風邪をひいた
先日のどを痛めてベッドで寝ながら咳き込んだ時、なんとなくこの咳は風邪のせいだけではない気がする、と思った。
私は昔から気の向かないものを面倒くさがる面があり、自分の部屋の掃除においては特にそれが顕著だった。
それがどれくらいかというと、一年間ほぼ掃除機もまともにかけない部屋で生活していられるくらいには面倒くさがりだった。もはや人間に備わっていなければならない機能が欠けているのではないか、という程である。
なんとなくそろそろ掃除をしなければいけないのだろうなぁと思いながらもしないままだったそんなある日、風邪で体調を崩した。そして、ベットで寝転がりながら咳をしていた時に突然思ったのである。
「部屋の空気が汚いから咳がでているのではないか」と。
そんなこと当たり前である。一年間もまともに掃除機すらかけていなかったのだから。
だがしかし、汚いのはもちろん当然のことかもしれないが、私は風邪で寝込むまでそれを実感はしていなかったのだ。そして実感した瞬間に自分の部屋が本当に汚いものに思えてしまって、体調が悪いのもなかったことにしたかのようにひたすら掃除に打ち込んだ。
今は幾分綺麗になったが、また何年か後には同じことをしているであろうことが想像に固くなく、今から先の自分にうんざりしている次第である。
小さい時に大好きだったイチゴ味のハイチュウを風邪の時に食べたとき、今まで全く感じていなかった人工の味を感じて今までのハイチュウがこんな味をしたものだったとはと衝撃を受けた。
その時や今回のように、今まで平気だったものに違和感を感じてしまうように、風邪には体を敏感にさせる技でもあるのだろうか。