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【ライナーノーツ】Blues Bowl
「総集編」
自分の好きな音楽、自分の聴いてきた曲、影響を受けたアーティスト、その歌やプレイ。
それらの影響で形成された自分の音楽。これまで作ってきた曲。
そんな、自分が通ってきたものや重ねてきたものを改めて曲にする。
自分の音楽ですから、結局はBluesが基軸です。
でも、
アコースティックもエレクトリックも。
典型的なBluesもブルースロックもロックも。
生楽器もデジタルも。
歪んだ音もクリーントーンも。
ポジティブもネガティブも。
今作への自分の想いを元に一緒にして、組み合わせて、ひとつのアルバムにしました。
それが今作「Blues Bowl」です。
Night Walker
ジャズ、なんだかんだ聴くんです。
クラシックなやつが、好きなんです。
マイルス、好きなんです。
ジャズに「ブルース進行」があるし、通じるものを感じてます。
アルバムのコンセプトが「総集編」なので、ちょっと一曲、入れてみました。
最後の最後に入手したミュートトランペットのいいフリー音源、いい感じ!
悲しい男の物語
Bluesの人なので、月並みに。
自分は、自分に対してネガティブに考えたときに歌詞が降りてくることが多く、これもそんな感じ。
仕事でメンタルやられたときが、この歌詞のような感じでした。
ストレスかかると思考が停止するんです。その時を思い出して、書いた歌詞です。
シンプルな 12小節/スリーコードのBlues。ギターとブルースハープがあれば形にはなるので、よく行くBluesセッションでも演奏できそうです。
すわ!
仕事であったりプライベートでもそうかもしれませんが、「俺、このままここにいていいのかな」なんて考えるときがあります。
もしそんなときに自分を不遇に感じていたら、そこから飛び出していいんだよ!という歌です。
「すわ」って、『さあ』の意味があったような気がして使っていますが、感覚的で確証がない…
向こう側
生きている間に数多にも、何かを選択する必要があることがあります。
そこで何らかの選択をした結果が今の自分になるわけですが、「あの時違う選択をしていたらどうなっていたか。」そんな自分を羨むような、そのほうがよかったんじゃないかと女々しく後悔するような、そんな曲です。
マイナー調のアメリカンロックなイメージで作った曲。アメリカンロックは、自分のルーツのひとつです。
いいから
うちの相方と話しているときに、よく自分が言う言葉が「いいから!」
相方に「『いいから』で曲が作れそうだよね」と言われて即イメージが出来上がった曲です。歌詞はポンッと降りてきた感じ。その時のイメージはもっとテンポが速い感じだったのですが、それが最終的にミディアムのワンコードになりました。
「いいのだ」と対になるような感じで、それと同様、HOWLIN' WOLF(ギターはHubert Sumlin)のワンコードがイメージです。
そのままだと同じ感じの曲が2曲になってしまうので、こちらはドラムのエフェクトを変えたりシンセを入れたりといじってますが…難しい。
Baby Yo
スローブルーズを入れるにあたって、「シンプルでオーソドックスなものを入れたい」と考えていました。ギターも鍵盤も、いくつも重ねる傾向があるので、そうじゃないシンプルな構成でアレンジしてみました。
「すわ!」もそうなのですが、歌詞は 2022年の「@音(アットオン)」に参加するときに書き下ろしの曲をやれないかと考えていた時に作ったもので、今回ようやく陽の目をみました。女性賛歌の内容ですが…ね。
They Named The Baby Rock 'n' Roll
この曲、Bluesのレジェンド Muddy Watersの曲「The Blues Had a Baby and They Named It Rock and Roll」から影響を受けて、日本語歌詞を作った曲です。
「ロックの起源はBlues」(諸説あり)、そんなBluesを知ってるかい?みたいな感じです。より多くの人に Bluesを知ってもらいたい気持ちもあります。
曲はシンプルなスリーコードで、ブルースハープを入れて Muddyっぽく?してみました。
歌詞は実は一か所、不適切かもしれないと思っているところがあります。
ライブでこれを演るような機会があったら、その時は更新した歌詞で歌いますよ!
こわい
総集編なので、前作「An Old School Man」と 2022年の「@音」の流れでアコースティック一本はやはり入れたいな、と作った曲です。
これだけはボーカルとギターを一発で録っています。弾きながら歌えないと、いざというときできないので。
歌詞の内容は情けないですが、自分の実際のメンヘラ体験が元になっています。
あるんですよ。ストレスかかると頭の中がぐちゃぐちゃになったり、逆に真っ白になったり。生活すること自体、こわくなったり。
同じようなことを感じている人に、自分だけじゃないんだよ、おかしいことではないんだよ、と伝わったらいいな、なんて考えています。
いいのだ
私、自分に対しては基本ネガティブですが、他者にはポジティブな傾向があります。
知り合いがメンタルやられて自分を否定していたときに、「そんなことない。そのままでいいんだよ」と感じたのですが、急に思いついて「~で、いいのだ」という言葉を並べていったらできあがった歌詞です。
「いいのだ」が繰り返されるので、HOWLIN' WOLF(ギターはHubert Sumlin)のリフっぽいワンコードに仕立て上げました。
「それでいいのだ」(©バカボンのパパ)
煩わしい
自分が一番苦手なのはたぶん、色々細かい(自分の感覚で)ことを、いちいち言われることだと思います。
何か物を置くときに、「どこに置いて」「置くときの向きはこう」「壁につけるんじゃなくて、3センチ前に出して」といちいち言われ続けると、イラっとしてしまいます。
そんなのをいちいち言われて、「煩わしいんじゃ!」と叫んでるのがこの曲です。
「クラビネットのリフをメインで、1曲」が曲のテーマ。ちょっと音数多いかもしれませんが、疾走感もあったよきかな、と。
意義
一番最後にアルバムに追加した曲です。もう1曲、スローブルーズを入れたくて、だけど前の1曲とは何か違いをつけたくて。
歌詞は毎度のことながら、ネガティブマインドからくる抑圧・不満を吐いた感じでそれを語り口調っぽく歌っているので、それを語るときの自分の内面を表現するようにをテーマにしたアレンジを意識しました。
何か不思議な、あいまいな、うねった空間にできたかなと思います。
ピアノパート、相変わらずヘタなアドリブですが、弾いているときになにか降りてきたような感じがあって、気に入ってます。
三遍回ってワンと哭け!
定かではないですが、何かで相手の言葉から「つべこべ言わず、俺の言うことを聞け」的な感覚を感じたときに降ってきた歌。「自由」とか「尊厳」という言葉が自分の中ではキーワードになっていて、それを害されるのが一番イヤなようです。自分の中では、「尊厳」を一番害される表現が「三遍回ってワンと哭け」なのかもしれません。
自分の地元選挙区選出の代議士が 2023年に逮捕されました。町会行事とかで面識あったりしたのですが、そんな違反をそそのかしたりするようなタイプではないと思っていたのですが…自民党に入って、長いものに巻かれてしまったのかもしれません。
それを予期していたような歌詞を書いていたので、びっくりでした。
Runaway Train
たまたま思いついた「Runaway Train」という言葉の響きがなんか気に入って、それをテーマに曲を作ろう、と書いた創作の物語です。
夜の遅い時間の遠くに向かう列車で、隠れるように出ていく人間の半生はどんなものだろう、と想像して歌詞を書きました。ちょっと表現が古いのは、昭和の人間なもので…
今作 16曲の中ではロック寄りな曲ですが、自分の中のそういう楽曲の源泉は、Bruce Springsteenです。Sax入ってませんけどね。
やっちまった
Bluesがベースの曲を作っているのはいいのですが、これまで英語歌詞だったりシンプルな 12小節Bluesじゃなかったりとかで、よく行くBluesセッションで即興的にジャムるのが難しいな、と感じていました。
今回アルバムを作るにあたって、セッションでもやれるような曲を!と思って作った曲です。酒飲みの、よくありそうな失敗談。
イントロのフレーズだけ間違えなければ、あとはスリーコード/12小節なので合わせやすい!(はず…)
森羅万象!
アルバムを締めるにあたって、(自分のできる限りで)終わりに向かって上がっていく壮大なイメージの曲ができないかと考えていました。
それに加えて、ジミヘンっぽい感じでクリーン系からファズの歪みに切り替わるような曲を作ってみたい、という想いもあって、それをどうにかしようとやってみた結果がこの曲です。
人を励ましている感じの歌詞は気に入っているし、曲自体も気に入っています。
アレンジが、含まれている音の数が多すぎな感があったり、少しでも「壮大」になっているか疑問だったりと、まだまだだなぁ…
(I'm Gonna) Ride On The Runaway Train
先ほども出てきた「Runaway Train」という言葉、どうにも執着してしまったようで…
当然、Bluesの歌詞にも使えそうな言葉なので、オーソドックスに「俺は街から出ていくよ。お前にゃついていけないよ。もう我慢できない。」という歌詞にして 8小節Bluesに仕立てました。
歌とアコギとブルースハープ。ストリートでセッション的に演奏しているような。
ギターがたまにゴチャッとなったりとか、ブルースハープの息漏れが多いとかは、ご愛敬で…