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土地家屋調査士はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

残り9

どもー。
分析太郎です。

色んな仕事の将来性を
分析しています。

今回は土地家屋調査士の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。

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【前編】土地家屋調査士業界の需給バランス


そもそも需給バランスとは?

前編では、土地家屋調査士業界の
需給バランス確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
土地家屋調査士市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


土地家屋調査士業界の市場規模は?

それでは最初に、
土地家屋調査士業界の
市場規模を確認しましょう。

令和3年 経済センサス活動調査(総務省・
経済産業省)のデータによれば、
2021年の土地家屋調査士の市場規模は
1,062億円でした。

他の士業と比較してみましょう。
グラフを作成しました。


7士業の市場規模(2021)
※2021年の売上(収入)金額から

出典:令和3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


行政書士よりは大きいですが、
それ以外の士業よりは低い値でした。

同規模の市場には
下記が挙げられます。

  • みそ(1,001億円)

  • 音楽教室(1,024億円)

  • レジ袋(1,098億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場における美容師市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


土地家屋調査士市場の供給は増えてるの?

それでは土地家屋調査士市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

土地家屋調査士白書2022(日本
土地家屋調査士会連合会)のデータによれば、
2021年の土地家屋調査士数は16,141人、
推移は減少傾向
でした。
グラフを作成しました。


土地家屋調査士数の推移(1957~2021・64年間)
出典:土地家屋調査士白書2022(日本土地家屋調査士会連合会)


最多は2002年の18,741人で、
そこから減少傾向が続いています。

考えられる最も大きな理由は
資格受験者数の減少です。
受験データのグラフを作成しました。


土地家屋調査士資格の受験者・合格者・合格率の推移(2006~2021・15年間)
出典:土地家屋調査士白書2022(日本土地家屋調査士会連合会)


受験者数は
15年間で40.8%も減少しています。

合格率を調整してなんとか
対応しているようですが、
受験者が減少しているので
合格者は増えていません。

また、土地家屋調査士の
二人に一人は60代以上のため、
今後は廃業などが相次ぐことも想定されます。
年齢構成のグラフを作りました。


土地家屋調査士の年齢構成(2021)
出典:土地家屋調査士白書2022(日本土地家屋調査士会連合会)


逆に言えば、
今後は土地家屋調査士が不足するので、
供給に対する需要の割合が
大きくなるかもしれません。




では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


土地家屋調査士の需要は増えてるの?

それでは、
土地家屋調査士市場の
需要を確認しましょう。

職業情報サイト「キャリアガーデン」は、
土地家屋調査士の業務は大きく下記2つだと
説明しています。

①表題登記
(物件の表題部を法務局に登録すること)
②筆界特定
(土地と土地の境目がどこかを確定すること)

従って、
この2つの件数が
増えているかどうかを
確認してみましょう。

まずは表題登記についてです。
表題登記のデータがなかったため、
ここでは不動産登記全体を見てみます。

登記統計(法務省)のデータによれば、
2022年の登記件数は1,054万件、
推移は減少傾向でした。

グラフを作成しました。


不動産登記件数の推移(2006~2022・16年間)
出典:登記統計(法務省)


2006時点から、
35.6%減少しています。

これはツラいですね…。

不動産登記は
「土地」と「建物」に
分類されますが、土地登記の
減り幅がかなり大きいようです。

1992時点を100と指数化した
値の推移を確認しましょう。
グラフを作りました。


土地・建物登記件数を指数化した値の推移(1992~2022・30年間)
※1992年時点を基準年とする

出典:登記統計(法務省)


不動産登記件数は減少傾向に
あることは間違いなさそうです。

では、
筆界特定件数についても
確認してみましょう。

登記統計(法務省)のデータによれば、
2022年の筆界特定_新受件数は2,106件、
推移は2018年から減少傾向でした。

グラフを作成しました。


筆界特定_新受件数の推移(2006~2022・16年間)
出典:登記統計(法務省)


2006~2017年でも
件数の増減を繰り返しているので、
また件数が増えればいいのですが…。
少なくとも、2022年は16年間で
過去最低でした。

さて、データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。


分析太郎の結論

まとめると、
土地家屋調査士市場の
需給バランスはこうです。

  • 供給:資格受験者の減少により、土地家屋調査士は減少傾向

  • 需要:不動産登記件数は減少傾向。特に土地登記の減少が激しい。筆界特定の新受件数は16年間で過去最低。

結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。







土地家屋調査士の需給バランス


釣り堀(=土地家屋調査士市場)の中で、
釣り人(=土地家屋調査士)が減り、
魚(=不動産登記・筆界特定件数)も
減少しているため、
このような結果になりました。

いかがでしたでしょうか。
とはいえこれは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

まともに食べていけない地域もあれば、
儲かってウハウハですという地域だって
あるかもしれません。

そこで後編からは、
都道府県別に土地家屋調査士市場の
レッドオーシャン・ブルーオーシャンの
都道府県
を特定していきます。


ビジネスを理解する上で重要な2つの分布がほぼ一致していました。



とある二つの数値が相関関係にありました。


登記業務と筆界特定件数の、
土地家屋調査士の数に対する割合を
算出しました。



ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。


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