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刀のこと 薬師寺 噂の刀展Ⅴ

先日、薬師寺にて開催されている、「見どころ学べる! 目で観る刀の教科書展 ー噂の刀展Ⅴー」へ行ってきました。

7月の平日、朝9時半に西ノ京駅に着いて、
薬師寺までは徒歩5分もないくらい。

薬師寺は境内が広くて、
空と塔の景色がいいよなあ、
と思いつつ、会場へ。

びっくりです。
平日の朝、9時半過ぎなのに
会場前には列が…。
当日券購入した後、大体30分くらい並んで入場しました。

建物の中はクーラーめっちゃきいてて、涼しかった~。
文化財保護の観点でもあるのかな?
よく知らんけど。(素人)

入口あたりは刀文の説明と、
それぞれの刀文の刀が展示されていました。

次は沸と匂、鍛えの説明。
綾杉肌の鍛え、初めて見たなあ。
すごくきれいでした。

江戸時代後期の、
菊や富士山を模した刀文も見れて、
この時代には刀文をここまで操れるようになっているのかと
びっくりしました。

国宝とか重要文化財ばかりに目がいきがちだけれど、
こういう刀剣鑑賞も楽しいな、と。

その後は、今回見たかった安綱の刀や、
大和五派の刀とか。
大和五派、一度に見て比較できるなんて
なんと眼福であることか…。

あんまり、見ない気がするんです、大和五派。
全部並ぶとか、本当にすごい。
直刃のイメージ強かったんだけれど、
そうでもないんだな、と実感。

本当に、昔の鑑定する人すごいよね。
当たり前だけど、作者によって個性はあって、
でもその人たちが作るものは絶えず変化していくのに、
それぞれの刀の作者が誰かを鑑定していくなんて
どうやっていいのか、見当もつかない。

鑑定でいえば、
一番最後のほうに乱藤四郎の本物と偽物が並べられていました。
いやもう、一見しただけじゃわかんないよ。
本物と偽物は刀文が結構違う見た目で、
偽物のほうが刀文が乱れている感じに見えた。

だから、享保名物帳とかと照らし合わせれば違いが判るのかな?と思ったり。
あとは刀の照り?とか…。

でも、並べて比較できるから、違いを判別しようとするだけで、この偽物だけを「本物の乱藤四郎です」と出されたら、わかんないだろうなあ…。


会場には、他にも東郷平八郎や山本五十六が持っていた刀もあって、明治期以降の刀がどう扱われていたのかも理解できて、楽しかった。

あと、加州清光(しかも非人清光!)や2代目兼定の刀も展示されていたし、本当に見ごたえある展示でした。

薬師寺食堂の天井も、しずくの形みたいな装飾になっていて、すごく厳かな気持ちで刀を見ることができました。


もちろんね、大倶利伽羅を見に行ったのは言わずもがな。

鑑賞自体は大体2時間ほど。
大変濃密な2時間でした。


最後は唐招提寺に寄ってきました。
この前読んだ「天平の甍」を思い出しながら。

艱難辛苦を乗り越えた鑑真の立てたお寺。
1000年を超えて、ここにあり続けていることに畏敬の念を感じながら、帰路についたのでした。

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