ブリティッシュ・ベイクオフseason1を完走した記念

 一時期バズった「ブリティッシュ・ベイクオフ」
 女性が「アーメン」と言いながら、ケーキを食べている画像がバズった。それが「ブリティッシュ・ベイクオフ」だ。
 season1を完走したので、概要と感想を書いていく。
(見終わったのが二か月くらい前なので、記憶違いがある場合があります)

ブリティッシュ・ベイクオフとは


 10人のアマチュアベイカーを集め、イギリス全土を回りながら料理を作っていく。
 ベイカーはパン職人・製パン職人という意味があるが、他にもパイ・ビスケット・ケーキ・プディング・スコーンを作る人もここに含まれる。
 審査員は、料理研究家メアリー・ベリーと一流ベイカーのポール・ハリウッド。司会進行はコメディアンのスー・パーキンス(黒髪メガネ)とメル・ギエドロイツ(ブロンド)が担当する。
 準決勝までは二人ずつ、それ以降は一人ずつ脱落していく。
 審査は三種類、オリジナルレシピ(得意分野)・ポールもしくはメアリーが作った最低限のレシピ(材料のみ)を完璧に再現するテクニカルチャレンジ・マスターピースチャレンジ(オリジナルと同じだが、品数が増える)
 良かったところを上げていく。

参加者の仲がいい。


 ぎすぎすするイメージがあるが、そんなことはない。みんながみんな、互いの実力を認めたうえで戦っている。
 優勝者が決まった時に真っ先にハグをしに行ったのは、準優勝者だった。
 審査を待っている間、脱落者が出た時、みんな必ずハグをしてお互いの健闘をたたえ合っている。
 勝負事は好きだがギスギスするのは好きではない。が、ブリティッシュ・ベイクオフはそういったことがないので楽しく見られた。
 脱落者も悲しそうな顔はするが、最後は笑顔で去っていく。

ポールとメアリーの本気の審査


 当たり前だが、彼等はプロだ。ポールはベイカー、メアリーは料理研究家として長年にわたり第一線を歩いてきた。
 普通に生活していたら会わないような人たちに、自分たちが作った料理を審査される。
 本気の審査とあるが、別に貶すようなことはない。どちらかが厳しい事を言った時、必ずどちらかがフォローに入る。
 ポールが「アフタヌーンティーには地味すぎる」というと、すかさずメアリーが「私は好きよ。かわいくて」とフォローに入る。
 もしくは、司会の二人が「私は好きよ」「おいしかった」とフォローに入る。
 season1を見ている中で、私が印象に残った言葉がある。
 脱落者を決める際に、司会が「アマチュアベイカーたちよ」と言った。ポールは一言「でも、全英一を決める戦いだ」
 参加者も本気だが、審査する側も本気だ。準決勝の審査時間が5時間になっていた。それくらい本気だ。

参加者たちの熱意


 参加者で応援していた人物を上げるとするならば、私はデイビットルースエドを上げる。
 デイビットは実業家だ。彼は独創的で斬新なベイキングをしていた。
 アイデアは面白い。葉っぱに見立てたチョコをチョコケーキに飾る。白鳥型のシュークリーム。彼が作るベイキングは、見た目を重視している。
 だが、彼にあるものが足りなかった。それが、「基礎」だ。
 正直、デイビットを見ていると自分を見ているようだった。基礎は後回し。斬新な盛り付けや味で審査員を唸らせようとする。
 デイビットはポールやメアリーにたびたび同じことを言われていた。

 ルースは男の子三人を育てるママだ。手際が良く、他のベイカー達よりも早く作業を終えて優雅に椅子に座っている。
 彼女は、番組を通して徐々に自分のことについて話していく。大学に行きたかったが、行けなかったこと。ママ友との関係性。ルースにとってベイキングの意味。
 話を聞いていると、「あぁ、悩みって変わらないんだな」と思った。海外に対して誇張したイメージを持つ時もあるが、この番組を見ていると、そうでもないとわかる。
 ルースの話で印象に残っている。「ベイキングは私の全て。ベイキングを始めて、大学に行けなかった人と同じくらい楽しんでいる」
 見ていて不安になった。その考え方は自分の首を絞めてしまうのではないのかと。
 この番組は、最後にベイカー達がどうなったかがちらっと出てくる。それを見てルースは多分、大丈夫だろうと思った。

 エドはseasonを通してずっと安定していた。パンに関しては、ポールから「いつでも雇い入れる」と太鼓判を押されたほどだ。
 様々な領域のベイキングをこなしていくエド。だが、安定感のある彼も崩れた時があった。プディングの回だ。
 ポールとメアリーはこのことに対してショックを受けていた。私もショックを受けた。あれほど安定していたエドが、敗退してしまうかもしれない、そう感じたからだ。
 常に安定感のある人でも、歯車がかみ合わないと安定感がなくなってしまう。しかも、噛み合わない理由が明確に分からなかった。
 結果から言うと、エドは何とかt立ち直った。

 ルースもエドもデイビットも必ず言われたことに対して、成長していく。スコーンのふくらみが足りないと言われれば、スコーンの練習をする。メレンゲがゆるいと言われれば、次はメレンゲを固くする。
 参加者は全員、ポールとメアリーに言われたことを次に活かしていた。だからこそ、見ごたえがあった。

 上では出てこなかったが、マークという男性も印象に残っている。彼もベイキングが好きで、よく同僚に振舞っているそうだ。だが、彼は最初の戦いでブリティッシュ・ベイクオフから去ってしまった。緊張しすぎて、オーブンを何回も開けてケーキのふくらみが足りなかったためである。
 私は、勝手に不安に思った。「同僚から何か言われてないだろうか」
 最後の最後、エンドロールが流れる時に書かれていた文字を見て安堵した。
『マークが作るケーキは、今も同僚たちに大人気だ』

英国におけるベイキングの歴史を学ぶ


 この番組は最終週を除いて、その地域と料理についての歴史を学ぶ。
通してみた感想としては「ヴィクトリア女王は英国にとって偉大な存在なんだな」
 なぜか。パンやケーキなど大体、ヴィクトリア女王が統治し始めてから華やかになっているからだ。
 ヴィクトリア女王の名前を冠しているヴィクトリアケーキ
 女王が最初に作ったウェディングケーキ
 社会の授業では語られることがないであろう、ベイキングの歴史。それをこのブリティッシュ・ベイクオフでは説明をしてくれる。
 正直、これは見た方が早い。見てほしい。

英語の勉強ができる

 蛇足かもしれないが、私はブリティッシュ・ベイクオフを見ていてリスニング力が少し上がったと思う。
 見る際には、字幕版をお勧めする。特に、これから英語を勉強したいと思う人に対しては。(そもそも吹き替え版がない)
 楽しみながら、歴史を学び、ついでに英語の勉強もできるからだ。
 といっても、本当に勉強できているかは分からない。ただ、英語に慣れる環境に自分を置くにはちょうどいいと思う。

総括


何かに熱中する人はかっこいい。本気で作って本気で審査するからこそ、面白い。
だからこそ、私は次のシーズンを見るのにためらっている。なぜか。
本気だから。だからこそ、season1の彼等が愛おしい。そのため、『お別れ』をしたくないからである。
もちろん、何度も見直すことはできる。それでも、次の勝負からはseason1の彼等はもう出てこない。
どうしようもなく寂しいのだ。特撮が終わって次の特撮が始まるとき、ライダーが新しくなるとき。もう前の彼等は出てこないと寂しさを覚える時のように。
season1の彼等がどうなっているか。それは、season1終わりのおまけで語られる。それでも、やはり寂しい。
この寂しさをひっそりと置きつつ、次のシーズンを見ようと思います。

紙面が尽きてきたので、ここで締めたいと思います。
最後に、ブリティッシュ・ベイクオフはアマプラにて配信中です。年末年始のお供にぜひ。

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