「栄養摂取と食生活上の課題」兵庫県立大学看護学部後期2018年
(1)問題
次の図表は,平成27年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)から引用し,一部改変したものである。これらの資料について,以下の設問に答えなさい。
設問1 図1「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度」の結果から読み取れる傾向について75字以内で述べなさい(句読点も文字数に含む)。
図1「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度」(20歳以上、男女別、年齢階級別)
設問2 表1「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度別,炭水化物,たんぱく質及び野菜の摂取状況が食事摂取基準等の目標とされる量に合致していると評価される者の割合」の結果から読み取れる男女ともに共通する特徴について75字以内で述べなさい(句読点も文字数に含む)。
表1「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度別,炭水化物,たんぱく質及び野菜の摂取状況が食事摂取基準等の目標とされる量に合致していると評価される者の割合」(20歳以上、男女別)
※1炭水化物摂取量が「日本人の食事摂取基準(2015年版)における炭水化物の目標量の範囲内にある者の割合
※2たんぱく質摂取量が「日本人の食事摂取基準(2015年版)における炭水化物の目標量の範囲内にある者の割合
※3野菜摂取量が「日本人の食事摂取基準(2015年版)における炭水化物の目標量の範囲内にある者の割合
設問3
1)表2は「外食及び持ち帰りの弁当・惣菜の利用状況」の結果を示している。「定期的に利用している者」を,外食又は持ち帰りの弁当・惣菜のいずれかの利用頻度が週2回以上の者と定義した場合,「定期的に利用している者」の割合を男女別に計算し,小数第1位まで求めなさい。また,表2のAとBに共通する者を定義するとともに,A及びBの割合を計算し,小数第1位まで求めなさい。
表2 外食及び持ち帰りの弁当・惣菜の利用状況(20歳以上、男女別)
2)図2「外食及び持ち帰りの弁当・惣菜の利用頻度別,主食・主菜・副業を組み合わせた食事の頻度」の結果より読み取れる男女ともに共通する特徴について50字以内で述べなさい(句読点も文字数に含む)。
図2 外食及び持ち帰り弁当・惣菜の利用頻度別、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度
(20歳以上、男女別)
設問4 図1・2,表1・2の結果から読み取れる栄養・食生活上の課題が何であるか述べるとともに,それを解決するために考えられる方策についてあなたの考えを350字以内で述べなさい(句読点も文字数に含む)。
(2)考え方
設問1・2・3
「多い・少ない」や割合が「高い・低い」といった顕著な特徴がみられる項目だけを取り出して書く。
設問4
「会社の残業を無くして労働時間を短縮させる」「結婚して栄養面に配慮してくれるパートナーを探す」などというアイディアは評価されない。
「栄養・食生活上の課題」に直接答える形で方策を書く。
(3)解答例
設問1
「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を毎日摂取する」人は、20~29歳から年齢階級が上がるにつれて頻度が高まる。60歳以上は平均値より高く60歳未満は低い。(74字)
設問2
頻度がほとんど毎日でたんぱく質摂取量が基準値を超える割合は男女とも8割を超えている一方、ほとんどない人の野菜についての割合は男女とも2割以下と低い。(74字)
設問3
1)
○「定期的に利用している者」の割合 男性: 40.3 女性: 29.2
○AとBに共通する者を定義
自炊している者
男性: 59.7 女性: 70.8
2)
外食と持ち帰りの弁当・惣菜の利用が両方とも週1回以下の者は半数を超えていて、定期的な利用者より多い。(50字)
設問4
20~29歳の若年世代で栄養バランスに欠けた食事を多く摂っている。特に野菜の摂取エネルギーは基準値に達していない人が多い。その原因として、栄養バランスを考えた食事を家で作らず、外食や持ち帰りの弁当・惣菜を多く利用していることが指摘される。こうした傾向は男性のほうが多い。
方策として、野菜を使ったメニューが少なく揚げ物などが多い外食や持ち帰りの弁当・惣菜は買うのを避け、栄養バランスを考えたメニューを選んで自炊する習慣をつけることにある。20代の大学生や社会人の一人暮らしの人は栄養面でのアドバイザーが身近にいないことも考えらえる。そこで義務教育の早い段階から給食時や家庭科などで食育を行い、日頃から主食、主菜、副菜を組み合わせて食べることの重要性を子どもたちに認識させる取組みが重要である。(350字)
👇オンライン個別授業(1回60分)【添削指導付き】