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11/8発売【文春電書】文春文庫11月新刊

晩秋の候、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。文藝春秋電子書籍マーケティング部のTでございます。晩"秋"とは言いますが、そろそろ外套を取り出そうかなと思案しているところ。11月1日には年賀状の発売開始、あっという間に師走、年末年始と相成ります。
さて、今月も個性派ぞろいの文春文庫新刊をご紹介いたします。

村上春樹 絵・高妍『猫を棄てる』

村上春樹さんが自らのルーツを綴ったノンフィクション。中国で戦争を経験した父親の記憶を引き継いだ作家が父子の歴史と向き合う。
寺の次男に生まれた父は文学を愛し、家には本が溢れていた。 中国で戦争体験がある父は、毎朝小さな菩薩に向かってお経を唱えていた。 子供のころ、一緒に映画を観に行ったり、甲子園に阪神タイガースの試合を見に行ったりしたが。いつからか、父との関係はすっかり疎遠になってしまった――。
イラストレーションは、台湾出身で『緑の歌―収集群風₋』が話題の高妍(ガオ イェン)氏。
村上さんはめったに自らの家族のことを語らないのですが、本作はその点、踏み込んだ内容であったため発表当時、大変話題となりました。

知念実希人『十字架のカルテ』

犯罪者の心の闇に迫る精神鑑定医。 医療ミステリーの新境地がここに! 光陵医科大学附属雑司ヶ谷病院の新人医師・弓削凛は、精神鑑定医を目指して同病院の院長である影山司に弟子入りする。影山は様々な事件で鑑定を担当し、いまでは精神鑑定の第一人者と言われていた。 影山とともに様々な事件の容疑者たちの心の闇に迫る凛。彼女にはどうしても精神鑑定医にならなくてはならない事情があった――。

望月麻衣 画・桜田千尋『満月珈琲店の星詠み~メタモルフォーゼの調べ~』

シリーズ累計30万部突破! 待望の第4弾。
大きなエネルギーを持ち「変容」を司る冥王星が水瓶座入りする日、満月珈琲店のメンバーは北海道の音楽祭にいた。 転職で札幌にやってきた小雪は、かつて三毛猫のマスターに出会ったことがあるという紅茶専門店のマダムに会いに行く。マダムから小樽の昔話を聞いて……。
本作に出てくる料理を再現した、夢のようなレシピ本『満月珈琲店のレシピ帖』は第9階「料理レシピ本大賞お菓子部門大賞」を受賞。「満月珈琲店」ブーム到来の予感がします。

貴志祐介『罪人の選択』

貴志祐介ワールド全開の作品集。収録のSF作品「赤い雨」はパンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた一作。本作の単行本は2020年3月刊。意図せずして、新型コロナ、パンデミックという言葉が現実的なものとなりつつあったタイミングで刊行され話題となりました。

浅葉なつ『神と王 謀(たばか)りの玉座』

古事記からインスピレーションを得たという壮大な世界観が提示された 第一巻『神と王 亡国の書』に続く、待望の第二巻。 壮大なテーマ「神とはなにか」をリアルに追いつつ、この世界の行方から目が離せない! ますます熱い神話ファンタジーです。

千野隆司『朝比奈凜之助捕物暦』

南町奉行所定町廻り同心・朝比奈凜之助。剣の腕は立つが、どこか頼りない若者に与えられた殺しの探索。幼い子を残し賊に殺された男の無念を晴らせ‼ 新シリーズ、第一弾。

堂場瞬一『空の声』

まだテレビ中継がなかった時代――。 オリンピックに命を懸けた、無頼の人気アナウンサー・和田信賢。 玉音放送を担当し、NHK「話の泉」の司会で国民的人気を博した。和田は戦後初めて日本が参加する夏季オリンピックに派遣されることが決まる。念願のオリンピック中継だが、無頼な生き方を貫いた和田は長年の無理がたたって体調を崩していた。 「どうしても、オリンピックを中継したい」 その一心で、男は、大会の舞台ヘルシンキへと向かう。現地から「日本人を鼓舞する」中継を続けるも次第に病は重篤になり、ついに――。 戦争に敗れ自信を失った日本人に、夢と誇りを抱かせてくれたヘルシンキ五輪。 スポーツ小説の名手・堂場瞬一が、選手以上にその生きざまに惹きつけられたという主人公の魅力とは?

松井今朝子『江戸の夢びらき』

市川海老蔵あらため、十三代目團十郎襲名披露公演中!
市川團十郎を名乗り、〈荒事〉の追求の果てに江戸の民衆から信仰にも近い人気を集め、劇作家としても今なお愛される名演目や斬新な演出を次々と生み出した不世出の天才です。
彼が命をかけた〈荒事〉とは何だったのか、そして、なぜ舞台上で命を落とすこととなったのか。
謎多き初代市川團十郎の波乱万丈の生涯を、元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動とともに描く空前の一代記がここに誕生!

天祢涼『葬式組曲』

空前絶後の「葬儀屋ミステリー」!!
20代の女性社長・北条紫苑が率いる「北条葬儀社」。妙な関西弁を喋る餡子、寡黙で職人肌の高屋敷、生真面目すぎる新入社員の新実……癖の強い社員が目立つが、遺族からは「あの葬儀社は素晴らしい」と抜群の評価を得ている。なんと、彼らには故人が遺した“謎”を解明する意外な一面があったのだ。奇妙な遺言を残した父親、火葬を頑なに拒否する遺族、霊安室から忽然と消えた息子――。謎に充ちた葬儀の果てに、衝撃の結末が待ち受けるミステリー連作短編集。文春文庫化にあたり全面改稿。

徳永圭『ボナペティ! 秘密の恋とブイヤベース』

ボイルドエッグズ新人賞受賞作家である徳永圭さんは、『片桐酒店の副業』が文庫化でヒット。その後も意欲的に作品を発表している注目の作家です。
経営不振に陥ったビストロを救うのは、デリバリーかケータリングか? そんななか、一心不乱に働いていたオーナーの佳恵が倒れ……。テンポよく語られるストーリーには、もちろん食欲をそそる料理描写も! 読み終えたとき、大切な人に会いたくなる、爽やかな文庫書き下ろし作品です!

土屋賢二『長生きは老化のもと』

週刊文春人気エッセイは、なんと1234回目に到達!
コロナ禍の前も今も、変わり映えのしないツチヤ教授の悠々自粛の日々。この諦念をベースにした前向きさを、若者たちよ、学びたまえ。
だまされたつもりでページをめくって欲しい、珠玉のコラム60篇!

石井光太『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』

『絶対貧困』『遺体』をはじめ、数々の話題作を放ってきたノンフィクション作家の石井光太さんが、高校生に向けて貧困問題を本格的に伝えた初の授業本です。想像を絶する貧困のリアルから様々な支援の方策まで――国内外の最底辺を取材し続けてきた著者が若い世代に全力で届ける感動の講義。

L・M・モンゴメリ 松本侑子・訳『虹の谷のアン』

日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第7巻。 アン・ブライス41歳が家族と暮らす美しい村に、新しい牧師一家がやって来た。妻を亡くした美男の牧師と母のない子どもたち。彼らは、家なき子メアリ、ブライス家の子どもたちと「虹の谷」で幸福にすごす。中年男女の恋も芽ばえる。第一次大戦が影を落とす前の平和な時代を描いた長編小説。アン・シリーズ中の異色作です。

ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子・訳『カッティング・エッジ』(上・下)

【担当編集者より】
シリーズ原点回帰の傑作! リンカーン・ライム・シリーズの第14作は、 どんでん返しの連続に息をのむ、傑作です! ニューヨークのダイヤモンド地区にある宝石商で惨殺された、 経営者と客の男女3人。 報せを受けたリンカーン・ライムは妻で刑事のアメリア・サックスらと 捜査に乗り出します。 しかし、現場の状況には不可解な点が多く――。 次々と切り替わる場面、登場人物、 そして、事件の見立て……。 どんどんと読み進められて、 めくるめく「裏切り」に圧倒される 珠玉のディーヴァ―・ワールドをご堪能ください!


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