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〈第19歩〉濵田英明「時間の面影-Resemblance of time-」を通して《2》

こんばんは。精神科医と写真家の二足歩行、今日で19歩目の『BURARI|ぶらり』です。いかがお過ごしでしょうか。沖縄旅行で発送していた“みなと食堂”のそばが届きました。写真は撮り忘れました。


今日のぽつり

OPTATUM(ペーパーインセンス)のamber brownの香り、すごく好きです。以前、BARに立ち寄った時、匂いフェチだという女性がいました。今は新卒で沖縄就職されているとかで、時期の遅い帰省のタイミングだったようです。自分も匂いフェチと言うときもありますが、この表現が正しいかは要検討が必要だとふと思いました。

濵田英明「時間の面影-Resemblance of time-」を通して

②「Resemblance of time」

来年には各地(未定)を巡回予定だということで、はじめましての回廊になる方にネタバレとなってしまっては、と気をつけて話そうと思います。
※以下は一歩前のお話です。

ただ、濵田さんが設定した概念やテーマは公に明示されているため、まずは触れておきましょう。

写真 ー 見る人に「時間」が委ねられる。時間は伸び縮みする。
動画 ー 作る人が「時間」を切り貼りする。時間は制御される。
時間 ー ある流れの何かと何かの「間(あわい)」にあるもの。そのすべての移ろい。
空間 ー ある場所の「空(くう)」にあるもの。そのあらゆる広がり。

ここでは、写真と動画における「時間」の扱われ方。さらに「時間」の定義。そして、別の概念としての「空間」を抱き合わせたというところでしょうか。(この部分に語られるその意味についてはどこかで触れられるか。もしかしたら触れ忘れるかもしれない。)

この解釈は、撮影という行為によって、すべてのものごとは常に変化しその都度失われる、という道理をより実感することで導かれたものです。例えば、一瞬の出来事を永遠のように感じたり、長い記憶を一瞬のように感じられることはありませんか。そして、何もなにところにこそ確かな存在を見出すことも。あるようでないは、ないようである、というような。では、時間は存在しない、とするならば?本展はそのような思考についての実験であり、時間と空間の感覚への問いを考えていく試みでもあります。

THE BOOK ENDの入口付近に配置されている様々な写真家の写真集が置かれたエリアを囲むように濵田さんの展示がなされていました。そこは確かに思考実験を思わせるような空間が広がっていたことは間違いありません。新感覚であることも約束できます。

そうだよね、不思議な感覚だよね。

おそらく入る時間帯が早過ぎて、ちょっと展示室内がひしめきあっていました。少し遅らせて入るのも一興かもしれません。僕としては、当然展示を楽しませていただいたと同時に、展示を順々に見るためになす列にやや居心地の悪さを感じました。それもこれも思考実験の一部だったのか。

皮肉が効いていたとするならば、展示されているものをほとんどの人がマイ・カメラやスマートフォンで撮影し写真におさめていたこと。出展側が「こんな展示をします。」という宣伝用のために写真を撮ることは多少なりとも意味はあると思いましたが、テーマや出展技法のことを考えると「僕らの答えは“それ”でいいのか」と思えてきます。

考えすぎですね。写真におさめることも大事だと思いますし、全体の雰囲気が素敵すぎて撮りたくなる気持ちは分かります。もちろん回廊されておられない方にはイメージが湧きにくいでしょうから、ぜひ足を運んでいただけると良いかと思います。

素敵な展示であることに間違いはなく、濵田さんそのものが好きなのだと思わせていただきました。ただ、今回は思考実験の意味合いが前面に表れていた印象にあるので、「この展示、素敵だなあ」に留まることを求められていないと感じた次第です。素敵であったことを前提に、今回の展示について最後の考察に至るまで少しお時間を頂戴しようと思います。

明日は回廊後に視聴させていただいた「Time Ambient Theater by Hideaki Hamada」について少し触れてみましょうか。しかし、おおよそネタバレ?の要素も強い気はするので、考察の一部を最後に添えられたら、ちょっと面白いかな。

親切の後のお見送り。すごく素敵な駅員さん。

では、また。

Profile
BURARI|ぶらり(28)

1995年生まれ。香川県在住。

精神科医と写真家の二足歩行タイプの生き物。そのくせおしゃべりが好きで、ゆえにnoteを始めてしまう。近日中には音声配信まで開始となる可能性も秘めているとのこと。

医業や写真、カメラのこと、あるいは日常のことを気ままに落とし込んでいくスタイルで、他人の頭の中を読み漁ってみたい方にはうってつけの場所作りを心がけている。さらにnoteやInstagramをフォローいただけるといち早く読み漁ることができる、らしい。


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