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【今日コレ受けvol.017】最強の孫

毎朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書く「遊び」を集めたマガジン【今日コレ受け】に参加しています。


この人変わってるな、なんか極端だな。

そう思うと、相手に俄然興味が湧いてくる。いつのまにか好きになる。
恋愛的な意味だけではなく、男女問わず、だ。

「この人は、私の知らない何かを知っている(持っている)に違いない」
と、好奇心が刺激されるのかもしれない。

そう考えると、好き、とはなんだろうか。
「人間は生存戦略のために、無意識に自分のDNAとなるべく遠いパートナーを探す習性がある」と聞いたことがある。匂いで嗅ぎ分けるのだそうだ。

なるほど。遠いDNA同士が混ざることで、子孫の病気などへの耐性が強くなるというのは、理に叶っている気がする。


では、「好き=自分とは全く違う人」だろうか?

たしかに、生涯を共にするパートナーを探すなら、そのほうがいいかもしれない。

何かショッキングな出来事が起きて、一人が落ちこんだとしても、もう一人が元気で対策を考えられる。一人が激怒しても、もう一人が「まあまあ」となだめられる。掃除が得意な人と、料理が得意な人の組み合わせ、とか。

でも一方で、「同じことができない」または、「同じことが得意」という共感でつながっているパートナーだってゴマンといる。
共通の趣味が持てる、というのも、円満の秘訣な気がする。

やっぱり、好き、にルールや法則はないのかもしれない。


そうそう、DNAについて聞いた話がもうひとつ。
子供が生まれるとき、そのときのパートナーだけでなく、「これまで関係を持った男性すべての遺伝子を引き継ぐ」ということが、科学的に分かっているそうだ。

それならばもしや、より多くの人と付き合ったほうが、さまざまなDNAが引き継がれ、最強になる…のか?


かなりの恋愛体質を経て結婚した友達の、二人の娘さんを思い出した。

たしかに二人とも、強くたくましい。
息子よりだいぶ年下なのだが、いつも二人にオモチャにされて、帰ったらぐったりしている。

もしかしたら、そのどちらかと結婚したら、最強の孫が生まれる…のかも?


いやいや、別に孫は強くなくてもいい。

そもそも、なんの話をしていたんだっけ。
好き、も結婚も、考えるほど袋小路に迷い込む。

息子が将来どんな人を選ぶのかさっぱり分からないが、もしも孫が生まれたら、見た瞬間から「一番好き」になることはもう分かりきっている。
アイスクリームくらい、ベロンベロンになめて可愛がることだろう。

そういう意味では、どんな孫だってきっと最強だ。やっぱり、理屈ではないのかもしれない。


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