てにとってごらん
やぁ、はじめまして。
どうかな、ぼくのことを
てにとってみないかい。
ぼくには、もしかしたら
ぼうけんがつまっている。
たくさんのふしぎやなぞを
ゆうきや、ちえでこえていく。
そんなものがたりがつまっているかも。
ぼくには、たとえば
だれかの、たのしいや
あたらしいがつまっているかも。
きみがすきなことを
もっと、もっとおしえてくれたりするかも。
あたらしいものをしるのもたのしいよね。
だから、てにとってみて。
ぼくには
だれかのかなしみがつまっているかも。
それは、きれいなものがたりで
きみは、ふかいせかいをしるかもしれない。
それをしるというのは
おとなになることなのかもね。
さぁ、てにとって。
きみは、どんなものがたりをよみたいのかな。
ものがたりだけじゃない。
たくさんのぶんしょうが、きみをまってるよ。
ぼくはまってる。
きみがてにとることを。
きみのためにつむがれたおはなしは
ないのかもしれないけれど。
それでも、これはだれかのものがたり。
きみがえらんだ、だれかのものがたり。
さぁ、ひょうしをめくって。
まほうをかけてあげるから。
「てにとってごらん」