獣医師はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】
どもー。
分析太郎です。
色んな仕事の将来性を
分析しています。
今回は獣医師の
市場分析レポートです。
仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。
起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。
なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。
それでは、見ていきましょう。
【※1】
本記事での「獣医師」は
小動物臨床獣医師(一般的な
動物病院の先生)を指します。
【※2】
こちらの記事は1件購入ごとに
300円値上がりするよう
設定されています。
おかげさまで、
記事の総購入数が125件を超えました。
いつの間にか値上がりしてしまう前に、
早めのお買い求めがお得です。
【前編】獣医師の将来性
まずは需給バランスを理解する
前編では、獣医師業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。
世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。
そして市場の中には、
供給(事業者)と需要(お客様)が
存在します。
これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。
そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。
本レポートでは、
獣医師市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。
それでは、本題に話を移しましょう。
獣医師業界の市場規模は?
それでは最初に、
獣医師業界の
市場規模を確認しましょう。
経済センサス活動調査(総務省・
経済産業省)のデータによれば、
2021年の土地家屋調査士の市場規模は
5,335億円、推移は増加傾向でした。
グラフを作成しました。
いい具合に増加傾向にありますね。
事業所一カ所あたりの売上高も
増加傾向にありました。
従業員一人あたりの売上高も
増加傾向です。
かなり堅調に推移しているようです。
同規模の市場には
下記が挙げられます。
企業向け研修サービス(5,270億円)
飲用牛乳(5,756億円)
自動車教習所(5,805億円)
国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。
この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。
確認していきましょう。
獣医師市場の供給の推移
それでは、獣医師市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。
獣医師数の届け出状況(農林水産省)の
データによれば、2020年の獣医師数は
16,203人、推移としては増加傾向でした。
グラフを作成しました。
ペースは緩やかになりつつありますが、
増加傾向は続いているようです。
では、動物病院の数はどうでしょうか。
法人と個人診療所で、かつ小動物の診療を
中心に行っている施設の推移を確認しましょう。
グラフを作成しました。
動物病院も増加傾向にありました。
獣医師の数が増えているので、納得できる
推移ですね。
これまでの情報を整理してみると、
獣医師の数は増加傾向
動物病院数も増加傾向
従って、
獣医師市場の供給は
拡大していると言えるのでは
ないでしょうか。
では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。
獣医師市場の需要の推移
それでは、
獣医師市場の
需要を確認しましょう。
供給が増えているので、
需要も増えていないと困りますね。
それでは、ペットの中でも
最もウエイトを占めるとされる
犬と猫の飼育頭数推移を
確認しましょう。
まずはわんちゃんからです。
全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人
ペットフード協会)の調査によれば、
2022年の犬の飼育頭数は705万3千頭、
推移は減少傾向にありました。
グラフを作成しました。
2022年の飼育頭数は
2004年(18年前)と比較して
45%減少していました。
これは獣医師にとっては
痛手ですね…。
では、ねこちゃんの推移はどうでしょうか。
グラフを作成しました。
2022年の猫の飼育頭数は
2004年(18年前)と比較して
15%減少していました。
ただ、犬と違い近年は微増傾向です。
では、犬と猫の推移を
指数化して比較してみましょう。
2004年時点を100と指数化した
値の推移を確認しましょう。
グラフを作りました。
2004年比較でどちらも減ってます。
そして、減り幅は猫よりも犬の方が大きいです。
その理由は案外明確で、
管理コストが犬は猫の2倍あるからです。
グラフを作成しました。
この不景気の中で、
管理コストの差は
ペット購入時の選択に
大きな影響を与えるでしょう。
話が若干それましたね。
需要に話を戻します。
では、動物病院代の支出は
どのように推移しているのでしょうか。
家計調査(総務省)のデータによれば、
2022年の一世帯当たりの
動物病院代は5,868円で、
推移はコロナ禍以降減少傾向にありました。
グラフを作成しました。
2021年以降ガクンと減少していますが、
コロナ前までは増加傾向にありました。
これについては
2つの見方があります。
「今後も成長する」
という見方と、
「今後は衰退する」
という見方です。
それぞれ考察していきます。
まずは、
「今後も成長する」
という見方についてです。
その根拠には、
「ペットに対する家族意識の高まり」
があります。
ペットに対する家族意識の高まりは
ここ数年特に言われるようになりました。
その意識の高まりは、ペット用品の
支出金額にも現れています。
グラフを作成しました。
15年間で53.2%増加していました。
そして、ペット用品支出金額と
動物病院代には相関関係がありました。
グラフを作成しました。
従って、
ペットを大事にする意識が
高まるほど、ペット周りの支出金額も増え、
ひいては動物病院代の支出も
多くなることが想定されます。
これが
「今後も成長する」
という見方です。
では、
「今後は衰退する」
という見方についても確認しましょう。
その根拠には、
「2000年代前半のペットブーム」
があります。
犬猫の飼育頭数のグラフを
見て頂くとおかわりのように、
2000年代前半は飼育頭数が
かなり多いです。
そして、
コロナ前までの動物病院代の
上昇傾向は、その当時に飼われた
ペットたちが高齢化し、通院する
頻度が多くなっただけと考えることが
できます。
2022年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人
ペットフード協会)の資料では、
犬猫の平均寿命は
犬:14.76歳
猫:14.24歳
と報告されています。
2023年の15年前は
2008年ですから、
ちょうどペットブームと重なるわけです。
つまり、
現在の動物病院代の上昇傾向は、
2000年代初頭のペットブーム時に
飼われたペットたちの老衰による
いわば特需のようなものであり、
その後需要が下がる可能性がある、
と考えることができるのです。
これが、
「今後は衰退する」
という見方です。
今後需要がどう推移するか、
注視しておく必要がありますね。
さて、ある程度データが出揃いました。
それでは、結論に入りますね。
分析太郎の結論
まとめると、
獣医師市場の需給バランスはこうです。
供給:獣医師も動物病院室も増加傾向
需要:2000年代当初と比較すると犬猫の飼育頭数は明確に減少傾向だが、動物病院代はコロナ前まで増加傾向。コロナ開けが増加が期待される。
結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。
釣り堀(=獣医師市場)の中で、
釣り人(=獣医師)は増えているが、
魚(=ペット飼育頭数、動物病院代)は
増加も減少も想定されることから、
このような結果になりました。
決して過疎ってる市場ではありません。
とはいえ、激アツとも言いがたいです。
いかがでしたでしょうか。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。
まともに食べていけない地域もあれば、
儲かってウハウハですという地域だって
あるかもしれません。
そこで後編からは、
都道府県別に獣医師市場の
レッドオーシャン・ブルーオーシャンの
都道府県を特定していきます。
ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。
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