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酔っ払いとスイーツ
年の瀬。
コロナの影響や時代のなんやなんやで縮小傾向にあるものの、何かしら、飲み会の多い季節である。
もともと私はお酒が嫌いではないし、何より外食が好きなので、幸いなことに飲み会を苦だと感じることはあまりない。女性だから、変な無茶振りに合うことが少ないとか多めにお金を出してもらえるとか、プチいい思いをしているのも影響しているかもしれない。
何はともあれ、飲み会に嫌な思い出はあまりない。
今日も今日とて、飲み会である。
今年度は職場の大規模な飲み会は縮小しようという動きがあり、その結果、飲みたい人が各々来てくれそうな人の声をかける構図が出来上がっている。そのおかげで、私のような、誘われれば極力断らないスタンスの者にとって、規模は小さいものの、飲み会の回数は増えた。
お財布や肝臓の事情については深く考えないようにしているが、それ以外は、特に大きな負担はない。
今日の飲み会は、思ったよりも早く解散になった。一次会のお店が思いのほか美味しく、満腹になってしまったのだ。少し物足りない気持ちもありつつ、でも、眠いし、何より明日も仕事だから、ありがたい気持ちもある。
そんな複雑な感情を抱えて、改札をくぐる。
今から帰れば、お風呂に入っても、日付が変わる前にベットに入れるだろう。逆に早すぎて、普段の飲み会帰りにはすでに閉まっているお店がまだ開いているまである。電車の発車までかなり時間があるし、せっかくなので、成城石井に寄ることにした。
明日のパンでも買うか〜と思いながら、店内を物色する。スコーンを買う。スコーンは好きだ。スコーンと一言で言っても、私が好きなのはイングリッシュスコーン。アメリカンなスコーンは普通だ。イングリッシュスコーンにクロテッドクリームをたっぷりつけて食べる。それが好きだ。味も好きだし、そういうスコーンの伝統的な食べ方を嗜んでいる自分が好きだ。
最近、朝あまり早く起きられないから、そんな悠長な朝ごはんタイムは難しいだろうが、まぁ、とりあえずスコーンを購入することにした。こういう判断力の鈍化は酔っ払っているからやむを得ない。そういうことにする。
そういえば、デザートを食べていない。ジェラートを食べようかという話をしていたのに、食べそびれた。何かスイーツを食べよう。
成城石井のフルーツが載ってる杏仁豆腐が結構好きだ。濃厚でいい。時間は時間なので10%オフになっている。嬉しい。ジェラートは寒いからむしろこっちの方がいい。
そう思い、手を伸ばしたとき、その横に並んでいる商品が目に入った。
「紫芋餅と羽二重餅のモーモーチャーチャー」
餅は好きだ。紫芋も嫌いではない。秋冬は芋だよね〜という気持ちもある。
では、モーモーチャーチャーは?
気づいたらもう、レジで会計を済ませていた。
絶対に美味しいとわかっている杏仁豆腐を捨ててまで選んでしまった。
でも、この気持ち良い酔っ払いにモーモーチャーチャーは卑怯である。買わざるを得ない。だって、モーモーチャーチャーって。
正直何かがわからない。
見た目と語感から、東南アジア系のスイーツなのではないかという予測は働く。でも、真実はどうでもいい。
モーモーチャーチャーというその言葉だけで、もう、完全に囚われてしまった。
イングリッシュスコーンとモーモーチャーチャーが入った袋をブラブラチャーチャーしながら、モーモートコトコ歩いて帰宅した。
今、湯船が溜まるのを待ちながら、モーモーチャーチャーと待機している。
予想していたより、具に塩味があり、本体(?)部分はクリーミーで濃厚だった。勝手にベトナムのチェーのようなものをイメージしていたから、もっとココナッツミルクな感じかと思っていた。でも、そうではなく、その具の塩味がさらに本体の濃厚さを際立たせていて良かった。モーモーがチャーチャーしていると言っても過言ではない。今の私は、そう確信している。