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<無為フェス -Vol.2->#9 劇団ほぼ無職『はたらきたくない展vol.2〜月曜日がいちばん、働きたくない〜』

11月27日(月)9時 - 16時

【若松朋茂のレポート】
今回私共劇団ほぼ無職は「働きたくない展vol.2"フーリウム"〜月曜日が一番働きたくない〜」と銘打った発表をしました。

当劇団は「無職等の、肩書を持たない人間が自己紹介の際にとりあえず『劇団員』と名乗れるようにするための劇団」として、実と虚の間でギリギリの活動を続けてきました。

今回の作品は、劇団員だかなんだかわからない、おそらく素人に分類されるであろう人間を会場内に展示物として配置し、訪問客の要望に応じて随時演劇のようなものを披露するという内容を目指しました。

その「演劇のようなもの」の内訳として即興劇と自作の紙芝居を用意し、さらに団員によるフリーマーケットとカレー王(下北沢カレーフェスティバルで最も多くのカレーを自腹で食べる人)を交えたトークライブも開催しました。

即興劇と紙芝居には、何故か参加してくれたちゃんとした本格的な音楽ができる人による楽器演奏も加わりました。
特に紙芝居は内容も読み手もおおむね好評で、客入りも少なかったため、数少ないお客さんには用意した6作品もれなく披露することが出来て良かったです。

逆に即興劇に関してはお客さんもリクエストしにくかったのか、あまり回数が出来なかったのが残念です。
今考えればもっと集客の工夫をするべきだったと思います。

総合的な所感としては、良くも悪くもタイトル通りに、働きたくないという意思を体現するような内容にはなったなと思います。

【いわいゆうきのレポート】
「働きたくない、働きたくない、月曜日が1番、働きたくないよぉ!!」
という僕の叫びが、会場に響き、僕は内心、月曜日の午後3時過ぎに、いったい何を言ってるんだ?これ、マイクを使って他人の前で言う必要あることか?僕もう42歳やで?と思っていた。

劇団ほぼ無職の第16回公演「はたらきたくない展VOL.2〜月曜日がいちばん働きたくない〜」として、今回無為フェスに参加させていただき、僕自身も、月曜日に会社を休んで、生産性や有益性の対局にあるような無駄で無為な時間を堪能させていただいた。贅沢すぎる時間だった。
劇団本公演をするのも2019年以来4年ぶりで、成長した劇団員や成長していない劇団員、シワが増えたり髪が薄くなった劇団員。仲間たちとの再会と交流。練習には来ても来なくてもいいけど公演本番だけはちゃんと来てね。代役を当日探すの大変だから、ということだけが劇団ほぼ無職の唯一のルールなので、生きてまた皆に会えたから、これ以上求めるものは劇団の代表としては何もない。感無量だった。
当日やったことは、良く言えばデザインフェスタみたいなもので、展示と発表とワークショップに分類される。紙芝居、即興劇、フリマ、モールス信号のワークショップ、ピアノとサックスの即興セッション、56歳のおじさんが歌うサイレントマジョリティ、下北沢カレー王のトークライブ、当日ふらっと現れた劇団員によるピアノ演奏と紙芝居ジャック、紙芝居の内容に障がい者を差別する台詞があった為それを指摘してセリフの変更を要求する来場者と劇団員のやりとり、わざわざ関西から来場し会場の床で横たわり昼寝を始める出演者の父。はたらきたくなさそうな人の写真や世界最速夏至カレー2024告知ポスター展示。京都在住の劇団員がオンラインで即興劇に参加、公演前日にカラオケボックスで見たミュージックビデオの映像の記憶を一生懸命再現しようとして生まれたコンテンポラリーチックなダンス、などなど。
仕事を休んで来てくれたお客さんや見物人もおり、演目はもちろん、その場にいる人全てが、はたらきたくない展の展示作品のようだった。

公演後、緑とワインを愛してやまない知人からとても嬉しいメールが届いた。一部を紹介させていただき、このレポートの〆としたい。

(以下、転記)

劇団公演や「はたらきたくない展」に、けっこう、心を動かされている自分がいます。「月曜日は特に働きたくない」は、労働を商品として切り売りしているすべての人にとって、切実な叫びだと思います。そればかりか、社会貢献のような、賃労働ではないことを主にして社会に抗ってみても、「はたらきたくない」は、しばしば頭をもたげます。もっとも、普通はそんなことは口にしない。が、普通はしないことを敢えてするのが芸術というものであり、いわいさんたちが行っていることは芸術そのものです。「そんなこと、あんたに言われるまでもない」とお思いかもしれませんが、私がいわいさんを「ほぼ立派」だと思っていることをお伝えしたくて書きました。
(以上、転記)

★追伸★
公演の打ち上げ代4,000円を稼ぎたいからと私物を持ち込んで会場内でフリマをしていた劇団員ジェシー・テウさんはフリマで8,000円の売上を得たとのことだった。たくましくて良き。

文責 劇団ほぼ無職 代表 いわいゆうき


BUoYスタッフより

無為フェスについてはこちらの記事をご覧ください。


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