【言語とコミュニケーション】文系、医歯薬看護系学部入試小論文対策
(1)言語とコミュニケーションのテーマは入試小論文の定番
文、教育、保育、体育・スポーツ、外国語、国際学部などの文系や医歯薬看護系学部の入試小論文では、「言語とコミュニケーション」というテーマは頻出です。
言葉や言語についての問題は後日、改めてこの「OK小論文」で取り上げることとして、今回は「非言語コミュニケーション」がテーマです。
順番としては、まず言語によるコミュニケーションの問題を考えたあとに非言語コミュニケーションを取り上げるのが筋ですが、あえて今回は逆から考えます。
そのことで、言語や言葉の持つ本質が浮かび上がるのではないか、と期待してのものです。
(2)資料
「非言語コミュニケーション」の例としては、以下の入試小論文の参考文を挙げることで代えさせてもらいます。
【順天堂大学スポーツ健康学部推薦入学試験小論文問題】 (平成28)
次の文章を読んで、あなたが重要だと思うキーワードを文中より3つ挙げなさい。
円滑なコミュニケーションのために、あなたはどのようなことに気をつけようと思いますか。自分の経験などを振り返り、先に挙げた3つのキーワードを用いて600字以内で述べなさい。
動物たちは基本的にはいろいろな環境をとおして類似の仕方で行動するが人間はそうではない。人間はそれぞれ,社会的に,経済的に,宗教的に,政治的にまた家庭生活上違った環境にあり,それに応じた型の行動をとっている。このように文化的多様性があるため,言語がなければコミュニケーション,計画づくり,相談,回顧など社会的相互作用はできないことになろう。また,社会や個人が環境に対処できるのも言語があるからである。
しかし,言語だけが人々のコミュニケーションの唯一の手段ではない。意味の伝達は,ゼスチャーはもちろん,旗や記号や物理的シンボルなどを用いても伝えることができる。そのようなシンボルには手話のように意図的なものもあり,嫌悪を感じたときの顔のように,無意図的だが表情に表われるものもある。われわれは,言語によって影響されると同時に,こ のような信号によっても多く影響されるものである。
原岡一馬編『人間とコミュニケーション』 (ナカニシヤ出版、1990年)より抜粋
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