バンギャのマリカ
3日前の事。(2010年の出来事です。)
マイミクのマリカは横浜に住む17歳。まゆの親友。
数ヶ月ほど前まではjkだったんだけど、中退したので今は何者でもない。バンギャはあがったとのたまうが、実際はそうでもない。
見た目は上玉のキャバ嬢。ない胸をがんばって盛っている。目元もこれでもかって ほど、盛ってあるw とにかくあばらが見えるほどやせている。
夜8時。渋谷で会う事になった。
マリカ「ブンちゃん。マリカ家出してきたんだよ。」
ブン「横浜から家出も何もねーだろw親と喧嘩か?」
マリカ「ちがうよ。家出って言えば、Tが心配してくれるから、そう言った。本命メンだもん。」
ブン「もうそろそろバンギャもやめろよw」
マリカ「とっくにあがったよ~(数ヶ月前)バンギャあがったから、メンとつながれたんじゃん。」
ブン「それつながるために、そう言ってるだけだろww」
マリカ「今日はTが仕事終わりで新宿まで来いってさ。」
焼肉を食べて恒例のプリをとるw今大ブレイク中の盛れるプリ。
そして、待っても待ってもTからメールが来ないらしい。
仕事も残っているので、俺は帰ろうとすると、マリカはついてくる。五反田に向かう。
ブン「この部屋来たら、ちゃんとあーたんに挨拶しなきゃ駄目なんだよ?」
俺が指を指すのは二年前に死んだ俺の恋人の写真がならぶ場所。
マリカ「はじめまして!」
マリカには素直で子供みたいなところがいっぱいある。
ブン「マリカさ、ちょっとすっぴん見せてよ。」
マリカ「絶対やだ!」
ブン「見せたほうが特だぞ~。今の100倍、マリカをかわいくなるようにアドバイスしてやる。」
しぶしぶ、化粧をおとすマリカ。
なんと、素顔は驚きの美少女だった。高橋愛をかわいくしたようなアイドル顔。俺はプロだからね。少し予想してたけど、ここまでの差はなかなか珍しい。
普通の男は、厚化粧を見るとブスを隠すためと思う。
でもマリカは違った。
ブン「すっぴんのほうが全然かわいいじゃねーかw高橋愛かと思ったぞ」
マリカ「うっそ。コンプレックスだらけだもん。絶対誰にも見せられない。」
ブン「素顔生かしたほうがいいんだがな」
マリカ「薄メイクじゃ、外歩けない。」
ブン「ま~な。メイクは仮面だからな。俺の元女房もそうだったっけ。」
マリカ「うん仮面!仮面ですよね。」
ブン「じゃあさ、サクリナと掘北まき。大事にされそうなのはどっちだ?」
マリカ「掘北…。」
ブン「大事にされたくないのか?すぐやらせそーって思わせたいのか?」
マリカ「大事にされたい。でもマリカなんて、やらせなきゃ相手にしてもらえない 。」
ブン「ぜってーちがうしw」
マリカ「中学もずっといじめられてたもん。毎日呼び出されてブスブスってなぐら れてた。」
ブン「あのなマリカ。それはな…お前の顔がよすぎるからだ…」
マリカ「信じない!あ、Yからメールだ。朝、会いたいって」
ブン「Tじゃねーのか?www」
マリカ「Yはねずっと好きなんだよね。だってやさしいもん。家出したって言ったら心配してくれた。」
ブン「Tはどーしたんだ?w まいいやw試しにすっぴんで行ってみたらどうだ?」
すっぴんで、行ってもいいかメールを打つマリカ。もちろんYもTもマリカのすっぴんなど見た事がない。
マリカ「時間あるんだからちゃんとメイクして来いってさ」
ブン「大事にされてねー><」
マリカ「タクシーで行くって言ったら、金ないんだから、始発で来いってさ。」
ブン「普通心配だから、一刻も早く会いたいだろーwむしろタクシー代もてよw そいつ貧乏なのか?」
マリカ「ボーイズバーやってて、月収80万って言ってたよ。」
ブン「ん~ならそれほど貧乏ってほどでもないぞ。新宿までのタクシー代くらいは出せる気がする。」
マリカ「わかってるんですよ。目的くらい。」
ブン「そっか。マリカ思ったよりかしこいもんな。そんなに寂しいのか。」
マリカ「つながってないと不安。」
ブン「セックスは好きな人じゃないとやったら駄目!」
マリカ「じゃなんで風俗があるのさ」
ブン「う…」
マリカ「ブンちゃんは恋人以外とつながった事ないの?」
ブン「う…。いやま~若い頃は…」
マリカ「じゃ、マリカまだ17歳なんだからやってもいいんじゃん。」
ブン「でも女の子のリスクは大きいんだよ。マリカ妊娠したり、HIVになったらどーなる?」
マリカ「捨てられる」
ブン「じゃゴムしろ。」
ブン「ん~下妻物語見るか?あ、当然見てるか。」
マリカ「みるみる~何度見ても好き~」
下妻物語をあれやこれや解説しながら、見るマリカ。こんな時はやっぱりホントに子供に見える。
マリカ「深キョンいいよね~。マリカこれ見てロリに目覚めたし」
ブン「へ~バンギャって甘ロリってよりゴスだと思ってたよ。」
マリカ「甘ロリだよ。全然甘ロリ」
ブン「今のマリカはアゲハだよなw マリカ、そのすっぴんに近い顔なら、甘ロリのが全然かわいいぞ。」
マリカ「そーかなー」
ブン「じゃあさ、マーズとリズ。ヤリモクのターゲットになるのはどっちで、大事にされるのはどっちだ」
マリカ「うん。マーズ系だとすぐやらせそう。」
ブン「大事にされたくない?」
マリカ「されたい…。」
会話ループw。
マリカ「マリカはメンかホスかショップ店員の彼氏じゃなきゃ駄目なの!パンピーはやだ!」
ブン「なんでだよ。人で選べよ。肩書きで選ぶなよ。」
マリカ「やっぱボーカルの人と がったとか、ステータスだし。」
ブン「じゃ今呼び出されているYとかTとかいうメンは有名なのか?俺は聞いた事ないんだけど」
マリカ「Yはもうダサメンだよ。でもYと がってれば、その友達のGってバンドのS と がれるかもしれないじゃん。」
ブン「Yと がってる時点で、Sはマリカの事相手にしねーと思うんだがな。」
マリカ「マジかよ。駄目だ心折れたよ」
ブン「マリカのいる世界は小さいよ。村だよ」
ブン「例えばさ…俺がよくやる麻雀の世界も小さいんだよ。うん。マリカのいるバンギャの世界よりもはるかに小さい。」
ブン「ごめん。マリカ、麻雀わからないかw」
マリカ「わかるよ?マリカのまわりの男、みんな麻雀大好きだもん。」
ブン「そだよな。ホスやメンって歌舞伎町あたりの雀荘にいっぱいいるもんなw」
マリカ「マリカも麻雀けっこうわかるよ。」
ブン「この麻雀の世界にいる女子の典型的なゆがんだ価値観があってさw 麻雀強いと何故かかっこよく見えるのねw」
ブン「麻雀って誰でも、強い日もあれば弱い日もあるのねw んで、結局ギャンブル好きのダメンズを好きになっちゃって、数年後に後悔して"もう麻雀やる人は好きになりません。"って言うんだ。」
ブン「なのに、しばらくたつとまたその日強い人にホレちゃうw馬鹿恋愛スパイラル。」
マリカ「V系バンギャと似てるねw」
そうだよなマリカ。
俺から見たら歪んだ価値観かもしれないのだけど、きっとマリカの今見える小さな小さな世界では、それが一等なんだよな。
俺も昔、そんな世界にいた気がする。いや今も自分が広いとそう思っているだけで 、偏った価値観の世界の中で小さな宝物を追っているだけなのかもしれない。
だとしたら俺とマリカにどんな違いがあるんだ。
俺は確かに金を得ている、雑誌やテレビで賞賛される。
だけどそれは偉いのか?たかが金や名声じゃねーか。
今の社会においては、確かに俺は認められ、マリカは認められてないだろう。
じゃもっと広げて、自然界ではどうだ。宇宙界ではどうだ。
俺はマリカに説教できるほど偉いんか?
結局俺らは朝までこんな問答を繰り返した。
朝が来たので、俺はマリカを五反田駅まで送った。
ブン「あのなマリカ…なんかお説教ばっかりになってごめんな」
マリカ「ん~そうでもないよ?それに2つだけ言う事聞くよ。ゴムするし、18才になったら、恋人としかしない。でも…」
「でもマリカ、たぶんしばらくたったら忘れるから、またお説教してください。」
マリカは、そのまま五反田のホームの階段を駆け上がっていった。
Yと会ったあと、ちゃんと家に帰ってくれるのだろうか。
もしかしたら、しばらく家に帰らずに、また違うメンやホスの食い物にされに行くのかもしれない。
だけどきっと、この地上においてきっと俺とマリカは変わらない。
いや瞬間のエネルギーはマリカの方が断然高い。
そして、少なくともマリカは少しづつでも変わろうとしている。
そう考えると情熱を維持できていない枯れた自分が恥ずかしくなる。
また近いうちマリカが俺に泣きついて来る気がする。
その時はきっと話してやろう。
マリカの持つ可能性の話や、未来の話や、本当はたくさんある希望の話をね。
マリカに合った未来をいくつか具体的に提示してやろうと思う。
次はマリカが自分の未来をほんの少しでもシャープに見えるようになるといいな。
マリカのプロフとmixiに俺の事が書いてあった。ちゃんと帰った事も書いてあった。
読みながら少しにっこりしてしまった。
注)一応この話の現場にはマリカの親友のまゆがずっといたので、僕と二人キリで会ったわけではないですw
他のお話を読む
バンギャのまやたす
黒猫のサヤカ
くたばれクリスマス あやこ
境界のアリス
一応用語解説
V系-ビジュアル系バンド。
バンギャ-主にV系バンドを追っかけるギャル
プリ-プリクラ
繫がる-連絡先交換をする。セックスする。など用途は広い
盛れる-大きくする。強調する。
メン-バンドのメンバー
ホス-平成系のホスト
おにい-ギャル男の進化系?w
プロフ-中高生に人気の携帯コミュニケーションサイト
リアタイ-リアルタイムに出来事を書くサイト
ダサメン-ダサいメンバー
池-イケてるメンバー
サクリナ-桜井莉菜
マーズ-109ブランドでもキャバ系でアゲハ系
リズ-リズリサ。109ブランドでも少女っぽい感じ。ちょっと俺と仕事で付き合ってるw
ロリ-ロリイタファッション
甘ロリ-ベイビーやMILKみたいなロココ調文化を基調にしたファッション。
ゴス-ゴシックロリィタ。
パンピー-一般人んというより、主にリーマンを指す。