仕事もきょろきょろ(4)「見た目のPP系」対「地味のニス系」
前々回、新潮文庫のリボンしおりを称賛しましたが、ついでにもう一つ隠れた新潮文庫のいいところを紹介します。
カバーが丸まらないのです。というのは、私は文庫本に限らず本を読むときに帯やカバーを外して読んでいるので、文庫本のカバーも外します。ところが他社の文庫のカバーは外して少し経つとまるで干イカを火にあぶったときのようにくるくるとなってしまうことがあるのです。
ただ、季節や状況によってくるくるにならない時があるので、あまり強く言えず「あるのです」程度になります。
ということで、もしくるくるした場合は読み終えるまで、くるくる状態のカバーを何かで押さえて転がらないようにする必要がありますが、新潮文庫のカバーは微動だにしないのです。
くるくる系になる文庫本カバーは、カバー表面にPP加工(印刷用紙の表面を透明のポリプロピレンフィルムで圧着コーティングする加工)をしています。PP加工は、艶系やマット系があり、見た目が良くなり丈夫で汚れも落ちやすいという長所があるのです。
ところが、文庫本のカバーのような薄いコート紙だとくるくる系になってしまう(かもしれない)という欠点があります。
新潮文庫のカバーはニス引き(印刷用紙の表面をニス印刷処理)で、ピカピカ度はPP加工より落ちますが、くるくるにはなりません。(ちくま文庫もニス引きでした)
ということで「見た目のPP系」対「地味のニス系」となりますが、文庫本に関しては、私は地味系に軍配を上げたいのです。
写真は、手前がPP加工の文庫本カバー、後方が新潮文庫カバー1分後の状態です。
このコラムは、(株)文伸が運営する自費出版専門工房「ことこと舎」のFacebookページからの転載です。
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