おじさんがいきなり絶交するだけの話(なのに面白い)『イニシェリン島の精霊』【映画レビュー】
★★★★☆
鑑賞日:2月13日
劇 場:伏見ミリオン座
監 督:マーティン・マクドナー
主 演:コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン
前作『スリー・ビルボード』がめちゃくちゃ高い評価を受けたマーティン・マクドナー監督の新作。
まずは ↑ の予告を見てほしい。
アイルランドの孤島で仲が良かったおじさん2人が絶縁する話のようだ。
実際に鑑賞するとそれ以上でもそれ以下でもないことがわかる。
本当におじさんが絶交するだけなのだ。
しかもその言い分が納得できるような、できないような感じ。
曰く、
「お前の話はマジでつまらない。お前は本当に退屈な人間で一緒にいるだけ時間の無駄。音楽を演っていた方が楽しいし後世にも残る。だからもうオレに話かけてくるな」
と容赦なく一方的に突き放して終わりである。
当然、言われた側は「なんで?昨日までは仲良かったじゃん。オレが何か悪いことした?」となるのだが、相手は全く聞く耳なし。
その内、事態はエスカレートして・・・
本当にただこれだけの話なのだが、恐ろしく見応えがあり面白い。
いや、もう少し正直に書くと、見終わった時は、こんなものを見せられてどんな気持ちになればいいんだ、と困惑していたのだが、いまは良い映画だったな・見て良かったなという感想。
絶交される側のコリン・ファレル(の垂れ眉と情けない顔)、する側のブレンダン・グリーソン、少し風変りな島の住人バリー・コーガンと役者陣がとにかく見事。妹役のケリー・コンドンも印象的。
今年のアカデミー賞作品賞にノミネートも納得の1本でした。
(text by Presiden TRM)
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