それ・・・残念ですが演技ではありません😅
皆様は演技という言葉を聞くと、どういうことを連想をされますでしょうか❓
『役の人物に成りきっていて素敵✨』
そのような印象をお持ちになられてましたら、それは素晴らしい演技だと思ます‼
しかし、普段の会話で出てくる演技という言葉を聞くと、大抵の方はこう思われるのではないでしょうか❓
『嘘』
という印象がないでしょうか。
つまり、「演技=本当ではない」と感じる人は多いのだと思うのです。
しかし、『演技=本当ではない』と感じる演技は演技ではありません。
なんかややこしく書いてますが・・・💦
簡単に言うと、それは演技ではなく、ただ単に「演じているだけ」に過ぎないのです。
ですので、演技ではないのです。
演劇はアマチュアの方も観客からお金をいただいて公演を打っておられますが、この演技というものを十分にご理解して舞台に上がられているかと言われれば・・・どうでしょう。
その話はさておき、
では、『演技とはどういったものなのか❓』ですよね。
それは、簡単に言うと、
『人の心を動かせる技術』
ということなのです。
人の心を動かすためには、色々な技術が必要で、経験に基づいた昔からの方法がたくさんあるのです。ただ、その方法を知ったからと言ってすぐに使えるものでもなく、毎回反復練習をして積み重ねたものが演技術という訳なのです。
ですから、俳優を目指すのであれば、まず演技というのを知るところから始めていかなけければいけません。
しかし残念なことがあります。
それは、演技を教える現場でも、上記のことをよく理解している指導者がどれだけいるのかということです。こういうことを言うと「お前、何様だ!」とお叱りを受けるかもしれません。
話は少し逸れますが、
学校というところは、生徒のためというよりも先生のためというところも現実にはあります。
今の演劇が衰退している理由の一つはそういった演技という技術がどこか価値のないようなモノになってしまっているからかもしれません。その理由から『演技=本当ではない』という認識がメジャーになっているのかもしれませんね。
演技というのは前述のとおり、『人の心を動かす技術』
素晴らしい技術なのです。
しかしこれは何も。見る人を対象にしたことだけではありません。
自分の心を動かす技術でもあるのです。
自分の心を動かして、そのありのままを観客の皆様にご覧いただくことが演技の本懐なのです。
ここから、私さいとうつかさの話を書かせていただきます。
舞台を何百回も経験し、日本各地や海外でも数多く舞台を踏みました。
そんな私の若かりし頃の出来事です。
公演の中、お客様に演技をお見せしている時、ふと、自分の真心をお伝えすることが何よりも大切だと痛感したことがありました。
自分の真心とは、普段の行い、つまり「どれだけ練習、稽古してきたかで勝負できているか」にかかる訳です。それは、お客様に伝わるのだというのを痛感したことがありました。そして、それが『伝わる表現』の核心に触れた瞬間でした。
自分の心は透けて見えている
そう感じた日から、自分を騙すことは出来ない。自分がもし仮に不甲斐ないと思えば、必ず不甲斐ないものが現れるのだと思うようになったのです。
今の自分の出来るベストにまでもっていかないと、自分が嘘だということを認識し、それが表現されるということを知ったのです。
それから、自分が納得できる演技を追究しました。暫くすると、先人たちの教えに気がつけるようになりました。
『あの先生が仰っていたのことはそういうことだったのか‼』
目からウロコとはこのことです。今まで数限りなく言われ続けていた教えに漸く気がついた瞬間でした。
人は、自分が意識していることにしか目が行かないのですね。
というように、今までは見えていなかったことを気がつく切欠をいただけたのは、本番の舞台でお客様から教わったということなのですね。
私は、舞台経験を100回を超えてぐらいから気がついたのですが・・・遅いですかね💦
その辺りは分かりませんが、このようなことを経て、演技について考えるようになったのですね。
ただ、私もまだまだ修行の身。
演技とはこれだ!
というものは分かりません。
全貌を見たわけではないからです。ですから、まだまだ未知なることに遭遇することもあるのでしょう。ただ、今はそれが楽しくて仕方がありません。
今私が分かっていることは、演技は自分の心を動かす技術で、その自然に触発された心をお客様にご覧いただくということ。
そこには嘘偽りは存在しえない。
そのように感じております。
具体的なお話は、劇団のブログ「身体動作で感情を誘発させる演技法」
で詳しくご説明していますので、ご関心がありましたら是非。
「このことをこれから始められる希望ある俳優志望の方に知って欲しい」
そのように切に願い、地道に活動して参ります。
もし、世の中、嘘っぽいと思う人が多いというのであれば、それだけ『演技』というのを勘違いされた人が多いのかもしれません。
最後まで、ご覧いただきましてありがとうございました。
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