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夏休みのポケモン映画、クリームソーダと苦い思い出

夏休みの思い出でひとつ思い出した出来事があるので文章に残しておこうと思います。

僕は夏休みになると、毎年おばあちゃんの家に泊まりに行き、おばあちゃんと一緒にポケモンの映画を見に行っていました。
『ミュウツーの逆襲』や『ルギア爆誕』の頃なので年齢は小学生以前だったでしょう。

幼稚園児の僕はクリームソーダが好きでした。
※関係ない話をすると、大学時代のカラオケ屋のアルバイトでトップクラスに洗い物が面倒くさいのがクリームソーダ・コーラフロートだったのでそれ以来嫌いになりました。
おばあちゃんはそんな僕を映画に連れていく前(または後)に喫茶店に寄り、クリームソーダを注文してくれるのが、毎年恒例の行事のようになっていました。

一般的に想像される夏休みの風景としては、都会に住む少年が田舎の祖父母の家に遊びに行くような感じだと思います。
僕の場合は逆で、田舎に住む僕が首都圏に住むおばちゃんを訪ねる形でした。

なので、冷気が見えるほど冷房が効いた東京の喫茶店で味わうクリームソーダというのは、ある種、僕にとっての都会の象徴のようなものでした。

そんな涼し気な思い出のなかに、一滴の苦い思い出があることが夏の到来とともに浮かび上がってきました。

水です。

おばあちゃんが執拗に水を飲ませようとしてくるのです。
喫茶店で。

僕が飲料として真水を飲むようになったのは、中学の部活動がきっかけだったと記憶しているので、それ以前には真水を飲む習慣がなかったと思います。
皆さんはどうでしたか?子供のころって、水なんて味しないし、飲むのがなんか嫌じゃありませんでしたか?

当時、幼稚園児の僕は水を飲むことを嫌がりました。

せっかく大好物のクリームソーダ飲んでいい気分になってるのに、なんで不味い水なんか飲まないといけないんだよ、と。
甘いクリームソーダの後なので、余計に水が苦く感じます。

おばあちゃんの立場になって考えてみれば、母から預かった幼い孫が熱中症になったりしたら大事です。
甘いものばかりでなく、しっかり水分も摂らせて体調を悪くしないように気遣ってくれていたのでしょう。

しかし、幼稚園児の僕にそんな気遣いが伝わるワケもありません。
なんでたった今クリームソーダで喉の渇きを潤したのに、苦い水まで飲むんだよ。無料だけど残すのはもったいないってこと?とか思っていました。
嫌々何口か水を飲み、ポケモンの映画を見に行った記憶。

死ぬほど暑い東京の夏。
都会的な喫茶店と甘いクリームソーダ。
そして苦い水。

これが僕の少年時代の夏の思い出です。

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