茶ダンダーンで遊ぼう!


茶ダンダーンとは

『《ダンダーン》は青のクリーチャーでは?』と思われる方、その通りです。では茶色いダンダーンとは何でしょう? 茶ダンダーンは、海外サイト reddit にないアーティファクト軸でダンダーンと同じような遊び方をするデッキで、完全オリジナルです。
 今回、その『茶色い』ダンダーンについて、指定クリーチャーの選定からデッキリストを作成し調整したものを紹介します。カードが入手可能な方はぜひ遊んでみてください。
 青→白→黒→赤ときて次がアーティファクトの理由は、残りの2デッキ(緑、マルチカラー)を現在進行形でデッキ制作を進めているからです。この2つがゲームバランスを取って面白いダンダーンにするのが難しい色となっています。

バリアントルールについて

 先手後手による有利さや《ダンダーン》の代替クリーチャーの特性、デッキ構成によるゲーム展開などを理由として、元祖ダンダーンからルールを追加したり削除したりする場合があります。
 茶色ダンダーンではゲームルール変更点がありません。構築ルール変更で最も違うのは呪文全てがアーティファクトで、盤面にパーマネントが増え続けることです。盤面は若干散らかりますがゲームの進行とともに整理されていきます。この辺りは各カード説明でお話します。

さっそくデッキリストをどうぞ

クリーチャー: 10
10 錆の精霊

アーティファクト: 32
8 胆液の水源
4 グレムリン地雷
2 石なる知識
2 祓い士の薬包
2 処刑人の薬包
2 頭蓋書庫
2 カイラのオルゴール
2 水晶の破片
2 骸骨の破片
2 霊炎貯蔵器
2 造命師の動物記
2 光明の大砲

土地: 38
20 2色アーティファクトランド(各2)
10 単色アーティファクトランド(各2)
2 眷者の居留地
2 海門の残骸
2 ガイアー岬の療養所
2 埋没した廃墟

カードの投入数とか理由とか

 それではさっそくですが各カードを見てみましょう。

10枚 錆の精霊

まるで《奈落の王》のよう

 2マナ、3マナ圏にデメリット能力が面白いクリーチャーが少なかったので、茶(アーティファクト)ダンダーンでは指定クリーチャーに《錆の精霊》を使うことにしました。
 《錆の精霊》はアップキープコストとしてアーティファクト1つの生け贄を要求します。この生け贄はライフ支払との選択ではなく強制で行われるので注意が必要です。とはいえ、このデッキには非常に多く(生け贄にしたくないものも含め)アーティファクトが準備されています。
 なお《錆の精霊》の維持コストをおざなりにすると、土地を食べ始めて詰んでしまいますので注意が必要です。生け贄にしてもよいアーティファクトを最低でも相手ライフ分くらい準備してから攻勢に向かいましょう。

8枚 胆液の水源

《錆の精霊》の維持コストとして

 何のことはない平凡な「何もしない」系アーティファクトがこのデッキでの8枚枠となりました。このカードは戦場に出るとき、死亡したときの2回カードを引いてアドバンテージを取れるカードです。
 このデッキでは置きアドバンテージ源として《錆の精霊》の維持コストとして生け贄になることが仕事になります。《錆の精霊》の次なる維持コストを探しにいくため、死亡時1ドローはこのデッキにおいて非常に重要です。

4枚 グレムリン地雷

軽量除去は必須

 アーティファクトデッキの4枚枠はこの《グレムリン地雷》です。1マナで出て1マナ起動で《錆の精霊》を倒せる、コストパフォーマンスに優れた1枚です。
 なお、下側の能力はほぼ使いませんが、後述の《光明の大砲》の蓄積カウンターを取り除くのに使ったりもできます。

2枚 石なる知識

重いけれど《渦まく知識》

 このデッキの「3枚引け」枠はこの《石なる知識》です。呪文コスト1、起動コスト2と重くなりましたが、間違いなく《渦まく知識》と同じ効用が得られます。
 使い方も青ダンダーンと同じ、3枚引いてから無駄カードを相手に引かせるように積み込みます。青ダンダーンと異なりカードを引く系のカードが少ないので相手の邪魔はしやすいでしょう。稀に《錆の精霊》に食べられてしまうのはご愛敬。

2枚 祓い士の薬包

基本的に何でも壊せます

 ちょうどいい感じの除去が見つかったのでこのデッキで採用しています。《祓い士の薬包》は呪文コスト(w)、起動コスト(2)(w)と重い《解呪》です。とはいえ、アーティファクト世界においては何でも壊せるスーパースター。この程度の重さであれば使用に耐えうるでしょう。
 このオールマイティカードを《錆の精霊》に使うのはもったいないでしょう。基本的な使い方はこの後に出てくる2~3マナの色付きアーティファクトアドバンテージ源にアプローチすることです。

2枚 処刑人の薬包

単純にクリーチャー除去

 黒にもちょうどいい感じの除去が見つかったので採用しています。《処刑人の薬包》はその能力通り《錆の精霊》を倒すのに使います。置いてから起動まで黒マナ2つを要求するので《グレムリン地雷》のような軽快さはありませんが、このデッキでは貴重なクリーチャー対策を提供してくれます。

2枚 頭蓋書庫

どこでも入るライブラリー修復装置

 『進〇ゼミで見た!』ライブラリー修復カードです。今回も墓地からカードが戻っていくギミックが若干搭載されているため、できるならそれを待っての起動を狙っていきましょう。

2枚 カイラのオルゴール

白のアドバンテージ源はこれ

 昔からよくある「貯めて使う」系アドバンテージカード。白マナでライブラリーTopを回収し、タップ+コスト支払いでそのカードをプレイすることができます。
 「プレイ」と書かれているので追加0マナで土地をプレイすることも可能です。デッキ全体が《錆の精霊》に対する有効牌として、2ターンに1枚の割合で供物を準備することができることになります。

2枚 水晶の破片

相手より自分のクリーチャーに使います

 青のアドバンテージ源はミラディンのいわくつきカード。このカード+青マナを準備されてしまうと自分の《錆の精霊》がほぼ倒されなくなります。
 青+4マナ+《水晶の破片》で疑似警戒のような動きをすることもできますし、自分のターンで1回、相手のターンで1回起動することを想定して、相手の2マナを仮想的に縛ることもできます。
 上手い人が使えば使うほどいやらしいカードです。

2枚 骸骨の破片

墓地のクリーチャーは肥えやすい

 黒のアドバンテージ源はもっと直接的です。3マナor黒マナで墓地にある《錆の精霊》を回収します。戦闘での相打ちを狙って何回か使うだけで、相手の《錆の精霊》は尽きてしまうでしょう。あとは維持コストを払いつつ相手を踏み潰すだけです。

2枚 霊炎貯蔵器

一番下の能力だけ使います

 赤のアドバンテージ源は、最近のカードからチョイスしました。このデッキでは1番目と2番目の能力は機能せず、3番目の能力のみを使うことになります。
 非常に赤らしい刹那的アドバンテージカードで、2マナでライブラリーTopを使えるようになります。このデッキの最高マナ総量は4なので、6マナあればどんな呪文でも使用できるようになります。

2枚 造命師の動物記

常時占術1はそれだけで強力

 緑のアドバンテージ源は《造命師の動物記》です。このカードのみアップキープにタダで機能する能力があり、占術1なのでとても強力です。
 また、《錆の精霊》を唱えた際、緑マナを追加で払うとカードが1枚引けます。ここでもアドバンテージを取ることができ、《錆の精霊》の維持に役に立つことでしょう。

2枚 光明の大砲

4ターンに1個何かを壊せます

 最後にアーティファクトによる万能除去を準備しました。《光明の大砲》は戦場に出てしまえば毎ターン蓄積カウンターを得ることができ、3個とタップでパーマネントを1つ破壊できます。戦場で最も危険なアドバンテージ源5種を破壊したり、相手の《錆の精霊》を直接割ったりもできます。
 このカードは相手から《光明の大砲》が出ても(カウンターが乗っているため)先出し有利で、突然の《白い薬包》以外では割られることもありません。
 が、遅い。本当に遅い。できるならゲーム序盤に置いて、このカードを軸に戦えると理想です。

20枚 2色アーティファクトランド(各2)

10種2枚で20枚投入

 このデッキはタップイン土地が20枚もあり、かつ指定クリーチャーの《錆の精霊》が4マナと重い(かつ維持ペナルティあり)なので、ゲームはとてもゆっくり進行します。
 ゲーム内では、アドバンテージ源5種の色マナと白黒薬包で7種類の色マナとして使用します。
 気を付けなければならないのは《錆の精霊》に喰いつかれることです。短期決戦を狙って失敗した場合、盤面でそれを維持するアーティファクトが足りなくなると土地を食いつぶされてゲームに負けてしまいます。

10枚 単色アーティファクトランド(各2)

元祖アーティファクトランドも健在

 こちらはアンタップインするアーティファクトランド。タップインランド同様の注意が必要です。ごく稀に《光明の大砲》や白い薬包の対象にされることがあります。

2枚 眷者の居留地

条件が軽いドローソース

 《錆の精霊》をコントロールしていると、3マナ+タップでカードが1枚引ける土地です。このデッキではパーマネント数の差がそのままゲームの有利不利を決めてしまうため、1枚でも多くのカードが引ける状況は有利です。
 特にこのカードの起動条件を満たしている(=《錆の精霊》がいる)状況であれば、次々と喰われるアーティファクトを供給し続けなければならないため、非常に有効に作用するでしょう。

2枚 海門の残骸

手札が空になった時の秘策

 手札が空のときにカードが引ける土地です。無色マナを要求されるので使える条件が意外と厳しいことに注意してください。
 手札を使い切った際に追加でカードが引ける土地は、相手とのアドバンテージ差がついたときに有効に機能します。相手の方がパーマネント数が多ければ逆転のために、少なければダメ押しのために使っていきましょう。
 問題なのは2枚目以降の《錆の精霊》を引いてしまったとき。こんな時の秘策は後程準備しています。

2枚 ガイアー岬の療養所

相手より自分のドローが貴重な時は……

 条件なく相手と自分が1枚ずつ手札をルーティングする土地です。えてして不必要と思われた《錆の精霊》と《土地》が投げ捨てられるのはご愛敬。
 手札の枚数が多いほど不要牌も多いもの。そういったときに起動し、より有効牌を複数抱えてゲームを有利に戦いましょう。

2枚 埋没した廃墟

アーティファクト回収の定番品

 最後は定番のアーティファクト回収です。《頭蓋書庫》との絡みがある数少ないカードで、主にアドバンテージ源か緊急の除去を拾われることが多いです。
 両プレイヤーが同時にこの土地をコントロールした場合、後起動が有利なことに気を付けてください。

茶ダンダーンの戦略とテクニック

 他色ダンダーンは、そのクリーチャー選択と付随するカードの選択によって、元祖とは全く異なるプレイ感覚の新しいゲームになります。そのため、今回は茶ダンダーンをプレイするに際し知っておくと得をする戦略とちょっとしたテクニックをご紹介します。

序盤は淡々とアーティファクトを並べる

 《錆の精霊》の維持コストはアーティファクト1枚生け贄。この厳しい条件をクリアできるように、序盤は淡々とアーティファクトを並べるターンが続くことが想定されます。
 マナスクリュー厳禁なので、初手ハンドは土地が多いものをキープするのが良いでしょう。序盤に引いた《錆の精霊》は1枚だけ確保したうえで効果解決で捨てるなど、有効カードを手札と戦場に溜めることに務めます。

中盤は《錆の精霊》維持とアドバンテージを稼ぐ

 マナが自由に排出されるようになると、5色のアドバンテージエンジンを回して盤面のアーティファクトを次々と増やしていきます。《胆液の水源》を複数用意できで初めて《錆の精霊》を唱えてゲームを進めることができます。
 序盤の《錆の精霊》は相打ちをとって良いでしょう。戦場に相手より多い《錆の精霊》を維持できるようになったら攻撃を開始します。

終盤は複数の《錆の精霊》で押し込む

 相手ライフ2回くらいになると《錆の精霊》を複数展開してブロックが間に合わなくしていきましょう。維持コストとしてアドバンテージ源を生け贄にする際は今後の展開を考える必要があります。攻めきれず、《錆の精霊》が土地を食べそうになったら後述の方法で数を減らしましょう。

2体目以降の《錆の精霊》で盤面コントロールを

 《錆の精霊》を複数体出して相手を押しているが、こちらのパーマネントが消えるのが先になりそう、という状況は良く発生します。この場合、《錆の精霊》の生け贄(誘発型能力)で互いに《錆の精霊》を捧げあうことで、盤面から《錆の精霊》を処理することができます。
 このテクニックは《錆の精霊》が何体いても使えます。必要に応じて《錆の精霊》の枚数にリセットをかけて、重要な土地を食べられはじめないようにしましょう。

他色のダンダーンもあるよ

 ここまで茶ダンダーンのデッキと解説を行ってきました。これで白、青、黒、赤、茶のダンダーンが出そろったことになります。次回はマルチカラーカードで作ったダンダーンを紹介予定です。

<ダンダーンのまとめ>
白:《ヨツンの兵卒》
青:《ダンダーン》
黒:《奈落に住まう騙し屋》
赤:《岩山トカゲ》
緑:(近日公開)
マルチ:(近日公開) …次回紹介の予定
アーティファクト:《錆の精霊》 … この記事で紹介

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