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何とかしてあげたい・・・。

偏見かもしれませんが、私は夜九時を過ぎても公園でフラフラとしている中高生のほとんどはロクな者ではないと思っています。
事件が起こってそのような方々が被害に遭ったときには、勿論加害者が一番悪いのですが場合によっては被害者の方にも問題が無かったのかと思ってしまいます。
夜な夜なの無意味な外出は控えた方が良いのです。
塾や習い事の帰りであれば仕方が無いとおもいますが、それでも真っ直ぐに寄り道をせずに帰るべきです。

公園に隣接するグランドのそばに野球用具を収納してある箇所がありまして。
フェンスに扉は付いていますが、それ程の高さは無くその気になれば容易に乗り越えられるくらいです。
夜の公園を散歩しようと公園を訪れると、そのフェンスの内側から棒のような物を持った人影が乗り越えて出てきました。
泥棒?
そう思ってよく見るとジャージを着た少年でした。
そして、その少年が棒を持って駆け寄った先にはもう一人のジャージを着た少年が居て、二人で奥の方へ駆けていきました。
棒は竹ぼうきでした。
竹ぼうきなんか盗んで何するんだ?
面倒な事に関わりたくないので放っておくことにしました。
私は予定通り散歩をしていると、公園の側を流れる川を眺める先程の二人の少年が居ました。
安全の為に柵が取り付けてあるのですが一人がそれを乗り越えて、もう一人が竹ぼうきをわたしました。
何をしてるんだ?危ないなぁ~。
私は鉄棒でストレッチをしながらその様子をじっと眺めていました。
暫くすると柵を乗り越えた少年は戻ってきました。
仕方なく私は声を掛けました。
「何をしているの?何か事情があるの?場合によっては警察に通報するよ」
少年達のジャージの胸には名前(名字)が刺繍してありました。
顔立ちからして中学生かな?と思いました。
少年達は少しオドオドしながら
「実はサッカーボールが川に落ちてしまって・・・。親に買って貰ったばかりなので何とか取りたいんです。」
川を覗いてみると確かに暗闇の川に浮かぶサッカーボールが見えました。
理由とゆっくりと流されていくボールを見て、私はどうにかしてあげたいと思いました。
「流石にこの暗さで川に降りるのは危ない。警察に電話をして事情を話して、監督の下で取らせて貰おう。」
と提案しました。
「分かりました。お願いします。」
と少年達が言ったので。
「じゃ、今から電話するから、竹ほうきは元に戻してきなさい。そんなのを持っていたら具合が悪い。」
と言って戻させてから警察に電話しました。
「もしもし、今○○公園から電話していますが、川に落ちたボールを拾おうとしている中学生が居りまして、何とかしてあげたいのですが危ないのでご協力願えないでしょうか?」
詳しい場所と私の名前を伝えたところ
「わかりました。近くの警察官を向かわせます。」
と返事をいただき電話を切りました。
少年達に「来てくれるから。何とかしてくれるよ。」
と伝えて散歩を続けました。
暫くすると、少年達の所に一人の警官が居ました。
私は駆け寄って
「電話したのは私です。川に落ちたサッカーボールを何とか取らせてあげたいんです。」
と言うと、まさに事なかれ主義の公務員らしい答えが返ってきました。
「私は許可できません。何かが起こったときに責任が取れませんから」
私は何かが起こったときに適切な対応をして貰うために呼んだのに・・・と思って
「あのボールが例えば人であっても、あなたはそのように言うのですか?」
「何かが起こってはいけないので、助けに行ってはいけないと。」
と言うと
「あれが人の場合はレスキュー隊を呼びます。ボールは諦めてください。」
なるほどの答えだ。救出の専門チームを呼ぶということだ。
結局、少年達にはボールを諦めて貰うしかなかった。
私は少年達に申し訳ない気持ちで一杯になったが、帰り際の彼らから
「ありがとうございました。」
と声をかけられた。
「結局、ボール取らせてあげられなくてごめんな。でも、あのまま二人で続けるのは危なくて見てられなかったから」
と伝えると「はい。そう思います。」といって再び会釈をして帰って行った。
結果、警察に連絡したのは正しい判断だったのだろうか?
何とかしてあげたかったなぁ。
改めて、警察って融通の利かない公務員なのだと思い知らされました。
縦割り組織で規則に縛られて、昇進のための事なかれ主義。
いや、これは警察官への愚痴ではなく組織の仕組みに対しての愚痴ですよ。

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たけもん
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