寂しがりや?の鳥 エナガ鳥
体のながさは5センチぐらいしかないのに、尾の長さがそれ以上あり、ちょっと見ると柄杓の柄に似ていることからエナガ(柄長)の名前がつけられたといわれています。
鳥類分類上ではシジユウカラ科でそうで、一般的にシジユウカラ科の鳥は人おじしないといわれているが、中でもエナガは警戒心が薄いようです。
また、社交的というか、寂しがり屋というか、繁殖期以外はいつも仲間と一緒。仲間がいないときにはメジロなどと群れをつくって村里のまわりを飛び回っています。
鳴き方にも種類
鳥の鳴き声は、聞く人によると必ずなんらかの意味があるといいます。カラスが「グアーッ、グアーッ」と長い間隔をおいて鳴くときは、偵察員の偵察行動。数羽のカラスが激しく、間隔も短く、「ガア、ガア、ガア、と騒々しく鳴くときは、敵軍に対する威嚇行為、または戦闘態勢の時である。等々」といった大学卒業論文の例もある。
シジユウカラもジユルリ、ジユルリ、と鳴くときは現在の状態を打ち切ろう、という仲間への呼びかけ。また、チィー、チィー、チィーと細く透き通るように鳴いたり、ビー、ビーと鳴くときは移動の合図。さらにツビッ、ツビッは争の態勢、または自己主張。チリル、チリルは不安の表現だそうです。
繁殖期以外を社交期間とすれば、エナガの場合、いつでも群れをなして住んでいるため、結婚の相手を見つけるチャンス、つまり恋愛期間もそれだけ多くなり、従って一夫多妻かとかんぐりたくなるが、これは浮気心の強い人間さまの愚問というもの。鳥の一夫一婦制は人間の有史以前から完成していたもので、エナガも徹底した一夫一妻なのです。それどころか、エナガのメス達はそろって夫思いというか、協力心が強いというか、子育てに関してはすべてメスだけの役目です。しかも、子育ての労力を省くため、この仕事を複数のメスが一致協力し、巣作りから抱卵、ふ化した後のヒナの世話まで、メス同士が代わる代わる交代で行なうのです。
繁殖期は3月頃から5月が最盛期。巣は苔類を材料に、これをクモの糸で固めて作ります。長径が15センチから17センチくらいのタマゴ形。入り口はやや小さく、中には柔らかい綿毛や、鳥の羽などを敷きつめて作るあたりが、他の鳥と違うところだが、さらに大きく違うところはこの巣も複数のメスが協力し作った共有物となっている。
(写真は我が家の庭先で見つけた珍しい1コマ)