シェア
この記事はマガジンを購入した人だけが読めます
その国の王さまはバス停でした。 ふくよかなお顔ですがおからだはやせすぎなくらい細く、それでいてどっしりと安定感抜群の王さまで、王国の人びとに愛されていました。 王さまは王宮のなかでふんぞり返ることなどなく一日中外にいます。 夜は星を見上げ、昼は強い日差しに焼かれ、雪の日も嵐の日も王国の人びとの暮らしを見守っていらっしゃいました。 王さまは優しかたなので、訪れる人のために雨風や日差しを避けるこじんまりとした待合所を作り、座りここちのよい椅子、夜は心やすらぐあかりを、そう