世の中にはバグが多いのでそれを探すのは面白い
昔、こういうことが可能なんじゃないかと考えたことがある。たとえば、自分で会社を作る。そして、その自分の会社が自分を障害者雇用するという形にするんだ。
中小企業が障害者を雇用すると障害のていどにもよるが1年半で130万円ほどもらえるらしい。自分の稼いだ収益が少なくても助成金で下駄を履かせることが可能なのではないのだろうか。
このアイディアをドヤ顔で障害者就労支援センターの所長さんに言ったところ、「それはできない。助成金目当てじゃないんだけど、親戚の子どもを雇ってみたらそれが無理だった例があった」とのこと。
ふーむ。なら、全くの他人ならOKではないのか。助成金をもらい終えたら会社をつぶしてまた新たに会社を作ると。1年半でもらい終わった助成金が復活しちゃうんじゃないのかと。
「どうなんだろう~。でも、学さん、お金儲けの才能だけはあると思うよ」と所長さんに苦笑された。
世の貧困ビジネスってこれに近い発想でおこなわれているんじゃないかと思った。いや、僕はそんなことするつもりはないけどね。倫理的にどうかと思うのと手間がかかりそうだから。ただ、世の中にたくさんのバグが存在するんだと思う。そして、それを見つけて生きている人がいる。
海外の友人に聞いたけど、インドはジェネリック医薬品の製造が世界一で欧米諸国の製薬会社が作った新薬でさえも販売しちゃう。一応、インド国内のみの販売になっているけど。これをインドで手に入れて日本や欧米に輸出するとおそらく特許法に違反すると思う。
だけど、どこかの国ではこのような特許法が存在しない国はあるんじゃないだろうか。けっこう途上国の法律はいい加減でこういうバグを利用して生きている人がいる。
この話を聞いたとき、ジュラシック・パークに出てくる数学者のイアン・マルカムを思い出した(マイケル・クライトンが書いた原作がめちゃくちゃ面白いです)。そのマルカムの言葉がこれだ。
“Life finds a way.”(生命は道を見つける)
ちなみにこの僕のブラックなアイディアを話したところ、こういう説明をしてくれた方がいました。障害者雇用での助成金目的での計画倒産はまず割が合わないと。なぜなら、理由は以下のとおり。
助成金は厚労省に書類を出せばもらえるが、そのために社会保険・ハローワーク・労働基準監督署への届け出が必要。この手続きをするためには、会社登記と事務所を借りることも必要。この申請自体が複雑で助成金受給後も書類の提出が必要なので社労士との契約をするかそれと同レベルの知識が求められる。
割に合わないのを覚悟でもいいから何回か会社の計画倒産をするとしよう。同じ事を繰りかえすと怪しまれるので代表者を別の人物にする必要がある。そうなると協力者が必要なので利益分配を考えるとやはり割に合わない。
中小企業庁の助成金なら同一人物が複数の会社の代表になれるのでちがう申請内容ならば申請可能なものが多いとのこと。