道草(11)「ミニコミ新聞にハマルの巻」その5
『みたかきいたか』の最終8面も手書きのごちゃまぜ感が面白いと人気があった。書店や楽器店、映画館などの定番情報とその他諸々情報の紙面である。
ちなみに41年前の1983年(昭和58年)3月号の8面を紹介すると、三鷹駅南口前にあった書店、第九書房の石田社長報告による「我が町のベストセラー5」。その時の1位から3位は、『佐川君からの手紙』唐十郎(河出書房新社/980円)、『気くばりのすすめ』鈴木健二(講談社/980円)、『積木くずし』穂積隆信(桐原書店/980円)となっている。『佐川君からの手紙』はパリ人肉殺人事件の真相に迫った小説。作者は紅テント「状況劇場」の唐十郎で芥川賞受賞作品。
三鷹楽器からは、加藤店長による「ベスト5ミタカ」。その時の邦楽シングル部門ベスト3は、中森明菜の『1/2の神話』、松田聖子の『秘密の花園』、佳山明生の『氷雨』。
映画館情報は、当時三鷹駅南口にあった2軒の映画館「三鷹オスカー」と「三鷹文化劇場」の予告。三鷹オスカーは評価の高い映画を三本立で上映するいわゆる「名画座」で、よくお客さんが並んでいた。3月号の予告情報には、鶴田所長が選んだ『アメリカン・グラフティ2』『青い珊瑚礁』『レッド・ツェッペリン狂熱のライブ』など。
一方「三鷹文化劇場」は、『男はつらいよ』などの松竹映画とピンク映画の上映館として個性を出していた。石川支配人による3月の予告は、松坂慶子主演の『道頓堀川』他1本、翌週は『ランボー』他1本、翌々週は『お姉さんの太股』『襲われた女教師』他1本が上映予定となっている。
その他、街角突撃取材の「みたか的美人」。喫茶店「すねっかじり」の土曜の喫茶寄席のお知らせ。3月19日の第51回喫茶寄席は、夢月亭歌麿、金原亭馬治、蝶々桜花蝶の名がある。現在、夢月亭歌麿は夢月亭清麿になり、金原亭馬治は11代金原亭馬生になっている。「はばたけ共同作業所」の開所式のお知らせも載っている。なんと、前号で紹介した、曙さくら祭実行委員長の森田さんの奥様が医院長のあけぼの診療所内に一時的に開所したとある。現在は社会福祉法人おおぞら会として活動を広げている。
その他にも「玉川上水自然道を歩く会」、「天城美枝&上條恒彦コンサート」、「大人よ学べ子供のために」というボランティア連続講座の案内に俳優の牟田悌三さんが講師。もう一つ、「店主です」というシリーズもある。『みたかきいたか』を置いてもらっている店の店主紹介。3月号ではコーヒー専門店「マルキィ」の大石黄規容子さんが登場。「マルキィ」は昔の赤鳥居通りの一角にあったアンティークに囲まれた大人のカフェ。
以上、長くなりましたが、『みたかきいたか』最終8面の紹介でした。
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