肘折温泉の地面出しに行ったよ
豪雪で知られる山形県大蔵村の肘折温泉には「地面出し」という昔から受け継がれている行事があるよ。もとは旧肘折小・中学校の雪上運動会の名物競技で、なんと28年間も続けられてきたんだって。2009年に学校は閉校になったけれど、地元のスポーツクラブ「Oh!蔵SPORT」が主体となって「地面出し競争 WORLD CUP in Hijiori」として翌2010年に第1回大会を開催。コロナで2020年からは中止されていたけど、2023年にめでたく再開! どんな大会だったのか、おれが見てきた様子を報告するね。コロナ前最後の第10回大会のときのことだよ。
地面出しってなんだ?
その名のとおり、積もった雪を掘って掘って掘りまくり、いちばん最初に地面を掘り出したチームが優勝…という、笑っちゃうくらいめっちゃ単純な競技なんだ。使っていいのはスコップ 4丁、スノーダンプ2台まで。同時に掘っていいのは各チーム4人までだけど、1チームは最大6名なので選手交代は自由。いかにロスなく疲れた人と元気な人がバトンタッチするかも大事な要素みたい。おれは掘るのがすごくうまいからどこかのチームに入りたかったな。
大のおとながマジで頑張る
始まったらビックリしたよ。どのチームもすごい。ものすごく練習を積んできたのかすぐわかるよ。過去大会の記録を見ると、毎年出場しているチームも多い。本気でやるからおもしろいんだね。村の運動会レベルじゃない、さすがワールドカップだ。優勝チームには金のスコップ、2位には銀のスコップ、3位には銅のスコップが授与されたよ。オリンピックみたい。いつか冬季オリンピックの競技になったらいいなあ。
競技がすんだら温泉だ
肘折温泉は湯治場としての歴史を守り続けてる温泉で、豪華な旅館がある一方で自炊で安く長く泊まれる宿もある。細い通りに沿って風情のある宿がびっしりと並ぶ町並みもすてきだよ。おれたちが投宿したのは、犬が泊まれるお部屋もある三春屋さん。のんびりのびのび、最高だったな。
何か月も地面を見ることのできない豪雪地・肘折。だから地面出しは「春を掘り出すこと」。雪国ならではの春を待つ心の熱量をすんごく感じた。寒かったけれど、とってもアツい地面出しだったよ🐾
2019/2/24-25