
【教育学部小論文を受験する人は必ず読んでください】「主体的に学ぶ子どもを育てる教育」愛媛大学教育学部前期2017年改題
(1)問題
以下の(1)(2)を合わせて800宇以内で解答しなさい。
(1)近年、学校教育では、「子どもが主体的に学ぶ」ことが重視されてきている。まず、①あなた自身がこれまで学校内外で主体的に学んだ経験を一つあげ、経験の成果や自分自身の変化を具体的に述べなさい。次に、②主体的な学びがなぜ重要なのかを説明しなさい。
ただし、ここで言う「学び」は授業での学びに限らず学校内外でのさまざまな活動で学ぶことを含むものとする。
解答文中では、上記の①、②の順で、いずれについても言及することもまた、(1)の解答文中で、以下のa.~i.のうち少なくとも3つを含むこと。同じ語は何度使ってもかまわない。
a. 興味、関心 b.知識、技能c.考える力 d.判断する力 e.表現する力
f.課題解決
注 a.とb.については、いずれか一方の語を用いればよい。
(2)志望している学校種(幼稚園、小学校、中学校または高等学校)の教師として「子どもが主体的に学ぶ」授業・保育を実践するために、どのような力が必要と考えるか。また、その力を身につけるために、
③あなたは大学でどのような力が必要と考えるか。
④また、その力を身につけるために、あなたは大学でどのような活動に取り組もうと考えているか。
この2点について具体的に述べなさい。
(2)考え方
2020年度から施行される「新学習指導要領」では、これからの時代、子どもたちに求められる学びとして、「主体的な学び」の視点を挙げています。
「主体的な学び」とは以下の視点に立つものです。
学ぶことに興味や関心を持ち、自分の進路や職業などの方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげるような学びになっているかという視点。
ほかには、「対話的な学び」の視点の重要性も指摘されています。
「対話的な学び」とは以下の通りです。
子供同士が目標を共有し力を合わせて活動をしたり、先生や地域の人との対話や先人の優れた考え方を手掛かりに考え、自分の考えを広げ深めるような学びになっているかという視点。
このあたりが、この問題を解く際のヒントになりそうです。
以上は「政府広報オンライン」より引用しました。
下の記事には「新学習指導要領」の要点がまとめられています。
教育学部の入試小論文では、ここから出題されるケースが多いと予想されます。
教育学部小論文を受験する人は必ず読んでください。
(3)解答例
近年、AIやVR、5Gなどの情報通信技術の進展がめざましく、人間の労働がAIに代替される危機が指摘され、一部の業界ではこれが現実化している。このような社会的な背景を考えると、人間がAIの下で従属的な業務にあたるのではなく、科学技術を使いこなし主体的に考え行動する能力がこれからの時代に求められている。
私は小学生のときに地域の子ども会に属していて夏祭りの子ども神輿を担当した。神輿の上に何を載せるか、飾りつけをどうするかといった課題について仲間たちと長い時間をかけて議論した。その結果、アニメの主人公を載せて、電飾で飾りつけて夜間に照明で演出する試みを発案した。祭りに向けでみんなと協力しながら毎日準備を続け、夏祭り当日には立派な神輿が完成し、子どもたちと掛け声を掛け合いながら町内を練り歩いた。私たちの神輿はまちの多くの人たちから称賛を受けた。
私は重要なことをするときは、大人たちや上の者の指示に従って、失敗しないように物事を運んでいた。ところが、この夏休みの経験から、指示を待つのではなく、失敗を恐れずに自分たちで課題を発見し、討議を繰り返すことで行動するように変化した。大学で必要な力を考える場合、このときの経験がヒントになる。その力とは、メンバー全員で知恵を出して協力しながら課題解決に向けて努力する協働力である。この力を身に着けるためにはゼミやサークル活動を通してブレーンストーミングなどの技能を学び、将来の教育の現場で生かしていきたいと考えている。
『AIに負けない子どもを育てる』とは、AI研究者新井紀子氏の著作のタイトルだが、これを実践するためには、子どもたちが学校内外で課題を見出し、その解決に向けての主体的な学びを習得し、自ら考える力を涵養すること。このような主体的な姿勢がこれからの教育に求められている。
(792字)
注意:ブレーンストーミング
ある問題やテーマに対し、参加者が自由に意見を述べることで、多彩なアイデアを得るための会議法。5、6人の同じ立場の人を集め、批判禁止、質より量、自由奔放、結合便乗(人の意見に便乗してよい)という原則を守り、1時間程度行う。
「コトバンク」より引用しました。
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