勝ち続ける人/チームとは
皆さんこんにちは、山下です。
簡単に自己紹介をすると
・2013-2016 大阪大学ラクロス部#10
・2016-2017 日本代表候補
・2017-2021 Stealers#50
(2021 青山学院大学ラクロス部OFコーチ)
てな感じです。
2022年から大学卒業以来約5年ぶりに関西に戻ることになり、ラクロスも関西に拠点を移しました。
ラクロス界のインフルエンサー様方の力をお借りしして、僕のラクロス経験や仕事柄培ってきた勝ち続けれるための必要条件を発信したいと思います。
悩める学生幹部とかに届くと1番いいなと思います。高いレベルで運営してるチームやコーチの方にとっては耳タコかもしれませんが。
その前になぜこれを発信するのかについて簡単にお話します。理由は大きく3つです。
そしてなぜ今発信するのか、それは冒頭に記載した通り関西に戻ってきて、特定の地域に限らずどの地域でも同じことを感じ、ここに課題があると確信したからです。
(全チームそうだとは思いませんので、悪しからず。関東、関西、九州のチームと接せる中で感じたお話です。)
そして仕事柄も成長の拡大再現性をサイエンスする必要があり、このトピックにおいて特に今のラクロス界は技術偏重型になってきつつあることに危機感を覚え、その危機感が強くなったタイミングだったのでこのタイミングでアンチテーゼとして発信しようと思った次第です。
それでは本題に入ります。
僕の考える勝ち続ける人/チームの必要条件は下記2点です。
勿論、十分条件として個人/チームにおける最低限の技術は必須だと理解していますが、近年は特に多くのプレイヤーが個人のスキルや2on2のみ等、チームが勝つことにおける全体ではなく、一部分に対して過度な注目をしていると感じ(=全体最適ではなく部分最適)、否定する訳ではないのですが、全体最適の重要性を認識/再認識すべきとのアンチテーゼです。
故に近年はどのカテゴリーにおいても、ずっと同じチームが勝ち続けることが減っていると思います。第三者的には毎年勝つチームが変わることは面白いのですが、つまるところどのチームにも勝ち続けるエッセンスがないということだとも思います。
① 一つ一つに再現性があること
再現性って何かというと、ある事を同じ形で再現できることです。個人であれば同じパターンは確実に点取れるとか、ボールダウンさせれるとかですし、チームであれば得点パターンとかです。
めちゃくちゃ極論で言うと、絶対点取れるセットプレーがあるとすると、その再現性はめちゃくちゃ高いと言えます。ですが中々そんなものはないし、相手にも分かり易すぎて継続できないです。
ここからはチームの再現性を主眼に展開していきます。
再現性を出すためにはオフェンスでいうと、1オフェンス全体をボヤッと捉えているとボヤッとしか理解できないため、1オフェンスをポイント毎にいくつかの局面に分解して理解する必要があります。
分け方は戦術によって様々ですが、わかりやすい例で言うと、
・起点/1次展開/2次展開等の時系列に合わせた局面分解
・エリアで分解
・またそのタイミング毎でのオンボール/オフボール
等の組み合わせです。
要は得点を取るまでに、
ということを全員が理解しておくことが必要です。
理解するためにはオフェンスを局面に分解して、分解した局面毎に何をどうすれば、もっと言うと誰(OF)が誰(DF)に対してどういう勢いで/向きで/タイミングでどう動くと、その局面を再現できるのかを全員が腹落ちして理解し実行できるようになる必要があります。
ここでポイントを再掲すると以下です。
意識・無意識、濃淡はありますが、要するにこういうことができているチームは勝ち続けるチームだと思います。
上記は意識して作り込んでいくパターンですが、
たまたま上手くできたOFを題材に、なぜそれが上手く行ったのかを分解/分析して、再現していくというやり方から始まることもあると思いますし、局面レベルだと属人的な阿吽の呼吸から生まれたものを言語化して再現するのもいいですし、言葉で理解しなくても感覚でチームとしての再現性が出るなら、スポーツとしてはそれでもいいと思います。(ビジネスでは無理ですが) 長い時間かけて一緒に過ごしていけば、属人的な阿吽の呼吸がを複数作ることは出来ると思いますが、そこに再現性はないですし組織運営としては中途半端だと思います。
日体大の選手はこの感覚や阿吽の呼吸のレベルがすごいなと感じた事があります。笑
あんまり言うと身も蓋もないですが、結果としてチームの再現性がある事が大切というのに変わりはありません。
再現性を持たせることに再現性を作るならば、僕はやはり上記のようなプロセス分解が必要だと考えています。
たまに参加する練習のなかで、
「オフボール動けよ」
「もらい出し動けよ」
に代表するような、抽象ワードが多く聞こえるチームは黄色信号だと思ってます。作り上げていく過程では、具体度/解像度の高い意見を述べない限り、再現性は高まらないと考えているためです。
そしてこうやってできたパターンを一つまた一つと作っていけるのであれば、チームとしてオフェンスを作り上げていく、強くなり続ける再現性があると言えると思います。
② それらを資産として積み上げ、応用ができること
①でお話ししたように、再現性のあるパターンが一つできれば同じようにまた一つ、さらにまた一つと新たなパターンを生み出せると考えてます。
もちろんアイデアや題材は1から考えるも良し、何かを参考にするも良しです。
何かを題材にする際の注意点を先に記載します。
学ぶは真似ぶとも言う通り、まず取り入れてみるということは大切です。一方、社会全体的な問題でもありますが、表面的に真似をするケースが増えており、なんでそれが良いのか/悪いのか、何が良いのか/悪いのか、ひいては自分達に合うのか/合わないのか、どの要素なら合うの等、情報の咀嚼ができなていないように思います。
戦術一つとっても、チームがやりたい戦術とそのチームに最適な戦術が一致するとは限りません。なぜなら、チーム毎にリソース(強み/弱み)が異なるからです。また最終的には目の前の相手を倒すことがスポーツの目的ですが、チームにとって最適な戦術が目の前の相手を倒すのに最適な戦術とも限りません。このトピックも深掘りするとキリがないので簡単に纏めておくと、
要は、情報は鵜呑みにせず、分解して解釈して自分達の血肉にしろということです。
話を戻します。
そうやって作り上げたパターンの蓄積をすることが大切で、さらにはあの時できた事が出来なくなる事を極力避けることが積み上げるという事です。
山登りに例えると、お山の頂点が目標で麓から頂点に向かって登っていきます。お山の途中に〇合目という目的地があり、色んな登り方がある中で目的地を一つずつ登っていき、頂点に向かいます。積み上げが出来るといのは、途中で山を降らないことであり、後戻りせず少しずつでも上に登ることです。
伝えたいことは、チームの目標に向かって必要な要素をシーズンが終わるまでに消化して積み上げていくということです。
ここはイメージしやすいと思いますのでこのnoteの中ではこの程度とします。
最後に、「応用する」についてです。
全員が腹落ちするレベルで積み上げたこれまでのパターン/局面が複数あると思うのですが、これもただ暗記してる状態では1は1にしかならないですし、ここまで噛み砕いて整えてきた意味がなくなります。
噛み砕いた理由は、平たくいうと「あの時のあそこを少し変えたらこれできるよね、みんなわかるよね」というポイントを明確にして、全体理解を早めるためです。
そしてそれらのパーツを組み合わせて、新たなパターンを作り出すであったり、チーム全体としてスピード感を持って進めるであったりに繋げるためです。
山登りで言うと目的地に到達する過程で、風向きとか山の地形とか斜面の急さなどがわかってきて、どの道通ると安全かとかの知恵がついて使えるようになる感じでしょうかね。
一つ目の応用は、上記に話をしたような自分達の積み上げたパターンを組み合わせて新しいパターンを作り出す応用。
もう一つの応用は、解像度の高いパターンの一部を変化させて新たなパターンにする応用。
この2つが副次的にできることで、積み上げたパターンを再現性高く応用して、組織としてレバレッジを効かせることができると考えています。
言い換えると、チーム全員の理解水準を高くして、各個人が考えて発信して吟味して落とし込んで積み上げてという運営ができるチームに仕上げることだと思います。
なんとなくの戦術でやっていたり、お山の頂点を考えず目の前の改善だけやってると、結果的に全く山登りできてなくて横にしか進んでいなかったり、ぐるっと回って同じとこにいたりすることも往々としてあると思うので、正しく積み上げることがまずは大切だと考えています。
以上になります。
全体感を出すために抽象的な部分もあるので、ニーズがあればもっと具体化することも可能です。
他のトピックでもリクエストあれば作成したいと思いますので、何なりと下さい!!笑
ご拝読ありがとうございました。