私じゃないよ私の弟子の独立プランを考える①
先日、唐津焼の作家さんに弟子入りしているという作家の卵くんが訪ねて来てくれた理由
「この辺りに良い土地ありませんか?」
そう土地探し
独立して窯を作って器を焼いて生きていくのに適した場所を求めて。
でも一言
「やめなさいw」
えっ?どうして?
だよね
実際こうして仕事しているやつが独立するのやめなさいって言うの?
いや、慎重になりなさいって事だよ。
「どんなプランを考えてるの?」
っていう簡単な問いかけに対して答えを持っていなかった。
その弟子くんは伊万里で独立したいと言っていた
伊万里で唐津焼をやっていきたいそうな。
それで、ただ景色がいいからってうちの山にって思ったみたい。
でもここね、山なのに高いのよ
都会とは比べられないけれども
田舎の山にしては結構法外な坪単価なんです。
山なのに坪単価?と思った方!そうなんですお詳しいw
山って普通は1反(300坪)幾らとかって単位なんですね。
それを1坪幾らって単位だなんて、住宅地じゃあるまいしちょっと欲深い地主さんたちなんでーす。
ということでココはオススメしません。
でもすぐピンときて
瞬間的に2箇所に絞り込みました
まず
伊万里市の大川内町にある市村地区
ココは唐津焼にもってこの場所です
もともと有田皿山
市ノ瀬高麗神窯というとても素晴らしい古唐津を焼いていた窯があった地域なのです。
ここで市ノ瀬窯とか高麗神窯とか名付けた窯を作って古唐津を焼けば良いんです。
私がやりたいくらい笑
もう一つは
伊万里市と唐津市の境
古唐津創始期の岸岳系古唐津で有名な唐津市相知町の隣
文禄・慶長の役後に岸岳系陶工たちや朝鮮渡来人陶工によって伊万里市周辺で焼かれていた松浦系古唐津窯群があった
伊万里市大川町
阿房谷とかもこの近辺
たくさんの窯跡があるので好きなとこから名前を拝借すればよろし
もうマジめっちゃ素敵
この2つの場所を勧める理由は
まずとにかく唐津焼に所縁のある土地ということ
うちの山は初期伊万里や古伊万里をやるなら良いと思います。渡来人陶工の辿ってきた道も、伊万里焼を輸出した伊万里湾も眼下に納めるので凄くストーリー性を語れます笑
でも唐津をやるにはそんなに向いていないというかもっと他に適した場所があるし。その中でも上記の2つの地域が良いのは唐津焼のルーツに沿った場所である上に、もうひとつの理由で
まぁ土地が安い
これ最高ですw
まだ土地は買いませんが、土地が安いということは賃貸料も安いということなので、まずは空き家を探します。
なんでも良いんです安ければ。もしくはタダ…
昔の古い家は湿気が籠りがちなので窓を開けて空気を入れ替えてあげないとめちゃめちゃ傷んでいきます。人が住まないといけないんですね。なのでこの家キレイに守りますんで貸してください!タダで…
仕事場なんて土間で出来るし展示場も手作り出来ますなんなら教えます私の展示場は手作りです笑
窯は私みたいにメルカリでも買えるし
そうですw私のガス窯はメルカリで買ったんです(爆)ウケますよね今度お話しします。
登り窯作っても良いんじゃないかなド田舎だし引っ越す時に崩せば問題ないでしょまたトンバイを再利用して築炉できるから無駄にならない。
ね!今の所ほとんどお金かかってないでしょ。
ド田舎の古い一軒家なんてタダ…じゃなくてもひと月1万くらいっしょ多く見積もっても3万くらい?うーんわからんけど高くても家賃ひと月5万も払えばめっちゃ良い家借りれるでしょう。
工房兼住宅にすれば経費だし他に住居費かからんから。
そして上記の場所、どうせ5年10年したら必ず古唐津をやりたくなるので
その時にこんな場所に窯があると最高ってことなんです。
今はよくわからなくてもいずれ必ず神に感謝することになる事になります。
って話をしたら弟子くんも興味が湧いたみたいで
来てよかったーって言って帰っていきましたw
この仕事はとにかく初期投資を少なくする
これが鉄則です。
好きなところに土地を買って好きな建物を建てるのは後々儲けてからで良いんです。いきなりすることじゃない。
まず地盤を固めないと。
そのためにまず考えるのはとにかく
①初期投資を減らすこと
②高価な機械は買わずに借りること
運良く安く買えるタイミングなら買っても良いけど
探せば見つからないし見つかったとしてもタブン高い
追いかけたら高く付くの
人生そんなもんですw
借りるのは貸してくれる知り合いでもいいし、伊万里市の隣町(唐津市の反対隣)有田町に窯業技術センターっていうとっっっても凄い施設があって、そこでは使用料をお支払いすれば機械を貸してくれます。
ロクロもあるし石膏の設備もあるし釉薬を作る設備や窯まであるので焼物を作る機械は一通り全てそして公的機関なのでとても安く借りれます。
こういった施設は日本各地の焼物産地にはだいたいあるものです。ぜひ活用しましょう。
そうやって貸してもらいながら良い中古品が安く自分のところへ廻ってくるように常にアンテナ張って虎視眈々と待ちます。
まずはこんな感じです。
弟子くんたち
そんなに難しい話じゃないんですが理解できていない人がいるみたいなので少しまとめてみました。
実家が窯元だったり作家だったりというような、帰ったらすぐ始められる環境にない人がどうやって独立するのかどうやって生きていくのか。そういった事を師匠から教わっていない人がいるみたい
とても大切な事のハズなのに。
師匠は何かの理由で教えない(教えれない)のだろう。
もしかしたら師匠も知らないのかもしれない。酷いことだが。
でもその他の理由の一つにライバルを作りたくないというのもあるはずだ。
自分の仕事を奪われる?自分の跡継ぎ息子の邪魔をされる?
聞くところによれば
先生によっては先生がお付き合いしているギャラリーなんかの紹介もしてくれないとも。
マジ?!
もしや先生のお客さんにも繋いでくれない?
それが本当だとしたら
いったいソコで何を学ぶのだろう。。。
私の考えですが
弟子が私の仕事の邪魔になるほど成長してくれたらとても嬉しいと思うし、それでこそ教えた甲斐があるって思うハズなのだが。
師匠を超えるのが弟子の使命
自分を信じて付いてきてくれるんだからそこは応えたいよね。
教えれることは全て教えたい。
はい先生方、アップデートしていきましょう。
ここまでまずは独立するための準備を私なりに考えてみた。
次は独立するための準備その2
自分のファンを増やす術を伝えたい。
以前うちにいた変な弟子(仮)には伝えて実践させようとしていたプラン。これは師匠と弟子が一緒に取り組まなければいけない課題だと思う。自分以外の先生方に指図する事はできないので、うちではこうしますというやり方考え方です。
汎用性は大いにあると思うので参考にしていただきたいです。
改善に繋がるいろんなご指摘も受け付けます。
アップデートしていきましょう。
長くなりましたが読んでいただき
ありがあとうございました。
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