(1)はじめに
小論文入門の基礎のお話はあらかた修了しました。
これからは、発展編に入ります。
ここでは、文章を実際に書くにあたっての具体的な方法について話していきたいと思います。
基礎編でお話した内容と多少重複があります。
大事なことは繰り返しお話しますので、「その話は以前に聞いた」と思われるかもしれませんが、ご了解ください。
(2)入試小論文では1文の長さが短いほうがよい
「<1>基礎編(1)序章③「よい文章」でお話した内容を思い出しましょう。
みなさんの多くの方は文章のプロを目指すのではありません。
ですから、いわゆる美文、巧い文章を必ずしも書かなければならないわけではありません。
文章でメシを食わないまでも、将来、社会に出てから日常的に文章を書く機会は増えてくると思います。
報告書、決算書、稟議(りんぎ)書などなど。
こうした文書は誰にしても読んでわかりやすく、要点がすぐにつかめるように書くことが求められます。
「わかりやすい文章」とは「短くて簡潔な文章」です。
それとは逆に、長くてダラダラと書かれていて、何を言いたいのか一読しただけではわからない文章があります。
下にこうした悪文の例を挙げます。
<悪文例1>の問題点は大きく2点あります。
1)1文が長い。
2)最後に書かれている結論(赤字の部分が要点)がダラダラとしてい て、要領を得ない。
そこで、<悪文例1>をわかりやすい文章にするために、次の2点に留意して添削します。
① 1文をできるだけ短くする。
② 結論を最初にもってくる。
③ 段落分け。「結論」と「理由」とに分け、2段落構成に整理する。
添削するに際して、接続詞「加えて」や指示語「その一方で」「そのためには」を使用しました。
この方法については、「<1>基礎編(3)小論文の基礎⑦接続詞と指示語」で詳しく解説しました。
<訂正例1>のように初めに結論を書く頭括型は小論文のほかに、面接やディベートでも使える方法です。
(3)指示語や接続詞を用いる
ヒント。第1段落の結論(赤字の部分)を最初に持ってくる。接続詞や指示語を適宜用いる。
① 結論を文の冒頭に移動しました。
「インターネットは文化面でもさらに多大な変化をもたらしている。」
②接続詞や指示語=「その結果」「それには」を使いました。
文と文との相互の関係を考えて適切な接続詞をチョイスする。
原因:「ブログや掲示板などのネット環境は情報であふれかえり、従来の紙情報を駆逐する勢いである。」
👇 接続詞・指示語「その結果」「いきおい」「このため」「これにより」
結果:「人々の読書量を減らし、書籍や新聞・雑誌の売り上げを激減させている。」
(4)今回のまとめ
①「よい文章」とは「わかりやすくて簡潔な文章」
② 1文をできるだけ短くする。
③結論を最初にもってくる。
④段落分けをする。
⑤接続詞や指示語を用いる。
受験生のみなさん、小論文に関すること、何でも質問してください。
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