見出し画像

なぜイタリアでPh.D.?

博士進学を決めた理由について、前回の記事で抽象的な内容を書きました。今回の記事では、イタリアを進学先に選んだ理由について、魅力と想定している困難を書きました。

(前回の記事)


イタリアPh.D.の魅力

1.生活費

イタリアはヨーロッパの中でも物価の安い国であり、日本の財団から日本円で奨学金を受給する場合、比較的生活にゆとりのある暮らしが出来ます。
海外でのPh.D.は、研究以外でも大変な時間が多いと思い、たまには外食や旅行をしてリフレッシュ出来る金銭的な余裕を求めました^^;

2.学費

イタリアPh.D.の学費は、ほぼ無料です。
毎年住民税のようなものを170€(約7万円)ほど支払うだけです。大学の奨学金付きポストに採用された場合、この税金も免除されます。

3.研究環境

進学予定のミラノ工科大学には、筆者の専門である構造工学、耐震工学関連の研究室が10以上あります。ミラノ工科大学がヨーロッパの理系トップレベルである事に加えて、イタリアが、日本と同様に海に囲まれて構造物の劣化しやすい環境、かつ欧州で最も地震の多い国である事に起因しているのかもしれません。必然的に近い分野で研究している博士学生も多いので沢山交流出来たらと思います。

4.ご飯

イタリアといえば、なんといっても食事。
研究が辛くなったり、日本の家族や友達を思い出して寂しい時に、いつでも自分の心を癒してくれるのは美味しいご飯だと信じています。

豆知識ですが、イタリア発祥のティラミスをイタリア語で書くと「Tirami su =私を上に連れてって」となります。意訳すると「私を幸せにして」ってニュアンスになるようです。(その命名センスがまた良い。)

↑手作りティラミス。見た目は映えないが美味しかった。

5.イタリア人

少なくとも筆者が出会ってきたイタリア人は素敵な人達ばかりでした。
ジェスチャーを使うなど感情表現が大袈裟で、一緒に話していてとても明るい気持ちになります^^
元々、大雑把な性格という印象を抱いていましたが、修士で交換留学中に、イタリア人とのシェアハウスを経験して、実は協調性の高い人が多い事に気付きました。(家事の分担に協力的など)

交換留学中に、イタリア人と一緒にいる時間が心地良かったのも、留学先を決める理由の一つでした。

6.街並み

言わずもがなですが、イタリアの街並みはとても美しく、生活していて胸躍るものあります。(駅の近くの道脇に人のF**kが落ちていたのは、些細な事です)特にミラノでは、かの有名なドゥオーモやガレリア、そして街中を走るレトロなトラムが西欧の雰囲気を際立たせています。

ミラノの街中にある美しい彫刻

想定している困難

前回の記事でも述べましたが、ある程度の困難も想定して、Ph.D.進学を決めました。

1.責任感

Ph.D.進学までに色んな人に助けてもらって、また日本の学生から選抜されて奨学金を頂ける立場なので、責任感を持ってこれらの恩恵に見合う活躍を博士課程在籍中に、それ以上の社会貢献を博士取得後にします。

2.研究成果

修士2年半の間にあまり研究成果を出せなかったので、博士の3年半の間に国際ジャーナルに2本投稿出来るような成果を出せるのか正直不安はあります。不安を乗り越えて、更なる自信の糧にしたいです。

3.自己管理能力

Ph.D.の研究では、論文や学会以外の公な締め切りが少ないので、文献調査や解析作業など時間制限のない作業に対して、自分で細かく計画を作成する必要があると思っています。研究目標を明確にしつつ、必要な作業を細分化するなどの工夫をして、計画的に研究をこなすスタイルを確立したいです。

4.コミュニケーション

辛い時や寂しい時に自分で抱え込んでしまいがちなので、周りに壁を作っていると気付いたらすぐに取り除けるように注意したいです。研究でも、自分で解決が難しい問題に素早く見切りをつけて、指導教員やPh.D.の仲間に相談出来るようになろうと思います。自分の研究が上手くいっていると感じる時も、周りと定期的に研究構想・進捗を共有して、視野が狭くならないように気をつけたいです。

最後に

色々な人のサポートがあって実現したPh.D.への進学なので、自分の成長のためでなく社会のためを第一に留学にすると決意しました。何卒応援よろしくお願いいたします。目の前の事を一つずつ頑張り、己の成長も自ずと付いてくる留学にしてみせます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?