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レインボーのお花と母の思い出。

最近の薬屋のひとりごとのアニメで青い薔薇の話がありましたが、
猫猫は白い薔薇を育て、たくさんの染料を使い、カラフルな花をたくさん作ってましたね。

それを見ていて思い出した話です。

2020年、私が墓参りに行った時、いつもお墓に行く途中にある仏花のお店でレインボーの菊が置いてありました。
あまりに衝撃で聞いてみたところ、花屋で染料を吸わせて作っているとこのと。
どうしても欲しくて、誰かに見せたくて、帰り道に一本買いました。
サムネは当時撮った写真です。

こんなにきれいだし、せっかくなので、母にあげようかと思い、
その週に実家に帰り、母にレインボーの菊を持っていきました。
見せたとたんに

「わあ!なにこれ!本物!?」

とすごいリアクションでした。

「こんなに珍しいものをくれるの!?」

とまるで、昔、鎖国していた日本に初めてカステラが伝来したかのような反応。(他に良い例えはないのか(笑))
造りものじゃないのかと、べたべたと花弁を触ったりにおいをかいだり。

よっぽどうれしかったのか、「仏壇に飾って毎日水を換えている」
と、その後何度か報告の電話がありました。

その後、1か月ほどたった後。
実家に帰ったとき、母は少し浮かない顔をしていました。

「あのレインボーの花はもうなくて…」

と言いずらそうにポツリと言いました。

「花は枯れるものだから、またみつけたら買ってくるよ」

「いや…実は、あれ、人にあげちゃって」

どうやら、母は近所の人にあげてしまったことを、申し訳なく思っていたそうです。

いつも朝、庭を掃除しているとき、挨拶をする近所のおばあさんがいるらしいのですが、(そのおばあさんは、実家の裏で美容院を営んでいる)
その時、「レインボーの花がある」という話をしたそうなんですね。

そうしたら「え!そんな花があるの!」と言うので
驚いたおばあさんのリアクションに気をよくして
「よかったらどうぞ」とあげてしまったとのこと。

そのあと、いろんな花屋をめぐって、隣の駅、その隣の駅の花屋も探したが、みつからない。
私が帰ってくるまでに同じものを用意しておきたかったと、しょんぼりしていました。
なんとまあ、日本昔話とか、グリム童話の登場人物のようだなあと笑ってしまいました。

「珍しいけど、都内に行ったらたまに見かけるし、また買ってくるよ。
レインボーの花もたくさんの人に見てもらった方が良いだろうから、
おばあさんの美容院に飾ったほうがお客さんも喜ぶと思うよ」

と言ったのですが、母にとっては
まるで「宝石くらい希少な花」という認識のようでした。

それからコロナなどで実家に戻れず
レインボーの花を持っていくこともできず、
母は倒れてしまい、会話もまともにできなくなってしまいました。

それでもあんなに喜んでくれて良かったな。と
今でも思い出し、ちょっと笑ってしまうお話です。

花をプレゼントなんて照れ臭い…なんて思う人もいるかもしれませんが
この花を見せてあげたい!なんていう花を見かけたら、
普段お世話になってる人へ、プレゼントにいかがでしょうか?
きっと喜んでくれますよ!😽

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