夜中かきたくなるんだもん
もん。夜中、書きたくなるんだもん。べつにねむくないと、書きたくなるんだもん。指をただ無意味にうごかしたくなるのです。いまね、実家帰ってきてるの。帰省中。田舎の空気はきちんと夏のにおいで、草とか葉とか木とか太陽とか、そういう自然の濃密なにおいがいつでもしています。すきです。これ、実家のこの田舎くささがとんでもなくすきです。今日ね、地元のおまつりのお手伝いをしてきました。ひさしぶりに会えたひとがたくさんいて、はじめて会うひともたくさんいて、きっと今日しか会わないだろうなというひとにもたくさん会いました。ありがとうございますもたくさん言いました。こどもの目線に合わせてしゃがんで、かき氷をわたすのもしました。もじもじしてるこどもが、親に促されてありがとうって言ってくれたり。かき氷のシロップかけの才能、わたしにもあるかな。ひさしぶりに会った大人たちを見ていると、中高生のときの大人に対する憧れ以上恋愛感情未満、みたいな奇妙で生々しい愛情の質感を、くっきりはっきりと思い出すのです。わからない。奇妙だ。ふしぎだ。すきみたいですきじゃなくて、仲間に入れているようで入れていなくて、仲間に入りたいようで入りたくなくて。そういう冷たいようなあたたかいような生ぬるいような、こどものわたしと大人のきみたちのあいだに見えない空気のちがいがあったのをとにかく、くっきりおぼえている。それからわたしははたちになって、お酒も飲めるようになって、たばこも吸えるようになって、きみたち大人とまた会ったけど、すこしは大人に近づいてるけれどでもけっきょくわたしはこどもなのだった。また主語でかを使うけど、にんげんというのは、年齢なんて関係なくて、特定の人間のまえでは無条件にこどもになってしまうんだなと、かんじるなどしました。わたし、隅田川のおまつりも、淀川のおまつりも、熱海のおまつりも、花火大会も、なにも行ってない。いきたいなっておもうけど、でもそれよりも地元のおまつりがたのしかったので、わたしにとってのおまつりは、あれでいいのかも。あれがいいのかも。2024夏、まだつづくみたい。わたしの8月は、焼きそばとフランクフルトと、かき氷のシロップとのにおいがして、きみに勝手にさわられたラブレットと、そのときにどきー。ってしちゃったわたしの心臓の痕跡があります。それできみ、けっきょく何歳なんだっけ?わたしたち、何歳差だったんだっけ?わすれちゃったね。