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Phillies マイナー選手まとめ AAA(投手)編

サムネイル画像はこちらからお借りしました。https://x.com/2008Philz/status/1817356145779974316


philliesのマイナーリーグに所属している選手についてまとめてみます。
今回はLehigh Valley IronPigs(AAA)投手編です。
各選手の所属階級はMiLB公式をもとにしています。
しかし、このやり方だと既に40人枠に入っている選手が漏れてしまうので
24年シーズンPhilliesで未登板、または現在(25/2/8)時点でacive rosterに入っていない選手はMiLBでの最終到達階級に振り分けています。




Nelson L. Alvarez  RHP 【6/11/1998】

24年8月にTBRから金銭トレードで獲得した回跨ぎをこなすリリーフ右腕。24年はAA26試合、AAA13試合に登板し、ERA3.48、FIP3.96の成績を残した。K%28.2と多くの三振を奪ったがBB%13.2と四球も多かった。武器は平均87mphのカッターで投球の約49%を占め、AAAでWhiff%36.5、HardHit%23.5を記録した。

Gabriel Barbosa  RHP 【1/22/2002】 

Rule 5 Draft Tripe-A Phase Round 5 で24年12月にNYYから移籍してきた若手右腕。24年はAで24登板20先発し、IP120.1でERA5.09、FIP3.95 xFIP3.36 を記録した。K%24.7、BB%7.3、GB%51.3と内容面で高い数字を記録した。投球割合はカーブの27.7%が最も多く、次にスライダー25.5%が続いた。弱点は球速で4シームの平均は90mph。


Augusto Calderon RHP 【10/06/2000】

Rule 5 Draft Tripe-A Phase Round 3 で24年12月STLから移籍してきたリリーフ右腕。24年はAで33登板でERA4.87、FIP4.23を記録。シンカー48.7%、スライダー41.7%とほぼ2球種で投球を組み立てた。平均95.7mphのシンカーを高めに、Whiff%35.3のスライダーを低めに集め、K%26を記録した。しかし、シンカーはHardHit%42.9%と捉えられた。


Nabil Crismatt    RHP   【12/25/1994】

12月にマイナー契約を結んだMLB通算114登板のベテラン右腕。21年、22年はSDPで2年合計95登板、ERA3.39、FIP3.76を記録したが23年は8登板でERA8.31、FIP6.26と大きく成績を落とした。しかし、24年はLADで5登板ではあるがERA2.57、xFIP2.75と復活の兆しを見せた。得意のチェンジアップを武器に完全復活を目指す。spring training 招待選手。


Jose Cuas        RHP    【6/28/1994】

MLB通算132登板のサイドスロー右腕。22年にMLBデビューを果たし、23年には72登板でERA3.99、FIP4.60の成績を残す。しかし、24年は13登板でERA7.71、FIP7.01と急降下。オフにはDFAで40人枠を外れ、AAAに降格した。成績悪化は被本塁打率の上昇にあり、22年からHR/9は0.48→1.10→2.20、FB%26.3%→32.6%→45.1%と悪化している。spring training の招待選手となっており、そこでのアピールを目指す。


Jonah Dipoto   RHP     【9/03/1996】

24年5月に金銭トレードでKCRから獲得したリリーフ右腕。SEAの野球部門球団社長のJerry Dipotoの息子として知られる。24年はAAA24試合に登板しERA4.38、FIP6.54、xFIP5.97だった。23年はAAA36試合でK%26を記録するも24年はK%18.1に悪化。BB%も11.7、さらに真ん中付近にも集まっており制球力に課題を残す。投球はHardHit%17%、xwOBA.234のスライダー43.9%、平均92.4mphのシンカー35.1%を軸に組み立てる。


引用 baseball savant より 24年 pitch Heatmap

Koyo Aoyagi   RHP  【12/11/1993】

phillies初の日本人投手。NPB通算9年でAS3回、B91回、最優秀防御率1回、最多勝2回、最多勝率2回と実績十分のサイドスロー右腕。しかし、23年からは成績が悪化。それでも夢のMLBを叶えるためマイナー契約でも渡米を選択。乗り越えなければならない壁は多いものの、サイドスローを武器にMLBのマウンドを目指しアピールする。spring training 招待選手。
(青柳選手に関しては自分よりも皆さんの方が詳しいので細かいことは書きませんでした。)


Tristan Garnett LHP        【3/29/1998】

高い奪三振能力を持つ198㎝、108㎏の大型リリーフ左腕。24年のほとんどをAAで過ごし、31登板でERA2.87、FIP3.56、K%30.1、BB%15.7を記録。長身を生かした上から投げ下ろすフォームで、4シームとスクリュー軌道のチェンジアップを軸に投球を組み立てる。spring training 招待選手。

Joel Kuhnel    RHP 【2/19/1995】

MLB通算82登板のリリーフ右腕。通算ERA5.86ではあるがFIP4.46、xFIP4.15とDIPS系の指標は良い。MLB上位10%に入るextensionと通算BB%5.9の制球が武器。24年はスライダー41%、4シーム28%、シンカー17%を軸に組み立てた。spring training 招待選手。

Griff McGarry   RHP  【6/08/1999】

24年シーズン後MLB Pipeline phillies 傘下20位にランクインしている速球派リリーフ右腕。24年はAAAで29試合に登板し、ERA4.70、FIP5.85を記録。投球の61%を占める最速99mphの4シームと33.6%を占めWhiff%36.1、HardHit%26.1のカッターでK%27.2と高い奪三振能力を誇るも、BB%24.5と制球力に大きな課題を残す。spring training 招待選手。


John McMillon    RHP     【1/27/1998】

24年11月MIAからwaiverで獲得したリリーフ右腕。その後rule5 Draft 対策の枠開けで40人枠を外れた。MLB通算14登板でERA1.69、FIP3.13、WHIP0.813、K%35.0、BB%8.3、を記録。24年はスライダー60.6%投じWhiff%44.8、HardHit%10.8、xwOBA.157を記録し109球でRun Value +5と圧倒。39%を占める4シームも平均95.3mphと上位に位置する。課題は24年AAA24登板でBB%17.9を記録した制球力。spring training 招待選手。

引用 basenall savant より


Enmanuel Mejia  RHP 【12/22/1998】

Rule 5 Draft Tripe-A Phase Round 2でTBRから移籍してきたリリーフ右腕。24年はAAAで42試合に登板し、ERA7.83、FIP6.55、xFIP5.09だった。課題は制球力でBB%14.0を記録した。平均95.5mphの4シーム43.9%、Whiff%35.4のスライダー34.5%、シンカー21.6%で投球を組み立てる。


Nicholas Padilla  RHP     【12/24/1996】

11月にマイナー契約を結んだMLB通算4登板のリリーフ右腕。22年、23年とMLBのマウンドに立つも24年は登板なし。CHWのAAAで25登板、ERA3.23、FIP4.94、xFIP4.22を記録し、K%29.4と高い奪三振能力を見せた。投球はスイーパー39.3%、シンカー27.0%、カッター23.8%を軸に組み立てた。xSLG.271、ISO.167と長打を防いだ。


Austin Schulfer    RHP  【12/22/1995】

12月にマイナー契約を結んだ多彩な球種を投げるリリーフ右腕。24年はMINとDETのAAAで合計36試合、IP54.2を投げ、ERA4.94、FIP4.68、xFIP4.39を記録した。スライダー、シンカーを中心にカッター、チェンジアップ、4シームの5球種でGB%49.7、FB%29.3%とゴロを打たせた。しかし、DETでの20登板では、HR\FB21.7となったため、ERA5.14、xFIP3.81と大きな乖離を生んだ。


Andrew Schultz RHP  【7/31/1997】

最速98mphを誇る速球派リリーフ右腕。24年はAAで40試合に登板しERA4.87、FIP3.82を記録した。投球はほぼ4シームとスライダーの2ピッチで、K%28.0としたがF-Strike%36.6、BB%13.4と制球力に課題を残す。


Nick Vespi          LHP        【10/10/1995】

MLB通算45登板の制球力の高いリリーフ左腕。24年はBALで11登板で、ERA2.92、xERA3.64、FIP3.49、xFIP3.91と結果を残した。武器はMLB通算でBB%5.9の制球力でF-Strike%も60.0と高い。カッターが投球の半分以上を占め、スライダーとカーブで多くのchaseを誘う。24年は4シーム、シンカーは投じなかった。spring training 招待選手。


引用 baseball savant Nick Vespi 2024 Percentile Ranking

Guillo Zuñiga RHP   【10/10/1998】

MLB通算17登板の平均96.7mphのリリーフ右腕。24年はLAAで15登板しERA5.09、xERA4.08、FIP7.02、xFIP7.02だった。シンカー35%、4シーム32%とスピードのある速球系のボールを多く投げ、そこにスライダー、チェンジアップを混ぜる。4シームとスライダーでRun Value +を出した。しかし、速球系の平均球速以外はどれもMLB下位に沈んだ。spring training 招待選手。


ここからは40人枠内の投手です。


Devin Sweet  RHP  【9/06/1996】

MLB通算7登板の両打のリリーフ右腕。11月にDETから獲得。23年にMLBデビューを果たし、7試合で、ERA10.38、xFIP7.38だった。24年はMLBでの登板はなく、DETのAAAで52登板、ERA3.91、xFIP3.98を記録した。24年はK%33.9、BB%11.6とBBを多く出しながらも多くの三振を奪った。武器は4シームのホップ成分で23年に重力の影響を0とした垂直方向の変化量19.3インチは24年のMLB11位に相当し、Justin Verlanderと同値。しかし、制球に苦しみRun Valueは-2。24年はAAAで高めに集めることに成功し、Whiff%42.4%を出した。23年の4シーム50%、チェンジアップ25%から24年は4シーム34.9%、チェンジアップ47.5%と投球割合が大きく変化。チェンジアップは低めに集めxwOBA.194と抑えた。


引用 baseball savant 23年 Devin Sweet Movement Profile 


引用 baseball savant 23年 Devin Sweet 4シーム Pitch Heatmap
引用 baseball savant Devin Sweet 24年 4シーム Pitch Heatmap

Alan Rangel        RHP   【8/21/1997】

24年7月にminor 契約を結んだ先発右腕。24年は4階級で18登板、13先発でIP57.1でERA3.77、FIP3.56、xFIP4.08。AAAではK%21.6%と平均クラスだが、BB%は4階級で6.2と高い制球力を誇る。AAAで投球割合は4シームが48.3%と約半分を占め、残りをチェンジアップ、スライダー、カーブをバランスよく投じた。4シームの平均球速は92.3mphと早くないが優れたextantionと上から投げ下ろすフォームからホップ成分の多い球を投げる。ホップ成分が高いため4階級でFB%48.6、加えて真ん中付近に集まっているため被SLGは高い。
(ホップ成分が多くなるとバッターの通常の感覚より軌道が上に来るため、バットがボールの下に入りやすくなり、空振りやフライが増えます。今永投手を思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません)


https://www.mlb.com/video/alan-rangel-s-12-strikeouts?partnerId=web_video-playback-page_video-share


Kyle Tyler    RHP  【12/27/1996】

8月にMIAからwaiverで獲得した先発右腕。24年はMLBで8登板、7先発でIP31.2、ERA5.40、xERA6.21、FIP5.03、xFIP4.72。投球の45%を占めるカッターと垂れ系の4シームでゴロの山を築く。23年、24年とminorと合計で2年連続でIP110以上投げている。弱点は球速で4シームの平均90.6mphはMLB下位8%。



Mick Abel   RHP    【8/18/2001】

20年ドラフト全体15位のプロスペクト先発右腕。24年シーズン前のプロスペクトランキングではMLB Pipeline全体49位に位置した有望株は、196cmの体格からmax99mphの4シームを投げ、高い奪三振能力をを持つ。23年まではBBこそ多いものも一定の成績を収めてきたが24年は不振にあえいだ。
23年は平均95.8mphだった4シームが24年は94.7mphに落ちた。

引用 fangraphs

投球は4シームが50.5%と半分を占め、変化球はスライダーが中心でxwOBA.222と抑え込んだ。投球が真ん中付近に集まっており、制球力が今後の鍵になる。

引用 baseball savant Mick Abel 24年 Pitch Heatmap


Seth Johnson           RHP      【9/19/1998】

24年のTDLでGregory Sotoとのトレードで獲得した先発右腕。19年Draft全体40位指名を受け、24シーズン後のMLB Pipelineプロスペクトランキングで傘下14位に位置する右腕は9月のMIA戦でメジャーデビューを果たすもIP2.1、BB3、H9、ER9に終わった。minorではAA20先発、AAA5先発でIP95.2、ERA2.73、FIP4.42、xFIP4.61と結果を残した。HardHit%22.2と打球管理に優れ、武器はAAAで平均球速94.2mph、重力の影響を0とした垂直方向の変化量では18.7を記録し、Blake Snellと同値でMLB20位に相当するホップ成分の多い4シームと、HardHit%13.3のスライダーを軸に投球を組み立てる。しかし、投球は真ん中付近に集まっており、minorでのBB%12.5と制球力に課題が残る。将来的にローテ3番手クラスになる可能性を秘めているが、またブルペン転向になる可能性もある。22年にトミー・ジョン手術を受けている。


引用 baseball savant Seth Johnson Movement Profile


引用 baseball savant 24年 Seth Johnson minor Pitch Heatmap



Max Lazar   RHP   【6/03/1999】

24年MLBデビューを果たし、11登板したリリーフ右腕。11登板でERA4.61、FIP4.19だった。K%は16.7と高くないもののBB%3.7と高い制球力を持つ。平均93.4mphのシュート成分の少ない4シームを61%投じ、変化球はカーブとカッターを中心に投じた。カッターは縦、横共にMLB平均を上回る変化量でRun Value+2。しかしカッターはwOBA.143、xwOBA.378と上振れたため25年再び+球種となるかは不透明。

引用 baseball savant Max Lazar Movement Prifile



Michael Mercado       RHP     【4/15/1999】

24年MLBデビューを果たした先発、リリーフ両方をこなす右腕。24年シーズン後のMLB Pipelineプロスペクトランキングで傘下18位に位置している右腕はAAAでは32登板10先発IP69.2、ERA2.07、FIP4.11だったもののMLBで5登板2先発でIP13,ERA11.08、xERA10.13、FIP12.94、xFIP7.19と結果を残せなかった。K-BB%はAAAでは10.1%だったがMLBでは1.6まで悪化。更に、FB%の増加により被本塁打率が増加した。4シームは最速98mph、平均95.4mphとスピードはMLB平均を上回っているもののRun Value-8と苦しんだ。そんな中で唯一Run Value +を記録したのはカーブだった。投球割合がAAAでの9.4%からMLBでは22.3%に増加。カーブの平均83.0mphは24年MLB50球以上投じた244投手中41位でPaul Skenesと並ぶ高速カーブ。水平方向の変化が小さい縦割れのカーブでLAは9°と全球種の中で最小であり唯一の一桁。またカッターはWhiff%30.0と今後+球種になる可能性を持っている。

引用 fangraphs
引用 fangraphs



Tyler Phillips          RHP     【10/27/1997】

24年MLBデビューを果たした先発右腕。3回目の先発となったCLE戦でH4、BB1、SO4の完封勝利を挙げるなどこの試合までは4登板3先発(すべて7月)でIP25.0、ERA1.80、FIP3.45、WHIP0.76と上々のデビューを果たすもその後急降下。終わってみれば計8登板7先発でERA6.87、FIP5.57に終わった。8月以降はK-BB、BABIP、HR/FBが悪化。実力以外の部分も関係していた。武器はWhiff%32.9%、xwOBA.308のスイーパーで29.2%投じた。しかし、制球がばらつきRun Value-6。31%と最も多く投じたシンカーはMLB平均よりも垂直方向の沈みが大きいことでボールの上を叩かせLA4°と角度はつけさせなかったが、HardHit%57.9と多くのHardHitを許した。18.7%と割合は多くなかったものの唯一のRun Value+だった4シームも沈みが大きく重力の影響0とした垂直方向の変化量はGB%61.6を誇るSTL Pallanteと同値。HardHit%も21.4と最も抑えられているため4シームを増やしてみても面白いかもしれない。

引用 fangraphs
引用 fangraphs



この下4つの画像は試合ごとの各球種のspin,平均球速、垂直方向の変化量、水平方向の変化量の変化のグラフ。そこまで大きな変化はなく。スイーパーが若干変化が小さくなった程度の変化であった。

引用 baseball savant
引用 baseball savant
引用 baseball savant
引用 baseball savant



ここからの下3つの画像は対右、対左の比較で対左の方が成績が良いことがわかる。完封したCLE戦はFly、Noel、Hedgesと右打者は3人(Ramirezは当日左打席)だったことも完封の要因になったと考えられる。
Noel    対右wRC⁺95、対左wRC⁺165,
Fly          対右wRC⁺94、対左wRC⁺179  7月wRC⁺58 シーズンwRC⁺129
Hedges  対右wRC⁺-3   
そして3人がこんな感じだったため完封できたっぽい。
(7月対右48打席、対左41打席 8月以降対右39、対左32打席だったことから月ごとに打者の左右の偏りがあったとかではなかった。)

引用 fangraphs
引用 fangraphs
引用 fangraphs



こんな感じで全25投手について簡単にまとめてみました。初めてのnoteということで至らぬ点多々あったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました。今後は、AAAの野手編やAAなども書いていきたいと思っていますのでよろしければまた読んでいただけると嬉しいです。
改善点や読んだ感想、気になった選手などありましたらどんどん言っていただけるとありがたいです。


参考資料

https://proeyekyuu.com/ja/home-jp/


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