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話したい。聞いて欲しい

 長男は、自閉症スペクトラム。

今月で16歳。

今までは、

・特別支援級

という、本当に恵まれた環境で、

学校生活を楽しく過ごしていた。

その為、長男の話を

・聞いてくれる

・話せる

場が、環境があった。


 ところが、4月からは環境が一変。

・専修学校で40名1クラス

・「健常な」生徒たちと共に過ごす

という、ごく普通の高校生活です。


さて、これで、どうなったか?

・学校で、話す機会が激減しました。


 さらに分かったことがあります。

それは、

・長男に興味を持ってくれる

 クラスメートは少ない。

のだと。


どうして、そう思うようになったのか?

理由は簡単です。

中学時代に比べて、

・家で話す量が、圧倒的に増えた

からです。


長男は、「知識欲の塊」です。

しかも、

「一度、見聞きしたものは、ほぼ記憶する」

という、抜群の才能を持っています。


特に今は

・神話

・歴史(日本も世界も)

・スポーツ全般(成績や選手など)

への興味がハンパなく、

毎週のように図書館に行き、

たくさんの本を読んでいます。


人間、知ったことは当然、

「誰かに、話したい」


ただ、これはあくまで、

長男の知識欲。


果たしてこの話が、

クラスメートとできるか?

想像、できますよね?

一方通行の話になります。

中学時代までは、おそらく、

恵まれた環境だったので、

それで成立していたのでしょう。

ところが、高校からはそうはいきません。

誰も聞いてくれませんし、

話をする機会も激減した様子。



実際、高校に通うようになって、

私:学校はどうだった?

長男:楽しかった

私:良かったね。何が楽しかったの?

長男:分からない。

私:とにかく楽しかったんだね。

 誰かと話した?

長男:ううん。誰とも。

私:でも、楽しかったんだ。

長男:うん。お弁当が美味しかった。

私:そっか!ママのお弁当は美味しいよね。

 誰かと一緒に食べたりするの?

長男:ううん。1人で席で食べた。

私:そっか…それじゃあさ。

 誰かと話さない時は、

 どうしているの?

長男:ずっと独り言を言っている

私:そうなんだ。。。


 なんだか、切なくなってきます。


想像してみてください。

周りには多くのクラスメートがいる。

その中で6時間。

ほぼ、誰とも話さず、その場で過ごす。

どうですか?



私は、長男を本当に尊敬しています。

・ドルフィントレーナーになりたい

という夢を、小学校の頃からずっと、

思い描いている。

毎月1回は、大好きな水族館に行き、

エネルギーを充電する。


そんな中で選んだ、

・健常な人たちと過ごす、

 ”将来を見据えた社会生活”の練習


その初期での経過が、これです。


 こんな環境にいたら当然、

家で話し続けるだろうなと思います。


この状況。

いくら、本人が望んで入学したとはいえ、

親としては、とても複雑です。


これがまだ2年続くのか?

と思いました。


ですが、違います。

この先も、ずっと続くのです。


専門学校に行ったら、

もっと厳しくなるかもしれない。

社会人になったらどうか?


不安は尽きません。


それでも私は、長男の夢を応援したい。

夢が叶うように、いろんな選択肢を

用意してあげたい。

そう思います。


実際、私も心が満たされていないと、

長男の「一方通行のマシンガントーク」を

聞き続けるのは、

疲れてしまう時もあります。


ただ、そういった態度や空気を、

誰よりも感じるのが、長男です。

話を途中で止めてしまったとき、

「しまった!!」と思いますが、

時すでに遅し...

情けない、まだまだ未熟な親です。


長男を見ていると、

・話せる場所があること

・聞いてくれる人がいること

って、本当にありがたいし、

幸せなことなのだと痛感します。

当たり前ではないのだと思います。


長男がもっともっと楽しめる、

居心地の良い社会になって欲しい。

その為に、自分ができることって、

何だろう?


長男が高校に通いだしてから、

「現実的な社会」を垣間見ることができ、

より真剣に考えるようになりました。


まだ、

・こうしたら良いのでは?

というアイディアも出ていませんが、

考え続けていきます。


最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました。

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