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<無為フェス -Vol.2->#2 高橋利明『「おもしろいパーティ」レポート』

2023年11月21日(火)14時- 20時

「乱行パーティに行くと、部屋の真ん中に寿司が置いてあるんだよ」これはコロナ禍で仲良くなった友だちが教えてくれた情報。それはともかく、11/14から12/4まで北千住BUoYを貸し出しているって聞いて、自分は「パーティーがやりたい」って思った。乱行パーティーじゃなくてもいいから、「なんかおもしろいパーティーがやりたいね」って思った。 自分は「北千住BUoY」の、あの空間が好きだ。あそこで自分の好きな音楽を流せたら最高だろうな〜、と思った。最高のパーティーになるでしょう!と。

友達も誘うけど、どうせ来ないでしょう、と思った。これは、つよがりではありません。わかりきっていた事です。(そして、その予想は的中した…) あとはパーティー会場の真ん中には寿司を置こう、と決めた。そうすると、もしかしたら乱行パーティーがはじまるかもしれない。(この予想は当然はずれた…)

パーティーの当日。私は5人前のお寿司を買って会場の真ん中に置いた。「そうそうこの感じこの感じ」、お寿司ってすごい「寿」を「司る」と書いて寿司。とても、めでたい感じの象徴の漢字を司る食べ物。これが寿司である。THE・寿・司!(ドン)


ポツンと置いてみると、どうも佇まいに寂寥感が在る。フフフ、そんな寿司もかわいいよ…。そして、私は「そうですそうです、この感じがやりたかったんです」とひとりごちた。これはつよがりじゃないですよ。後から気づいた事だけど、そういえばお寿司ってお通夜の時にも食べるんだよなー。とか、そんな事も考えたりしながらね。

「それにしても、本当に誰も来ないなー…」と思っていたらBUoYからインターンのドイツの子がやって来た!誰もこなかったら、誰もこなかったで、「それはそれで面白いな」と思っていた私だが、誰か来てくれたら誰か来てくれたで嬉しい私だ。人間ってそんなものね。単純。人が来たからには、自分はいかにも「おもしろいパーティーの主催者ですよー」って雰囲気をかもしだす…つもりだったんですが、本当は、ちょっと気まずくなって、黙々とDJ 作業をしているフリをしてしました…。(そういうタイプの「おもしろいパーティー」の主催者もいるしね…。これは、つよがり)

そうしていると、インターンの子がやってきて「カラオケは出来ないですか」と話しかけてくれた!「ドイツでは、パーティーでカラオケをやる事があります。日本ではそういう習慣はないですか?」 全く不意打ちだった。 「日本人はカラオケがしたくなったら、カラオケが出来る場所に行く事が多いかも知れませんねー」と、なんとも沸きらない言葉でもにょもにょ。

そして、カラオケがひらかれた。

Photo by Miki

みんなで歌えそうな曲、みんなが知っていそうな曲を探りあいながら、時に無視しながら歌うカラオケだった。最終的にパーティーの参加者は4人に増えていた。 そういえば、新型コロナウィルスの到来以前(つまり、2020まで)私は「週に一度は1人カラオケに行く」という生活を15年ほど続けていた。あの頃は、カラオケで「歌うまーい」とか言われたかったんでしょうね、きっと。それが新型コロナの到来とともにパタンと行かなくなった。 緊急事態宣言を経て、私の「歌」に関する価値判断はすっかり変わっていた。

「別に歌いあげる必要なくね」って。楽しく歌う事が出来れば、それでいいんだよなって。それでもやっぱりカラオケは大好きなわけです。歌い上げたいんです。

スンマヘン、話が脱線したので元に戻します。 自分は「おもしろいパーティー」というイベントを開催しておいて、自分のパーティー観は(酒の席の延長みたいな)「立食パーティー」しか想定していなかった事に気がついた。

やってみて、自分はなんだろう。月並だけど「パーティーってもっと自由でいいんじゃね?!」みたいな事を思った。

そして、 私たちの目下の使命として「呑み食いするのがパーティー」みたいな、ありふれた判断から脱する必要があるな…と感じた。パーリー観のアップデート。これね。パーリー文化が根付いていない国、日本。だからこそやる価値はあるよ。(坂口恭平文体)

だって、立食パーティーは退屈だけど、参加者が「カラオケしたい!」って言ってくれて、突然カラオケがはじまるパーティーの方が絶対楽しいもん。俺たちのパーティー必要なのは、寿司とか乱行とかじゃねえ、カラオケだったんじゃ!

とまあ、思わぬ方向に話が転んでいきましたが、(唐突な坂口恭平でしたが)私たちは最高の空間、最高の音響で、カラオケびらきをしました。貴重な機会を与えてくれた無為フェスに感謝。いや〜、ひらいてみないと何が起こるかわからないし、予測不可能な所に着地するから楽しいんだよな。そして空間は相変わらず、すてきでした。

以上をもって、レポートを締めさせていただきます。 最後に、「おもしろいパーティー」に参加してくれた皆さま、丁寧なサポートをしてくれたスタッフの増井さん。主催者の、無為フェス・北千住BUoY様に感謝の電波短歌を送らせていただきます。

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BUoYスタッフより

無為フェスについてはこちらの記事をご覧ください。

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