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プロが「アクセシビリティ知らない」はさすがに厳しい

バーンワークス株式会社の加藤です。

タイトルが少し煽り気味な気がしますが、何か特定の方に対する批判や攻撃をしたいわけではありませんのでその点はご理解ください。

弊社の公式 note を始めて以降、ウェブアクセシビリティに関する初歩的な記事をいくつか書いてきました。すべて、「アクセシビリティに取り組むメリットにはこういうものがありますよ」「アクセシビリティに取り組むならこういうところからはじめてみるといいですよ」といったある意味啓蒙に近い話です。

詳しくは過去に投稿したコラムの一覧やリンク(下記参照)をご覧ください。

以前にも書いていますが、弊社は創業した10年前から(私自身は自分の会社を立ち上げる以前から)、「ウェブアクセシビリティはウェブサイトにおける基本的な要件です」とお伝えしてきました(10年も前に書いた記事を紹介するのは恥ずかしいのですが下記、2014年に書いた記事など参照)。

なぜ10年経ってもまだ啓蒙的な話を書いているのかと言えば、

  • 弊社の情報発信の対象が、企業で自社のウェブサイトの運営に携わっている、いわゆる「企業のウェブ担当者の方々」やそれらに意思決定権をもつ「経営層の方々」である

  • 上記のような方々は、「ウェブサイト制作のプロ(ウェブサイトやウェブアプリケーションを制作、開発することで売上や生計を立てるため、その分野の専門家として活動する人)」ではないため、ウェブアクセシビリティに関する具体的な取り組み方や実装技術の細かい話についてはキャッチアップが難しいだろうと想定している

上記を踏まえて、(大変おこがましいのですが)ウェブアクセシビリティを含む、ウェブサイト制作の専門家として、そのような方々に向けて、

  • 今の世の中、ウェブアクセシビリティへの取り組みは当たり前ですよ

  • こんなメリットがありますよ

  • そんなに難しく考えずにやってみましょう

  • 具体的にはこういう部分からはじめてみましょう

といった話をしているというわけです。

最近はウェブアクセシビリティに関する関心が高まっていることはひしひしと感じていて、「メリット」のような話はご理解された上で、具体的にどこから取り組めばよいのか、というご相談をいただくケースが増え、それ自体は個人的に喜んでいますが、それでもこのような啓蒙はまだしばらく続けて行く必要があるとも感じています。

プロを選ぶ際のひとつの基準に

一方で、前述したプロの人たち、つまり、ウェブサイトやウェブアプリケーションの制作や開発を生業としている方々に関しては、すでに「ウェブアクセシビリティって何をするの?」などと言っている段階ではないのは先に紹介した10年前のコラムでも書いたとおり。

もし、あなたの会社がWebサイト制作のプロに自社Webサイトの構築を依頼するのであれば、Webアクセシビリティに関する知識を十分に持った制作者であるかをしっかりと確認することをお勧めします。
Webサイトの規模や運営方法、コンテンツや利用者層などによって、どのレベルでの対応が必要なのかは異なるため、Webサイト制作者にはWebアクセシビリティガイドライン全体への十分な理解や、状況に応じた適切な判断力、幅広い実装テクニックが必要不可欠となります。
逆に言えば、このような知識や技術を持たない制作者は、Webサイトにおける最低限の要件を満たすことができないということになりますので注意が必要です。

Webアクセシビリティは「おもてなし」ではない - バーンワークス株式会社コラム

繰り返しますが「ウェブアクセシビリティはウェブサイトやウェブアプリケーションにとって基本的な要件であり、当たり前のもの」です。ウェブサイトの制作やウェブアプリケーションの開発を外部に委託する際は、委託する先が正しいウェブアクセシビリティに関する知識と実装技術、経験を持っているのか、よく確認する必要があるでしょう。


さて、今回のコラムはここまで。

最後までお読みいただいてありがとうございます。もし今回の内容が少しでも参考になった、気に入っていただけた、という場合はぜひフォローしていただければ幸いです。

また次回のコラムでお目にかかりましょう。

それでは。


バーンワークス株式会社のショートコラムは、バーンワークス株式会社 代表の加藤が、ウェブアクセシビリティやユーザビリティ、HTMLやCSSなど、フロントエンド技術に関する話題を、あまり長くならない範囲で更新していくコンテンツです。一部は、バーンワークス株式会社の公式サイトにおいて、過去に公開されたコラムなどの内容を再編集、再構成したものも含まれます。

なるべく小難しくならないように書こうと努力はしていますが、できるだけ正確な用語を使用し、公式なドキュメントを参照しつつ書こうとすると、ちょっとわかりにくい言い回しになってしまったり、リンク先が英語のドキュメントになってしまったりすることがあります。ご容赦ください。


バーンワークス株式会社について

バーンワークス株式会社は、ユーザー体験を最大化する情報デザインとウェブアクセシビリティ対応を専門分野にサービスを提供する『ウェブアクセシビリティに強いウェブサイト制作会社』です。

弊社では、より本質的な視点に立ったウェブサイトの構築、アクセシビリティ対応などの関連サービス、ウェブシステム開発などを創業以来、10年以上にわたり企業、公的機関向けに提供しています。

下記のようなサービスをお求めの企業・団体様、ぜひお気軽にご相談ください。

  • ウェブアクセシビリティガイドライン(JIS X 8341-3:2016 等)に適合、準拠、または配慮したウェブサイトの構築をお求めの企業・団体様

  • アクセシビリティ対応プロジェクトの各フェーズにおけるコンサルティングや外部アドバイザーをお求めの企業・団体様

  • アクセシビリティ対応実務(コンテンツ修正や改善実装)を高いレベルで遂行できる制作チームをお求めの企業・団体様

  • 外部アクセシビリティ専門家によるアクセシビリティ試験の実施や改善提案をお求めの企業・団体様

  • UX、ユーザビリティ、アクセシビリティに優れたウェブサイトの新規構築・リニューアル構築をお求めの企業・団体様

  • CMSを活用した更新性の高いウェブサイトの新規構築・リニューアル構築をお求めの企業・団体様

  • ヘッドレスCMSやJavaScriptフレームワークを活用した高パフォーマンスなウェブサイトの新規構築・リニューアル構築をお求めの企業・団体様

  • 上記のようなスキルを持ったパートナー企業をお探しの広告代理店様、システム開発会社、ウェブサイト制作会社様など

書いている人について

加藤 善規(かとう よしき)

埼玉県出身(東京都生まれ埼玉育ち)。専門学校でメカトロニクスを専攻後、製造業での生産、品質管理や、全国チェーン物販店での店舗開発などに従事する傍ら、独学で学生時代から続けていた趣味が高じてIT業界に。

フリーランスによるウェブサイト制作業務等を経て、2004年より都内ウェブサイト制作会社に所属。同社取締役ウェブサイト制作部門統括。2014年、バーンワークス株式会社を設立、同社代表取締役に就任。

ウェブフロントエンド技術、およびIA(情報設計)、アクセシビリティ、ユーザビリティを主な専門分野とし、ウェブサイト制作ディレクション業務、コンサルティング業務の他、セミナー等での講演、書籍の執筆などを行っています。

好きなことはサッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、ギター、腕時計鑑賞。サッカー4級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。