緑ダンダーンで遊ぼう!
『緑ダンダーン』とは
『《ダンダーン》は青のクリーチャーでは?』と思われる方、その通りです。では緑のダンダーンとは何でしょう? 緑ダンダーンは、海外サイト reddit で『青以外の4色のクリーチャー』を軸にそれぞれをダンダーンと同じ遊び方をするデッキが公開されたうちの1つです。
今回、その『緑色の』ダンダーンについて、採用カードを参考に全く新しい指定クリーチャーでリストを作成し、調整したものを紹介します。カードが入手可能な方はぜひ遊んでみてください。
バリアントルールについて
先手後手による有利さや《ダンダーン》の代替クリーチャーの特性、デッキ構成によるゲーム展開などを理由として、元祖ダンダーンからルールを追加したり削除したりする場合があります。
緑ダンダーンのゲームルール変更点として、
1.ゲーム開始時のライフを2,000にする
2.統率領域に《ドルイドの誓い》を置き、機能させた状態でゲームする
3.クリーチャーは戦場に出るに際しフェイズアウト状態を選べる
を用います。
なお、ダンダーンの基本ルールについては『ダンダーンを遊ぼう!』の記事をお読みください。
さっそくデッキリストをどうぞ
クリーチャー: 10
10 ふくれた汚染者
インスタント: 22
8 激励
2 狂暴化
2 運命の回避
2 尾の強打
2 噛み締め
2 達人の咎め
2 星界の飢餓
2 セテッサ式戦術
ソーサリー:10
4 ガイアの祝福
2 挑発の咆哮
2 狂暴な踏みつけ
2 調和
エンチャント:2(+1)
2 ユートピアの誓約
1 ドルイドの誓い(統率領域)
土地: 36
14 森
2 平穏な茂み
2 滑りやすいカルスト
2 不屈の砂漠
2 狩猟迷宮
2 隠された生育場
2 ケンタウルスの庭園
2 ハシェプのオアシス
2 Heart of Yavimaya
2 戦の大聖堂
2 地盤の際
2 浸食する荒原
カード投入数と使い方とか
10 ふくれた汚染者
はい、ライフ2,000点問題はこの瞬間に解決しました。《ふくれた汚染者》は戦闘ダメージを与えた際、毒性による毒カウンター1個と増殖による毒カウンター1個をプレイヤーに与えます。そのため、汚染者の戦闘ダメージを5回受けるとプレイヤーは毒カウンター10個を得て敗北となります。
この『毒殺』をゲームの勝敗とすることで、他のダンダーンでは使用することができなかった『トランプル』の能力およびパワー変更効果を持つカードを入れることができるようになります。
緑はその色特性上、パワータフネスの変更効果を持つカードが非常に多く、またクリーチャー除去を格闘系カードに頼っているため、このルール変更により様々な効果のカードを使えるようにする必要がありました。
8 激励
毒殺デッキといえばこの強化呪文です。森をコントロールしているならばライフを3点与えることでクリーチャーのサイズを4点上げることができます。相手のライフが2,003点になっても関係ないですね。
この緑ダンダーンでは格闘系除去と強化呪文の応酬がプレイの中心になります。マナがないところからでもアクション数を増やせるこのカードについて、ゲーム中は常に意識しておくとよいでしょう。
2 狂暴化
こちらも毒殺デッキ定番の強化呪文ですね。クリーチャーのサイズを倍化する能力はブロックをされたクリーチャーに使うことで、クリーチャーを倒しつつトランプルダメージを通すことができます。
もう一つ使い方があるとするなら、相手から1発戦闘ダメージを受けつつこれを使うことで相手のクリーチャーを終了ステップに破壊することができるという点です。自分がクリーチャーをコントロールしていない状態で相手のクリーチャーを倒すことができる貴重な除去となっています。
2 運命の回避
あなたのコントロールしているパーマネントを対象としているインスタントとオーラ呪文を対象とし、それを打ち消す、という能力です。このデッキの中で該当する呪文は7種14枚。それほど多くはありませんが比較的対象に困らずに使うことができるでしょう。
特に後述の《ユートピアの誓約》への対抗策として重要な役割を果たします。ゲーム展開で余裕を持てるならギリギリまで引っ張ったほうが良い呪文ではあります。
2 尾の強打
メイン・フェイズに使用すると+1/+1の修正を受けることができる格闘呪文です。格闘呪文ですからそのままメイン・フェイズ以外で使用すると相手クリーチャーと相打ちになることに注意してください。
この呪文は自分から仕掛ける際に真価を発揮します。呪文の応酬の取り掛かりとして唱えるのにちょうどよく、メイン・フェイズでさえあれば途中でインスタントとして挟んでもちゃんと+1/+1修正を得られます。
2 噛み締め
対象を2つ取り前者が後者にダメージを与える『一方方向の格闘』カードです。この系列のカードは全部で3種6枚入っています(通常の格闘カードも3種6枚です)。
使い方は単純で、相手の邪魔なクリーチャーを除去し、攻撃を通すために使ったり、相手から格闘系除去を撃たれた際に逆にこちらから打ち返して先に相手のクリーチャーを倒してしまうために使ったりします。
2 達人の咎め
《達人の咎め》は《噛み締め》と同じ効果です。
2 星界の飢餓
《星界の飢餓》は《噛み締め》と異なり後者のクリーチャーとして自分がコントロールしているものを選ぶことができます。この「自分のコントロールしているクリーチャーを選べる」部分が重要となる場合があります。
2 セテッサ式戦術
奮励によって複数のクリーチャーに+1/+1と格闘能力を付けることができるカードです。このカードは様々な使い方があるため、実際にゲーム中に使って試してもらいたいと思います。
……といいつつ、後程の戦略ガイドで種明かしをしますので、知りたい方はできれば最後までお付き合いいただければと思います。
4 ガイアの祝福
統率領域に《ドルイドの誓い》を置く以上、ライブラリー切れがセットになることは当時使っていた方はご存じでしょう。そしてこのカードがデッキにセットになって入っていたこともご理解いただけるでしょう。
普通に使えば墓地を3枚修復して1ドローですが、真価はこのカードがライブラリーから墓地に置かれたときの能力です。《ドルイドの誓い》で削られた中にこのカードが入っていた際、能力解決後にライブラリーが完全修復します。
2 挑発の咆哮
3マナのソーサリーですが、ゲームを決めてしまえる能力を持っています。この呪文の対象となった《ふくれた汚染者》は《寄せ餌》の能力を持った破壊不能クリーチャーとして戦線に投入できます。
当然ですが相手のクリーチャーを全て引き受けることになるので、あなたが脇で一緒に攻撃したクリーチャーは全てスルーされることになります。残り毒数個を押し込むことができるキラーカードです。
2 凶暴な踏みつけ
こちらも3マナソーサリーですが、ゲームを決めてしまう可能性を秘めています。効果は+1/+1カウンターを乗せて格闘をする、という地味なものですが、この+1/+1カウンターというのが非常に厄介です。
この呪文で目の前のクリーチャーを倒し、攻撃が通ると相手に毒1個を与えつつ、増殖で毒1個と自身に+1/+1カウンターを1個乗せてしまいます。このサイズアップを止めることはこのデッキでは大変難しいのです。
2 調和
このデッキの「3枚引け」枠は《調和》です。ただカードを3枚引く、これだけのカードですがダンダーンにおいてこれほど強いドローカードはなかったはずです。
2 ユートピアの誓約
クリーチャーに《平和の心》の能力とマナを生み出す能力を付与するオーラ呪文です。緑において自身にクリーチャーがいなくてもクリーチャーを疑似的に除去できる貴重なカードです。
しかし、このカードの本当の狙いはそこではありません。デクの坊となったクリーチャーが1体いるということは、《ドルイドの誓い》が誘発してしまうということ……。放っておくとゲームエンドです。
1 ドルイドの誓い(統率領域)
このカードを統率領域に置くというアイデアにたどり着くまでには様々な試行錯誤がありました。根底にあるのは「緑呪文がP/T変更効果に偏っている」「格闘(一方格闘)以外の除去が乏しい」「クリーチャーが尽きると一方的なゲームになる=クリーチャー引いたもの勝ち」という問題でした。
これを解決する方法として最初《命綱》を統率領域に置いたクリーチャー復元を試しました。結果として《命綱》がわかりにくいこと、それでも一方にクリーチャーが残ってしまうことが問題として解決できませんでした。
そこで《ドルイドの誓い》と《ガイアの祝福》による古典コンボを引っ張ってきました。これにより、他のダンダーンでも課題となっていたライブラリー修復を解決すると同時に、クリーチャーの少ないプレイヤーに継続的に《ふくれた汚染者》を供給し続けるという満足できる環境が構築できました。
ただし、1つだけ問題が残りました。それは先に《ふくれた汚染者》を出したプレイヤーが《ドルイドの誓い》の効果でカードアドバンテージを失うというものです。これについては、赤ダンダーンで使用したバリアントルールである「フェイズアウトで戦場に出せる」を同じく採用することで、出したそのターンは《ドルイドの誓い》を機能させなくすることができ、先手を取ることができるという優位性を生み出せるようになりました。
このようにして生まれた《ドルイドの誓い》限定環境です。ぜひその特異な戦場を試していただきたいと思います。
14 森
アンタップで入る緑マナは優秀です。このデッキは色拘束が薄めですがいくつかのカードが複数の緑マナを要求してくるので注意が必要です。
2 平穏な茂み
2 滑りやすいカルスト
2 不屈の砂漠
サイクリング3兄弟もこれで見納めです。が、今回だけは《不屈の砂漠》くんに特命が下っていますのでよろしくご確認ください。
2 狩猟迷宮
アクション数で勝負する緑ダンダーンでは、実はあまりコレを生け贄にする機会はないかもしれません。それでも、手詰まりになった際に打開できる可能性はあったほうがよいでしょう。
2 隠された生育場
発見土地はそのコストの重さから使うタイミングは難しいです。このデッキでめくって使用できないカードはないですが、コンバットトリックが多いため即座に解決できるカードは少ないでしょう。
2 ケンタウルスの庭園
見えているコンバットトリックですが、1マナタップと軽いこと、+3/+3とサイズが大きいこと、インスタントで起動できることという3点が非常に優秀です。オアシスくんはもうちょっと見習ってほしい。
ああ、タップすると1ダメージ受けることは計算しなくていいですよ。
2 ハシェプのオアシス
3マナタップ、ソーサリー速度で+3/+3という能力を持つこの土地ですが、生け贄にするのは『砂漠』なので《不屈の砂漠》でもOKです。コスト的にビックアクションになるので呪文の応酬は程々に。
2 Heart of Yavimaya
戦闘で一方的に勝つことができ、格闘除去を返り討ちにし、一方格闘をかわすことができ、その他ニッチな使い方が沢山あるカードです。チートです、チート。
2 戦の大聖堂
《Heart of Yavimaya》ほど強烈ではありませんが、単独戦闘で+1/+1がつくという『強い』土地です。1対1でのブロックでは一方的に倒された上で1点トランプルしてしまうのでブロックが全くの無駄になります。
2 地盤の際
《Heart of Yavimaya》のカウンターバランスはこの土地に決まりでしょう。各種ダンダーンで土地が悪さするとき、この土地が救世主のように見えてくるはずです。
2 浸食する荒原
強い土地が4枚入っているなら、破壊できる土地も4枚欲しいですよね。ということで、起動コストは重いながらも条件がない土地破壊を準備しました。
緑ダンダーンの戦略とテクニック
他色ダンダーンは、そのクリーチャー選択と付随するカードの選択によって、元祖とは全く異なるプレイ感覚の新しいゲームになります。そのため、今回は緑ダンダーンをプレイするに際し知っておくと得をする戦略とちょっとしたテクニックをご紹介します。
アクション数を稼ぐために土地を並べよう
この対戦では《ドルイドの誓い》が睨みを利かせている戦場なので、クリーチャーの高速展開による押し切りは困難です。そのため、中終盤の呪文の応酬に手数で負けないように土地を並べていくようにしましょう。
デッキ内に墓地から拾う呪文や打ち消し呪文はないため《調和》を撃つリスクはありません。ガンガン引いて土地を並べていきます。
土地が止まった、呪文が手札に溢れたところで行動開始です。《ふくれた汚染者》をフェイズアウトで出し、次のターンから攻撃、除去に対しての呪文の応酬を進めていきます。相手の手札にある「汎用性の高い」カード(例:ピッチスペルの《激励》など)を引っ張りだすようにします。
《ドルイドの誓い》があるので、相手へのダメージが通らない状況なら、呪文の応酬から引き下がることも時と場合によっては必要です。無理に《ふくれた汚染者》を通していく必要はありません。
クリーチャーがないときは《ドルイドの誓い》に頼ろう
逆に手札に呪文が溢れて《ふくれた汚染者》がいない場合もあります。その際には相手から攻撃を1回受けて《ドルイドの誓い》で《ふくれた汚染者》をもらってきましょう。
1体でも汚染者を入手できれば、格闘系除去が使えるようになり、相手との呪文の応酬にも対応できるようになるはずです。クリーチャー差が2体以上開いてしまうと《ドルイドの誓い》が間に合わなくなるので注意が必要です。
勝ちにつながる戦略は5パターンある
このデッキでは明確な勝ちパターンを5種類準備しています。それらは以下のカードを軸にしていますので、対抗策と一緒に理解しておけば一段高いレベルのダンダーンを遊ぶことができるでしょう。
1.《heart of Yavimaya》《戦の大聖堂》
シンプルでかつ強力なコンバットトリックです。サイズアップさせつつ5回通せば勝ちです。対抗策は《地盤の際》《浸食する荒原》です。
2.《ユートピアの誓約》
無力化された《ふくれた汚染者》が《ドルイドの誓い》からクリーチャーを無限に呼び込みます。放っておけば最終的に除去しきれずに負けてしまうでしょう。対抗策は《セテッサ式戦術》《星界の飢餓》《尾の強打》《運命の回避》です。
3.《凶暴な踏みつけ》
効果中に付与された+1/+1カウンターによってサイズが上がり、4/4《ふくれた汚染者》でのブロックが間に合わなくなります。ダメージが通るたびに増殖で+1/+1カウンターが増えていきます。対抗策は《ユートピアの誓約》《運命の回避》《狂暴化》《激励》など。
4.《挑発の咆哮》
《寄せ餌》+破壊不能効果で相手の《ふくれた汚染者》を引き寄せ、一緒に攻撃した残りのクリーチャーを通します。対抗策は《セテッサ式戦術》《星界の飢餓》《達人の咎め》《噛み締め》《尾の強打》です。
5.《セテッサ式戦術》
相手のターン終了時に使い、格闘で相手の《ふくれた汚染者》を全て倒し、自身のターンに攻撃して相手を倒します。もしくは自身のターンに使い、+1/+1修正を「オーバーラン」のように使ってダメージを通す方法で相手を倒します。対抗策は《ふくれた汚染者》を複数体並べさせないことです。
これにてダンダーン7種が出揃いました
ここまで緑ダンダーンのデッキと解説を行ってきました。これで白、青、黒、赤、緑、アーティファクト、マルチカラーのダンダーンが出そろったことになります。
次回はミニ記事にて各ダンダーンの特徴をわかりやすく得点づけしてみようと思います。お気に入りのデッキを見つけやすいようにコメントも入れる予定です。ご期待ください。
<ダンダーンのまとめ>
白:《ヨツンの兵卒》
青:《ダンダーン》
黒:《奈落に住まう騙し屋》
赤:《岩山トカゲ》
緑:《ふくれた汚染者》
マルチ:《ピストン拳のサイクロプス》
アーティファクト:《錆の精霊》
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