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仕事もきょろきょろ(2)「あの新潮文庫のしおりも加藤さん」
加藤製本さんのもう一つ話です。
みなさん、単行本などに「しおり(スピン)」と呼ばれる細いリボンが付いているのはご存じだと思います。加藤製本さんにこのリボンしおり(ここでは、紙のしおりと区別して「リボンしおり」とします)を自動的に貼る機械がありました。
さらに驚いたのはあの新潮文庫のリボンしおりを加藤製本さんも担っていたのです。あの焦げ茶色のリボンしおりです。
ご存じの方が多いと思いますが、現在文庫本にリボンしおりを付けている大手の文庫本は新潮文庫だけなのです。以前は岩波文庫など、リボンしおりを付けている文庫もありましたが、コスト削減のため紙のしおりを挟むようになったようです。
当然新潮文庫もコスト高になっているわけですが、現役で一番の老舗(大正3年/1914年創刊)としての矜持でしょうか、ただただ頭が下がるのです。
紙しおりの場合は、読んでいる最中落としてしまったりして、意外と厄介者なので、リボンしおりはありがたいのです。
新潮文庫に感謝。加藤製本さんに感謝です。
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