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【今日コレ受けvol.056】普通を全力で

朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。


食パンを見て号泣したことがある。

1月、震度7,家の倒壊で閉じ込められる方々…。
あまりにも似ていてここ2日、どうしても脳内に29年前が蘇っていた。
阪神・淡路大震災の記憶が。

繰り返す余震、真っ暗でぐちゃぐちゃの家、周辺のガス臭さ、ブルブル震える猫、身体の熱を奪われる寒さ。

今は、自分が被災したわけじゃないのに辛くなるってどうなんだ。しっかりしろ。

ずっと、頭のなかでそんなせめぎ合いをしている。


でも。
だからこそ、たぶん人より具体的に想像できる。今何が起きているのか。
これからどんなタイミングで、どんな支援が必要になるのか。

適宜、そこに募金しよう。
信頼できる機関から募集があれば、物資も送ろう。離れていてもできることはある。

そう自分に言い聞かせている。


阪神・淡路大震災の2週間後、地元の駅は倒壊したが、原付バイクで離れた駅までいき、なんとか京都の大学に行った。

そこへ向かう途中のスーパーで、食パンが並んでいるのを見て、知らず涙が出た。それまで、食料が手に入らない「被災地」にいたから。

友達とのおしゃべりも、退屈な講義も、食堂も。

ここには、「普通の暮らし」があるんだ。
そう心底ホッとした。
世界が終わったワケじゃない。またやり直せるのだと。

感じたのだと思う。
希望を。


逆の立場になった今は、やはり、だからこそ。
被災地に頭を、心を傾けながら。細々とでも支援をしながら。

「普通の暮らし」を続けたい。

眼の前の仕事を、生活を。
やるべきことを、全力で。

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