革靴に求める機能から逆算して素材・製法を(好き勝手に)考える
ちょっと考えてみました。
必要な機能
・雨の日も気にせず履ける
・十分な吸湿性(1日履いても快適に過ごせる)
・長距離も歩きやすい(1日一万歩目安)
着用シーン
・主にビジネス(スーツスタイル)
希望耐用年数
・週に一度の着用で、10年。
条件を満たす素材
・雨の日も気にせず履ける
→ゴムソール、
またはレザーソールにハーフラバー着用
・十分な吸湿性(1日履いても快適に過ごせる)
→4mm以上の中底。革ライニング。
※本底の素材は吸湿性に無関係と考えています
・長距離も歩きやすい(1日一万歩目安)
→自分に合った木型であれば素材は不問と思われる
・週に一度の着用で、10年持つ。
→ハーフラバーが摩耗したらラバーだけ交換する。
なのでオールソールは考慮しない。
条件を満たす製法
・オールソールを想定しないため、ウェルテッド製法の必要は無い。
※ハンドソーンウェルテッド製法、グッドイヤーウェルテッド製法etc
・バンパー機能も必要ない(革靴は多少傷つくことを許容)のでウェルテッド製法の必要は無い
・消去法により下記の製法が候補に残る。
マッケイ製法
セメント製法(+木釘)
どっちにする?
どっちでもいいですね!好きなほうで。
・マッケイ(手縫い)
→縫い方が多少トリッキーなので楽しい!慣れるまで大変かも。
・セメント製法(+木釘)
→構造も製法もシンプルで作りやすいのでおすすめ(木釘ファンですテヘ)
なにが言いたいか
・ハンドソーンウェルテッド製法が「最上級の製法」ということはありません。
・セメント製法が「ヤスモノ製法」ということはありません。
自分の求める機能だけを盛り込めば、オーバースペックな素材や工程は省くことが出来ると考えています。
「絶対にレザーソールが良い。ハーフラバーは嫌だ」という方も沢山いらっしゃると思います。
その場合、オールソール前提なのでウェルテッドシューズが必須でしょうか?
私はそう思いません。
底付けの段階で、レザーソールの上にMAX2mm程度のハーフレザーを貼ってはいかがでしょうか(追いソールと勝手に呼んでます)。
歩き心地はレザーソール。摩耗したらハーフレザーだけ交換する。
底付け時点で貼るので、積み上げ・トップリフトとの傾斜も計算できます。
それぞれの好みですね。
おまけ
加えて、「不要な機能(超個人的)」を考えてみます
・鏡面磨きはしない
→トウに芯材は不要
・有事に足を守る機能性を強くは求めない。型くずれ防止はシューキーパー。
→やっぱり、トウに芯材は不要
ということで必要なものを必要なだけ盛り込んだ革靴の製法を考えてみました。
そんな細けぇことはいいんだよ、と思われるかもしれません。
いいんです。
革靴の作り方を考えるのが楽しいから。
20190504 追記
カウンターが持つ機能について
ZinRyuさんの質問箱
→なるほど!と思いました。
20190608 追記
木型にカウンタークセ付けしながら中底との連携部分や役割を吟味し、やはりカウンター(かかとの芯材)は必要だと結論づけましたので修正。
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