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「特攻隊の写真」順天堂大学医学部医学科2023年一般A方式

(1)問題

特攻隊員の家族への手紙を自分で書き、次に自分が手紙を書いた時の気持ちを800字以内で述べなさい。



(2)考え方


特攻隊については、今さらあれこれ解説するには及ばないだろう。


万一、若い世代の人で特攻隊を知らない人がいるならば、ネットで「神風特攻隊」でググれば多くの解説記事を読むことができるから、そちらを参考にしてもらいたい


この問題を書く場合、細かい知識を披歴する必要はない。


知識頼みで書くとあまりよい評価は与えられない。


もとよりこの問題は医学部の小論文入試で出題されたものであり、(文学部)日本史学科で出されたものではない。


したがって、考え方のアプローチとして、史的な事実のみに限定して書くことを大学側が要求

しているわけではないことを確認しておきたい。


(もちろん、歴史的な事実が誤っていたり、無視していたりすれば減点されることは必定であるが)

(3)書くときのポイント


この問題の出題意図を考察する。


この問題はズバリ受験生の死生観を問うている。


この写真に写っている特攻隊員は撮影時からまもなく出撃して、爆弾を抱えたまま敵機に体当たりして命を落とす。


自分が100%死ぬことを自覚している。


そうしたとき、人は何を考えるのか。


直接的には家族のこと、国のことを思うのだろうが、手紙にはその両方について書くべきだ。


これに加えて、「命とは何か」という生の本質的な問いかけも含めてほしい。


最初に断っておくが、このようなスピリチャルな問いかけに「正解」はない。


受験生が100人いれば100の答えがあるだろう。


このような死生観は、みなさんが将来医師になり、臨床の現場に向き合うときに必ず問われるときがくる。


そのための準備、予行演習として順天堂大学は課している。


今回、あえて私は解答例を書かない。


この問題を今年1年かけてじっくりと考えてみたいと思う。


来年(2014年)の順天堂大学医学部医学科一般A方式入試直前にこのブログで私なりの答えを披露してみたい。


みなさんも入試までにじっくりと自分なりの死生観を用意しておいてください。

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