大型二種免許とは何だろう② 取得方法編
バスの運転士になる上で必要になる「大型二種免許」。
新人運転士として気になることをまとめていますが、今回はその取得方法についてです。
大型二種免許を取得する方法
現在、教習所で「大型二種免許」を取得する方法としては主に3つの方法があります。
バス会社に入社して養成制度を利用する
個人で教習所に通う
個人で免許センターで直接試験を受ける方法(俗に言う一発試験)
今回はそれぞれのメリット、デメリットについてお話です。
バス会社の養成制度を利用する
近年、バス会社は運転士不足から大型二種免許が無い人にも門戸を開けるべく養成制度を設けています。これは入社してから教習所に免許の取得をしてもらい、入社後も一定期間の空車訓練、そして指導運転士の下で営業運転、社内試験後に独りで乗務というものです。大型二種免許を取得できない年齢の場合、可能になるまで事務員として雇用するなどのパターンもあったりします。
一昔前にバスの運転士になった方からすると信じられない様ですね。
養成制度を用いることのメリット
免許費用がいらない
当たり前ですが免許取得に関する費用を会社が全額負担してくれます。多くの所は卒検で落ちても再受験料無しのことが多く、また教習所の費用以外に免許センターでの受験料も出してくれます。大げさに言えば国家資格をほぼ無料でとれるということになります。
(※個人の場合でも「教育訓練給付金制度」を利用すれば最大2割は安くできる)通所している間も給料が出る
通所期間も契約社員扱いで給料が発生します。私の場合は19万円前後でそこから税金が引かれました。教習スケジュールがかなりコンパクト
教習所の繁忙期は技能教習が1週間に1時間取れればいい、なんてことがありますが会社と教習所が提携しているので毎日技能教習を受けられ、数か月受けれなかったりするものが1か月で終わります。
運転の感覚を忘れにくく、コツを覚えやすいと思います。バス業界を知り、取得後に自分が働くイメージを想像できる
この中で一番大きいのは、最後の「取得後に自分が働くイメージを想像できる」と言うところだと思います。そもそも自分がバス運転士になる能力があるかどうか判断材料がだいぶ違うと思います。す。仮に自力で教習所に通い、免許を取ったとしてもバス運転士としての能力があるかどうかは分かりませんし、また運転士として働き始めた時にイメージと違うなんてことがあるかもしれません。
そのようなことを防ぐためにも養成制度を利用し、ある程度業界を知っておくことが良いかもしれません。(これは就職活動する中で単に免許を取るということに重きを置くのではなく、バス業界の現状や実際に現場で働く運転士を知ることが大切というのもあります。)
養成制度を用いることのデメリット
○年以内に退職した場合は免許費用を請求される場合がある
これは採用のホームページに載ることはまず無いですが、実際にはあることがほとんどです。ただ実際一人で乗務するようになると耐えられずお金を払ってでも退職をされることも多いようです。(自分は何故か人事からその説明をされなかったので少し不安)卒検などのプレッシャーがある
私は一度落ちました、まぁいなくはないみたいです。
(人事に怒られたというか励まされたというか、あきれられたというか、名前と顔は覚えられましたね…。)
個人で教習所に通う
個人で教習所に通うメリット
現在の勤務先で働きながら取得できる
副業が禁止されている職場の方にとって、免許取得期間を在籍扱いにされては困るという方もいるかもしれません。ただ先ほどの東武バスのように含まれないパターンもありますのでそこは要チェックです。ストレスが少ない
会社からのプレッシャーが少ないのが意外と楽かもしれません。長い期間を見て教習をするのでゆとりを持てる
養成制度だと自分のペースでスケジュールを組めますし、整理したくてもやって何とか頑張る的なことが多いのでしっかり身につけながらという人はいいかもしれません。ただ、首都圏の二種免許を取得できるところは大体予約が大変なので注意が必要です。務めるバス会社が決まっていない状態で取得できる
未経験の方は特に意識してほしい部分です。
と言うのも、実際バスを運転してみると想像以上に難しかったり、ストレスに耐えきれないなんてことがしばしばあったりする人がいます。私は一時期それになりかけました…。まぁ今となってみれば教習車のバスが古すぎて運転しずらすぎたんだなって思っています。
個人で教習所に通うデメリット
教習費用や受験費用が自己負担
ただし国からある程度お金を出してくれる制度「教育訓練給付金制度」があるので一昔前よりは安くなっています。教習費用の2割(上限10万円)は国が負担してくれるのでうれしいところ。
※ちなみに養成制度でも会社が利用するので、会社が全額負担しているというのは少し間違いではある。
また養成制度だと卒検費用や卒検再受験料などのオプションまで負担してくれるのですが、個人はこうしたオプションまで負担するということを忘れないようにしましょう。
スケジュールが組みずらい
教習所に通った方は思い知らされていると思いますが、技能教習の予約はそう簡単に通りません。普通車なら指導員全員が教習できますが大型二種は一部の指導員しかできず、その方々が常にいるとは限りません。また、そういう指導員は普通車や大型車、特殊車両なども教習してることがあるのでお忙しいです。養成制度であれば優先してくれるのでそのストレスが無いのですが…。
個人で免許センターで直接試験を受ける
そもそも運転免許は教習所に行かなくても取ることができます。
免許を取得する際「技能試験」と「学科試験」を各都道府県の警察が設ける免許センターで受験する必要があるのですが、教習所に通って卒業すれば「学科試験」だけで済みます。大型二種免許でも全く同じで教習所に通わず直接免許センターで受験する方も少ないですがおられます。
誤解される方もいますが大型の仮免許試験が必要になるので、試験は二回ありますので一発で試験が終わるわけではないです。
免許センターで受けるメリット
滞りなく合格していけば費用も時間も大幅に抑えられる
教習所に行けば50万円近くかかる費用も数万円~で抑えられます。
ただこれには相当な経験が必要です。大型でもエアブレーキが苦手で乗り心地が悪ければ難しいでしょう。
(実際、トラックやダンプ上がりの方だと変速ショックが大きいなんてことも多いです)
免許センターで受けるデメリット
合格率がかなり低い
免許センターの「技能試験」はほぼ受からない厳しさがあります。
ただでさえ普通車免許でも低いのに、大型の二種などというのは大変です。私の様な大型を運転したことが無い未経験などには論外です。実は結局 教習所に行く(場合がおおい)
免許センターで技能試験に合格しても教習所で旅客者講習、応急救護処置講習を受講しなければいけません。(費用は3万円程度)ただこれらの講習も予約制で数か月かかったという方もおられるので、一発試験だからといって時間がかからないというのはあながち間違いです。時間は教習所に行った時よりかかる
大型車種の免許をおもちであれば運転技術も知識もあるかと思いますが、未経験であれば仮免許を取得することから始まるので相当な時間がかかります。「時は金なり」という考えを持つ方は素直に教習所に行くべきです。というか普通免許に比べ大型二種免許は教習所に行く方が時間とのコスパが良い気がします。
まとめ
免許の取り方3種類とそのメリット、デメリットを書き記してみましたが結局は自分に合った取り方がベストではあります。趣味でもいい、仕事にしたい、将来の転職に備えてなど目的に応じて選べればいいと思います。
私なりの経験談ですがぜひ参考にしてみてください。