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【今日コレ受けvol.020】本気の県民愛

朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。


「埼玉県民が麻袋をかぶり、公開日に映画館に詰めかけた」というニュースが面白すぎて、衝動的に『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』を見に行った。

埼玉県民の全国制覇の野望を主軸に、県と県、そして、そこに住む人々の戦いと助け合いを描くストーリー。前作に続いて、名所やタワーがある県とそうでない県、有名人を排出している県とそうでない県。それぞれの嫉妬や差別をユーモアに変えて、けれどクソ真面目に物語は進む。

今回は住んでいる関西が舞台だったので、より身近な「県いじり」に笑いっぱなしだった。

でも、あんなに手厳しくいじっているのに愛が感じられて、登場する県に行ってみたくなるのはなぜだろう、と、ふと。


それはきっと、「いじられている対象を本気で愛している」県民の姿がセットで描かれているからではないか。終盤、滋賀のシンボルを、県民たちが大切そうに拾い上げるシーンにぐっときた。

加えて、いじった県へのフォローがかなり盛り込まれていて、制作側の、各県へのリスペクト(とお詫びの気持ち)が感じられることも大きいかもしれない。おそらくだが、各都道府県の出身者の意見も、丁寧にすくい上げているのではないだろうか。

そんなものづくりの姿勢が好きだ。
職種は全然違うけれど、真似したい、と思った。


笑いだけでなく、理不尽に踏まれても蹴られても立ち上がる県民たちに、「自分もがんばらねば」と元気ももらえる作品。

映画館を出てからも、息子と二人、「埼玉県民と滋賀県民のポーズ」をしあってエールを交換している。日曜の夜に見たら良かったかも…。

ぜひ寅さんみたいにシリーズ化して、全国を順番に舞台にしてほしい。



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