① ルートイン
アパとは真逆で、
ルートインは2009年に事業再生ADRを申請しているのだ。
この時点でルートインは222施設を建設していたけど、
その資金は金融機関からの借り入れに依存していたのだ…
新ホテルを建設する目的で調達した資金の一部を
既存債務の返済にも充てていたそうなのだ。
でも、リーマンショックをきっかけに、新規借り入れが難しくなり、
急速に資金繰りが悪化して、事業再生ADRを申請したのだ。
永山勝利さん
ルートインの社長は永山勝利さん。
家業の青果店からスーパー経営をして、
永山建設を開業し、その後ホテル業界へ参入した方なのだ。
永山さんはこんな言葉も残しているのだ👀
「永山建設を始めてから40年間、
転んで(倒産して)はいないけれど
何度も何度も躓いてきた。
そして起き上がってきた。
だから『七躓き八起き』の人生だ。
年が明けるといつも、
『またいちからスタートだ』
『時は今だ』と思ってやってきた」
とお話する、挑戦心がとても強くて、ポジティブなおじいちゃんなのだ。
長野県の奨学金や、災害手当なども、
自分のポケットマネーから私費を出すような、とても優しい方なのだ。
(なんと執務室内には、従業員の子供の写真をいっぱい貼ってあるのだ)
②東横イン
東横インはこの時期、社長さんのトラブルがあったのだ。
2006年:ハートビル法違反で西田憲正さんが社長を退任
2008年:西田憲正さんが廃棄物処理法違反で逮捕
そこから西田さんの長女である
黒田麻衣子さんが副社長に就任するも、
会社の不祥事にリーマンショックが重なり、
黒字倒産しかねない状況に…
キャッシュというキャッシュを集めて、なんとか再建。
2012年に社長業を引き継いでいるのだ。
黒田麻衣子さん(とってもキレイな人なのだ…)
東横インのコンセプトは「駅前旅館の鉄筋版」👀
黒田さんは、
「東横インは『第2の家庭』や『生活必需品』。
500円の値上げでも、お客様の期待を裏切ることになってしまう」
という言葉を残しているのだ。
実は東横イン、女性の支配人が9割以上👀
「家庭のようなホテル」を理想型とするため、
西田さんの時代から女性を活用した運営を行っているのだ。
Chapter.7 ぜんぜん違う3社の「これから」
結局、僕のおしらべでは「最強の会社はアパだった」んだけど、
そもそも創業背景も経営方針もこの3社はぜんぜん違うのだ👀
駅近を攻めるアパ&東横イン、そして郊外を攻めるルートイン。
また、お部屋一部屋あたりの値段の取り方も、
「家庭のようなホテル」を目指す東横インだけがワンプライスなのだ。
まとめると、
だいたいこんな感じなのだ👇
※〇の大きさが店舗数、⇔が値段増減幅
コロナ禍の中、各社でリモートワーク用のデイユースを始めたり、
病気になった人の受け入れなどを行ったりしてるけど、
今後、この「新御三家」がどうなるのか、
とっても楽しみなのだ🌻へけっ